英語の自然な表現を身につける「コロケーション」学習

コロケーションcollocation)とは、言葉の中で慣用的に併用される定番の組み合わせです。コロケーション単位で言い回しを身につけられると、違和感のない自然な表現、こなれた表現、流暢な表現をモノにできます。

コロケーションに含まれる範囲は広く、take place のように熟語・連語として扱われる例もあれば、watch TV のように熟語とは言いにくい例も含みます。

日々の英語学習の中でコロケーションを意識しながら英語の文章に接してみましょう。感覚的に自然な表現が選択できるようになったなら、それはネイティブ並みの言語感覚を身につけた英語上級者の証です。

コロケーションとは何か

collocation は動詞 collocate の名詞形で、原義は「併置する」といった意味合いです。

collocate は《 co-(共に)+ locate(置く)》という構成ですが、もともとラテン語に由来する語であり、英語の接頭辞 co- ではなくラテン語の接頭辞 col- が付与されているため、collocate と綴られます。

コロケーションは品詞にかかわらず発生します。つまり、《動詞+名詞》に限らず、《形容詞+名詞》や《副詞+形容詞》のコロケーションも多々あります。

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コロケーションは「表現の定番の組み合わせ」

コロケーションを一言で説明するなら「定番の組み合わせ」です。

日本語で例えるなら

日本語で「嘘」を組み合わせる動詞といえば、「つく(吐く)が最も一般的で自然に響きます。つまり、「嘘をつく(吐く)」という言い方は、コロケーションの例といえます。「嘘をこく(放く)」もコロケーションといえるでしょう。

  • 靴を履く
  • ズボンを穿く
  • 代金を払う
  • 目くじらを立てる

日本語の日常的な言い回しの中にも、名詞や動詞のお決まりの組み合わせはいくらでも見つかります。普段から意識することはなかなかありませんが。

コロケーションの多くは絶対的な組み合わせではない

多くの場合、コロケーションの結びつきは、イディオム(成句)ほど強くはありません。あえてハズした文章も文意が通じる場合も多々あります。

日本語の「嘘」の例でいえば、あえて「嘘を言う」のように表現しても、意味は伝わりますし、間違った表現であるとも断言できません。とはいえ、多くの人はぎこちなさを感じてしまうでしょう。


英語表現はコロケーションで把握する

英語の表現の中にもコロケーションは当然のように生じています。

コロケーションの多くは、熟語や成句として単独で扱われたり、動詞のニュアンスの違いによって説明されたりします。

英語のコロケーションは日本語とは異なる

例えば、「音を立てる」という表現があります。日本語では通常「音を作る」とは言いません。しかし、英語では一般的に「make a sound」や「produce a sound」のような表現が用いられます。

さらに例を見てみると、日本語では「服を着ている」とは言いますが、「眼鏡を着ている」とは言いません。一方英語では、「wear clothes」(服を着ている)という場合の「wear」が眼鏡にも用いられ、「wear glasses」(眼鏡をかけている)という表現が一般的です。

以上のように、慣用的に用いられる単語の並びは、日本語と英語とでは大きく異なっています。

コロケーションを習得するための勉強方法は、大きく分けて4つあります。

【1】ネイティブスピーカーと話す

既にコロケーションを習得しているネイティブスピーカーと会話することで、コロケーションの知識を身につけることができます。ネイティブスピーカーとの英会話では、よく使われる慣用的表現を知ることができ、学んだ表現を実際に使ってみることで知識が定着します。

ただし、国によって言葉のつながりに違いが出てくる場合もあります。例えば、「洗濯をする」という表現は、イギリス英語では「do the washing」、アメリカ英語では「do the laundry」と言います。

わからない表現を言われた時にすぐに意味を尋ねることができるという点も、ネイティブスピーカーとの英会話の利点です。相手と直接話さず、テキストメッセージや電話でのやりとりあってもコロケーションを学ぶことができます。

【2】ドラマ・映画のセリフや歌を覚える

ドラマや映画のセリフ、歌詞などで用いられている英語表現を暗記してしまえば、単語のつながりを覚えることができます。英会話においてフレーズを反射的に言うことができる、または英語の歌を無意識で口ずさむことができるというレベルになれば、覚えたセリフや歌詞に含まれるコロケーションは自然に習得しているでしょう。

【3】ウェブサイトでコロケーションを学ぶ

インターネット上には、英語のコロケーションの例を集めているサイトが数多く存在します。「Common collocations」のようなキーワードで検索し、出てきた表現を覚えれば力がつきます。「have」や「do」のような基本単語のみに絞ってコロケーションを学べるサイトもあります。

参照:Collocations Lists

【4】コロケーション辞書を活用する

英語のコロケーションの一覧を載せている本や辞書が存在します。コロケーションをわかりやすく学びたいのであれば、和書を利用すると良いでしょう。

ネイティブスピーカーの使うコロケーションが網羅されている辞書を持っていれば、どのような表現もすぐに調べることができ、コロケーションの知識が格段に増えるでしょう。

英会話においても読解においても、コロケーションを意識することで一歩先の英語力を目指すことができるでしょう。


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