英語の「静かさ」をニュアンスで使い分ける【4単語】

日本語で「静か」と表現される物事にも、場面や状況によって微妙に「静かさ」のニュアンスが違います。たとえば、「やけに静かな場所だね」と言う場合と、「ちょっと静かにしてね」と言う場合。物音が、「静かさ」のニュアンスがちょっと違います。

英語には、日本語の「静か」に対応する表現が複数あります。状況に応じて適切に使い分けられるようになっておきましょう。

「ちょっとだけ静かにしてね」のつもりで Be silent. と伝えたら、相手はビックリ&なんだかとてもションボリ、なんて事もあり得ますので……。

quiet は 騒音が抑えられた静かさ

quiet はラテン語の quietus(静かな、安らかな、自由な)を語源とする語であり、quit(止める)と同源です。余計な音が止んでしずかになった、という種類の静かさを意味します。

必ずしも、全くの無音状態を指すわけではありません。むしろ、喧噪が止んた状態、やかましくない状態という点に焦点が置かれます。

Hush, be quiet.
しーっ、静かにして

She whispered to me in a quiet voice.
彼女は私に静かな声で囁いた

This road is quiet compared to the next one.
隣に比べるとこの道は静かだ


silent は 完全に無音の静けさ

silent は、騒音がないだけでなく、音一つしないという種類の静かさ・静けさを指す表現です。しんと静まり返った状態、完全に無音の状態です。

お静かに、という意味合いで命令形で be silent と言う使い方もできます。ただしこれは quiet よりも堅く厳しい印象を与えます。日本語でいうところの「静粛に!」に近いニュアンスといえます。

The place was very silent.
その場所は全くの無音だった

I said a silent prayer in front of the grave.
私はその墓の前で無言で祈った

Be silent!
ご静粛に

shh


still は動きもなく音もしない「静止」状態

still は副詞の「まだ」という意味で広く知られる単語ですが、形容詞としては「静止している」「しんとした」といった意味で用いられます。じっと動かず、そのため物音もしない、といったさまを表現します。

日本語でも「動かずに」という意味で「静か」という場合がありますが、still はまさにそんなニュアンスです。

Surprisingly, the child sat still for an hour.
驚いたことにその子は1時間も静かに座っていた

Still waters run deep.
深い川は静かに流れる

The forest was still as the grave.
その森は墓地のように静まり返っていた

tranquil は 穏やかな落ち着いた静かさ

tranquil は自然環境などが穏やかな状態にある、あるいは心が落ち着いた(平静の)状態にある、といった意味合いの静かさを表現する単語です。荒れる・乱れるといった要素のない、平静・平穏な状態であり、心地よい静けさです。

We enjoyed the tranquil time, just two of us.
私たちは二人きりで静かな時間を楽しんだ

It is better to study in a tranquil environment.
静寂な環境で勉強するほうがいい

Today was the first time I walked around its tranquil little garden.
今日、初めてこの静かで小さな庭を歩きました

 




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