英語の助動詞表現 used to は、主に「過去の習慣的動作」や「過去の継続的状態」といった意味で用いられます。あらためて用法・用例をおさらいしましょう。
used to が取り得る意味の幅はさほど広くはなく、他の助動詞と比べれば把握しやすい部類です。「過去の習慣的動作」という点では助動詞 would との使い分け方に戸惑いがちです。比較しつつ区別をつけてしまいましょう。
used to の主な意味・用法・用例
used to は動詞の「動作動詞」か「状態動詞」かという区分によって意味合いが変わります。
過去の習慣的動作(よく 〜 したものだった)
used to の代表的な意味合いとして「過去の習慣的な動作」を示す用法が挙げられます。これは動作動詞を伴って用いられます。
ジョンと私はよく放課後に公園で一緒に遊んだものだった
否定文や疑問文では、一般的には used を didで置き換えて述べられます。イギリス英語には usednʻt や Used 〜 ? のような表現を用いられる場合もありますが、硬い言い方であり、用例はかなり限られます。
私たちはよく一緒に勉強したよね
あなたは学生の頃はよく勉強しましたか
私は以前はそれほど旅に出たりしなかった
過去の継続的状態を表す(以前は〜だった)
used to が状態動詞と共に使われると、「過去の継続的な状態」を示す表現になります。
彼女は以前は可愛くて優しかった
彼はもう1年前の彼ではない
be used to との混同に注意
used to と be used to は混同しやすい要注意の類似表現です。しっかり対比させて違いを覚えておきましょう。
be used to は動名詞(〜ing)を伴って「〜することに慣れている」という意味を表します。
used には助動詞と形容詞の用法があります。be used to の used は形容詞。to は前置詞です。
ジャックはよく夜遅くまで起きていたものだった
【助動詞表現】【過去の習慣的動作】
ジャックは夜遅くまで起きていることに慣れている
【形容詞表現】【(現在の)慣れている状態】
be動詞(または get 等の動詞)が used to よりも前方に登場する場合、助動詞でなく形容詞としての be used to であると判断できます。
used to と would の違い
助動詞 would も、used to と同様「過去の習慣的動作」の意味で用いられることがままあります。ただし使い方に差があります。
過去の事を示す語が必要・不要
used to は過去を表現する語を伴わずに使えます。
他方、would には(過去の継続的状態を表す用法がないので)過去を表現する語が必要です。
彼女は私をよく公園に連れていってくれたものだ
彼女は私が子どものころ、よく私を公園に連れていってくれたものだ
現在まで継続していないのかどうか
used to には「以前はそうだったが今はそうではない」というニュアンスが含まれています。
他方、過去の習慣的動作を表す would はことさらに現在の状況と対比するニュアンスは含みません。現在はどんな状況であっても(特に現在の状況に言及することなく)使えます。
彼は以前はよく煙草を吸っていたものだ(が、いまは吸わない)
ジェーンは内向的だった。彼女はよく家で本を読んだものだった