質問はコミュニケーションの基本、友達づくりの最初の手がかりです。英会話でどんなことを質問すれば会話が盛り上がるのか、どんな質問を想定しておくと初対面の人とも英会話で盛り上がれるのか。そんなコツをお教えしましょう。
人との出会いは海外旅行の大きな魅力です。見知らぬ地で逢った見知らぬ人と、すこし気心の知れた友だちになる。それは、かりそめの出会いと別れだったとしても、かけがえのない何かが得られる体験です。
とはいえ、旅先の異国の地で、文化背景の異なる異国人と、しかも英語でコミュニケーションをするなると、ちょっと尻込みしてしまうというもの。
海外の旅先での外国人との会話には、その状況独特の話題というか、話がはずみやすい独特の会話ネタがあります。
目次
異文化だからこそ会話のはずむ話題がある
私(筆者)は学生時代に海外旅行にハマって1年間どっぷり海外旅行に明け暮れたことがあります。巡った国・地域は13ヶ国50都市ほど。
旅行中はいろいろな場所で人とコミュニケーションを取ります。人との出会いがあります。空港、ホテル、観光施設、あるいはバス停や道ばたなど。会話は、ふとしたきっかけで始まるものです。バスを待つ間に軽い身の上話をしたり、やや話し込んだ末に「夕方ヒマなの?じゃあ食事ご一緒しない?」といってさらに親睦を深めたこともありました。(同性でしたのでロマンス的展開はありませんでしたが
いろいろな人と出会って話をしているうちに、おおよそ「決まって聞かれる質問」や「ちょっと意外な質問」、「比較的ウケのよい回答のしかた」などが見えてきました。
あくまで個人の経験ではありますが、少なからず共感の得られる内容ではある、また多くの人が適用できる内容でもあるだろうと考えています。
第一段階、初対面では「自己紹介」を
ファーストステップは「相手との初対面で交わす会話の内容」。まあ、いわゆる「よくある話題」が中心ではあります。
はじめて出会った人との会話では、簡単な自己紹介が定番の話題です。名前を名乗ったり、どこから来た、どこへ行った、どこへ行く予定、というような内容です。名付けてゴーギャン式自己紹介術。
どこから来たの?
Where are you from?
これは必ず聞かれる質問です。こちらも相手の出身は気になりますし、自ずと質問に挙がるでしょう。
ここで単に「日本から」だけでなく、さらにもう一歩詳しく「日本の東京から」のように答えてあげると、話題がいっきに膨らみます。あるいは相手が「へえ、日本のどこから?」とさらに尋ねてくるかもしれません。
ここで留意しておきたいのが、海外で知られている日本の地名・都市名は限られているという点です。東京・京都・大阪あたりは比較的よく知られているところですが、その他の「県」レベルの地名となると相手が知っているとはまず期待できません。
もちろん県名を述べる以外にもいろいろと説明のしかたはあります。
「相手が興味をもって質問してくれている+相手が知らない情報」は、自分から発信する絶好の機会です。日本の魅力をアピールする好機でもあります。
地元の名産品や行事などを紹介するだけでも、会話の広がり方や盛り上がり方は格段に違ってきます。
私は途中からポストカードを何枚か携えて旅行し、質問を受けた際に見せてあげるようにしていました。東京出身なので東京タワー、スカイツリー、江戸の風景を描いた浮世絵の3点。
仲良くなった方には友好の証としてポストカードを贈りました。これはまず間違いなく喜んでもらえます。
同じ話題を問い返すことも重要
自己紹介は互いにし合うもの。先に質問を受けて、ひととおり返答したら、勢いそのまま相手へ「あなたはどちらから?」と質問してあげましょう。相手も自分の出身地について説明してくれるはずです。
興味がわいたなら「もっと知りたい」という意思を伝えましょう。相手も悪い気はしません。
君の母国についてもっと教えて!
日本って、ここからどのくらいかかるの?
How long did it take you to get here?
ヨーロッパ圏を巡っていた頃に特によく質問されたフレーズです。
欧州の地図は大西洋が中心にあり、日本は文字通り極東に位置しますから、距離感がピンと来ないのは無理もありません。地図上で見つけたためしがない人がいてもおかしくない。
実際、日本からヨーロッパへ渡るには、空路の直行便でも10時間ちょっとの移動が強いられます。乗り継ぎを経たりするとさらに時間がかかります。
「飛行機で12時間ほど」のように回答すると、ほぼ必ず「!!!」的なリアクションが返ってきます。
ヨーロッパは基本的に陸続きで、国ごとの距離もそう隔たってはいません。ヨーロッパ中を巡ったことのある人はザラにいますが片道10時間を超えるような移動を経験した人はめったにいません。それだけに、空路で10時間はものすごい長旅のように感じられるのでしょう。
渡航手段も質問ネタになる
日本から海外に渡る際の交通手段はもっぱら飛行機に絞られますが、相手の住んでいる場所と現在地との位置関係によっては陸路海路とさまざまな交通手段の利用があり得ます。
相手の出身地を尋ねたついでに、何に乗ってきたの?と尋ねてみるのもよいかもしれません。
ということは夜行バスでここまで来たの?
名前の由来は?
What does your name stand for?
名前の由来は意外とよく聞かれる質問ネタです。特に西欧ではしょっちゅう聞かれます。
西欧キリスト教文化圏では、誕生日に由来する聖人にちなんを名前が洗礼名(クリスチャンネーム)として命名する文化がありますし、親の名前を一部引き継ぐ命名方式の国もあります。名前には意味がある、という認識が日本以上にあるのかもしれません。
日本人で、直接に何かにちなんだ名前の方は少数派でしょうけれど、特に由来が定かでなくても「漢字を紹介する」などすれば十分に相手の期待に答えられます。
私自身は自分の名前の意味を紹介する際には漢字、平仮名、カタカナでそれぞれ字に書いて紹介していました。これだけでも感心されます。
私の知人は名字に「榊」という字が含まれており「この漢字の意味は《神の木》だ」というように紹介していたそうです。
漢字やカタカナは「なんとなく字面がカッコイイ」と感じる外国人が多いようです。相手の名前に話が及んだ後、相手の名前をカタカナあるいは平仮名でしたためてあげると、喜んでもらえます。本当です。
何を専門に学んでいるの/働いているの?
What is your major?
学問あるいは職業に関する質問も、海外では知り合って間もない段階で飛び出します。
職業なり大学で専攻した分野なりを脈絡もなく質問することは、日本では何となくはばかられる雰囲気もありますが、ヨーロッパ辺りではむしろこの手の質問は聞かれて嬉しい部類の話題のようです。
欧米では、学校で学んだことが仕事・職業に直結しやすい傾向があります。自身の生業・専門性を尊ぶ文化があるともいえるかもしれません。
学問や仕事に関する話題は、互いの自己紹介からから世間的な話へ展開しやすく、いわゆる「共通の話題」を見出しやすいという点でも意外と役立ちます。
場合によってはニッチなネタで盛り上がれるかもしれません。話が専門的な話題に立ち入りすぎて収集がつかなくなる場合もあるので、あまり込み入った質問は避けた方がよいかもしれませんが。
どこが一番お気に入り?
Where’s your favorite place ~(in this city / your country?)
これは単独で聞かれる質問ではなく、会話の流れを受けて次に聞かれる質問の部類なのですが、さまざまな話題に付随してこの質問が投げかけられるという意味で頻出の質問フレーズです。
こちらからも会話中に相手に投げかけやすく、会話をさらに広げやすい、さらに、いろいろと有益な情報を引き出せるフレーズでもあります。
相手が直前に訪れた観光スポットについて話題に上った際には、すかさず「どの辺がよかった?」と尋ねましょう。それによって体験者の感想・体験者の語るオススメポイントが聞けます。
特に気の向くまま旅行している身としてはこれはたいへん強力な行き先決定の動機になり得ます。
話の内容を踏まえてさらに「それのどの辺がイイと感じるのかな?」と疑問を抱いたなら、さらに「どうしてそれを気に入ったのだろう」のように尋ねてみてもよいでしょう。
どの辺がそう思うの?
質問は重要な相づち表現です。「どうして」は別にキツい一言でも何でもありません。また、聞き取れなかった単語や地名が出てきたら素直に聞きなおす姿勢も大切です。
スシは好きだよ!
I love SUSHI!!!
結構な割合で、こちらが日本の出身と判明すると反射的に返ってくる返答です。
日本食といえば寿司レストラン、というイメージが半ば根付いてしまっているという実情があります。「寿司といえば江戸前にぎり寿司」はまだしも、「日本人の主食が寿司」という認識の人も中にはいます。
まあ日本人が「印度 → カレー」と連想するようなものでしょうから、お互い様でしょうけれど……
「日本人は毎日スシを食っている」という人がいる一方で、主食が白米という事実に驚く人もいます。
食い物の話は普遍的
「食」はとにかく文化の違いが顕著、かつ、その違いを互いに楽んで語り合える話題です。
食べ物の話題に話が及んだら好きな食べ物について質問してみてもよいでしょう。
あなたの好きな食べ物は?
郷土料理について教えてくれるかもしれませんし、現地のおいしいレストランを教えてくれるかもしれません。個人的にも「今から一緒に食べに行こうよ」という流れになったことが何度かありました。
食事作法の文化差もよい話題
食事の仕方や作法(マナー)の事情も恰好の話題です。お箸の持ち方・使い方や「嫌い箸」などは、きっと興味をもって聞いてくれるでしょう。
第二段階、打ち解けてきたら「相互理解」へ
まだ初対面といえる段階で交わす内容は、いずれも広い意味で「自己紹介」のうちといえる内容です。個人に立ち入った質問までは及んでいません。
これが互いにある程度うち解けてきて、いくらかは気心の知れた、気さくな雰囲気になってくると、一気に心理的距離が縮まります。
この段階で交わす話題の中には、「急にそんなこと聞くかね?」と、ちょっとギョッとする種類の質問が飛んでくることがちょくちょくあります。しかもこれが海外ではよく話題に上る質問だったりします。
急に質問されると面食らったようになってしまう場合もあるかもしれません。そういう質問があるんだと知っておけば面食らうことはないでしょう。
彼氏(彼女)はいる?
Do you have a boy friend?
個人的にはコレが唐突に聞かれてビックリした質問の第1位です。
日本で初対面の相手にこんな質問したらとんだ節操なしと思われてしまいそうですが、海外では恋人の有無はさも当たり前の話題であるかのように普通に質問されます。同性の間でも異性間でも。
……すでにお気づきの方もいるかと思いますが、実は冒頭からここまで列挙されてきた質問フレーズはいずれも「イエスかノーかでは回答できない」タイプの質問、いわゆるオープンクエスチョンです。
オープンクエスチョンは回答者が自由に答えることで話題の幅をどんどん広げていける会話テクニックです。やはり質問上手は会話上手ということでしょう。
で、この「カレシいる?」の質問に限ってイエスかノーかで返答が迫られるクローズドクエスチョンなんです!!
恋人がいる方は、外聞を気にせずにノロケ倒すいいチャンスかもしれませんですわね。
海外には「LGBT」(いわゆる性的マイノリティ)に対する認識や理解が進んでいる国も多くあります。時には、いきなり「自分はゲイだ」と告白してくるような人もいます。
そうした告白には面食らってしまうかもしれませんが、困惑してしまったり態度が変になってしまったりしないように、つとめて意識を平静に保ちながら会話を続けられるような話題を探しましょう。可能であれば面食らうこともないようLGBTへの理解を深めておけるとベストです。
将来の夢は?
What do you want to be in the future?
この質問は、What is your major? の質問からの流れで付いてくる場合も多々あります。特にこちらが学生の場合は。
この質問で留意しておくべきは、Why? (なぜ)と聞かれやすいという点でしょう。というのも、こちらの「学んでいること」と「将来の夢」が向こうにとってチグハグに映ることがしばしばあるのです。
日本では大学の専攻と就職先の業種・職種はかならずしも強く結びつきません。法学を学んで小売の営業とか英米文学を学んで飲食店のマーケティング部門なんてことは日本ではザラにあります。他方、欧米では、学校で学んだことがおおむね仕事・職業に直結します。
そのため、いま勉強していることと将来なりたいものの間のギャップが感じられると、さらに説明を求める why が投げかけられることになります。
そして将来に目を向ける話題へ
将来の夢は、と聞かれてこちらがひととおり話したら、すかさず相手の将来の夢はと聞き返してあげましょう。
あなたは?
お互いに自身の将来像を思い描く瞬間は、共に未来へと目を向けている感覚があって、なかなか独特の感慨ある瞬間です。
日本人のイメージって、どんな?
What is your image of Japanese people?
これはもっぱら自分から相手へ質問するフレーズですが、個人的によく尋ねていた質問です。
海外の人は日本人をどのようにとらえているのかが垣間見えて、あらたな自己認識にもつながる、聞くたびに新鮮みを覚える質問でした。
日本はいわゆる主要先進国であり、「日本」という国名はそれなりに高い知名度を誇りますが、日本という国が実際にどういう国かという点について確たるイメージを持っている人はそうそういません。
多くの人は日本のイメージとして「サムライ」「ニンジャ」「アニメ」「マンガ」のような項目を挙げてきます。多分にソフトウェア的、サブカル的、そしてステレオタイプ的です。そうしたイメージを聞くのは楽しいものです。
この質問は、日本がらみの話題ですから、関連づけて話を広げやすい点も大きな利点です。たまに「ニンジャやサムライは今はどこで活動しているのか」的な意見が飛び出すのもまた一興。相手の認識を正してあげつつ、話も盛り上がるでしょう。
この質問から「日本人どうしてそんなに××なのか」というような切り口で質問がこちらに飛んでくることもあります。×× に当てはまる形容は「勤勉」「誠実」あるいは「変態」などと色々ですが……ここまで話題が及ぶと、もう夜を徹してでも語り尽くせないほど会話は際限なく広がっていきます。
日本人・中国人・韓国人って見分けられる?
Do you recognize the differences between Korean, Chinese and Japanese?
これは相手に質問するとかなりの確率で大ウケした話題です。特に西欧では、ほぼ鉄板ネタとして相手への質問に使っていました。西洋人だけでなくアジア人同士で話題にしても盛り上がる会話ネタです。
この会話ネタ自体は特に日中韓の固有の事象というわけではありません。われわれ極東在住の日本人の多くにとって、ドイツ人とオランダ人の区別がいまいちつかないようなものです。
日本人にも中国人にも韓国人にも、世界中で活躍している人がいます。ヨーロッパの街中でもしばしばアジア人を目にします。そうした普段の何気ない情報を通じて、アジア人にも国ごとに微妙な違いがあることは雰囲気的に察しているわけですが、しかし明確な違いが指摘できるわけではなく、「ありそうな、ないような」の感覚に留まっています。
つまり、この手の話題は恰好の「あるあるネタ」につながりやすいのです。
こまかい見分けポイントを教えてあげよう
話題の着地点としては、文化的な見分け方のポイントを教えてあげるとうまく話がまとまり、相手にも喜ばれます。
たとえば女性を見分ける場合、お化粧の傾向で判断できることが多いという話。日本人はヘアスタイルが奔放でアイメイクが濃いめ、中国人はごく薄化粧でたいていロングヘアー、韓国人は口紅が濃い紅色だったりメガネが大きな黒縁だったりする、など。
ただし、自国や隣国を不当に傷つけることのないような当たり障りのない要素を紹介しましょう。
「~」をあなたの国の言葉で教えて!
What do you say ” ~ ” in your language?
互いの理解が深まってきたら、お互いの「言葉」を手がかりとした相互理解もおすすめできる話題です。楽しく、ためになり、話題が尽きない良題材です。
たとえば相手の国の言葉で自己紹介。習ったらすぐに試せます。「ありがとう」のようなお礼の言葉を教えてもらうと、相手に感謝を伝える場面でより相手の心に届くメッセージとして活用できます。
英語圏の英語ネイティブスピーカーとの会話では、英語の挨拶・自己紹介フレーズはさすがに教わるまでもないかもしれませんが、日常のちょっとした動作について英語で何というか質問したり、あるいは何か面白いスラングはないか聞いてみたりすると、同じように盛り上がれるでしょう。
最後の最後まで繰り返せる話題
「それって(あなたの国の言葉では)どう言うの?」という話題は、一度話に上ると別れ際まで話のネタとして使い所があります。
たとえば、「じゃあ、ここでお別れだね」という場面では、「さようなら」に当たる別れ際の挨拶を教えてもらい、その教わった言葉で挨拶しながらお別れ、といった流れを取ることもできます。最後の瞬間まで充実した(&クドくもない)コミュニケーションが図れる上に、ちょっとした感動が添えられます。
どうして日本人は英語が苦手なの?
Why can’t Japanese speak English?
Why are Japanese bad at English?
これも日本人はよく聞かれる質問です。少なくとも個人的にはいちばん多く聞かれた印象があります (自分の英語がマズかっただけかも知れませんが……!!
地味に返しづらい質問です。
この質問については、どう回答するかは人それぞれと思います。私自身はうまく回答できたためしがなかったのですが、今ににして思えば、 「積極的に話そうとしない」「正確さを求めすぎる」という部分が大きな(特徴的な)要因なのではと考えています。
日本人が英語を全く話せない、というわけではありません。文法や発音がまずくても意思疎通は可能です。持論ではありますが「英語は度胸」です。
日本人の英語の発音は独特(いわゆる「ジャパニーズイングリッシュ」)と言われることも非常にしばしば。というか、日本人でも英語ラジオニュースなどを聞いていると「あ、これは日本人が喋っているな」と感づいてしまいます。
劣等感を抱く必要はない
しかし「英語が下手」と指摘されても恥じたり臆したり尻込みしたりする必要はまったくありません。
内心「あなたがたの耳がジャパニーズイングリッシュに慣れていないだけですよ」と思うくらいの気構えでいましょう。
日本人が英語を学ぶ場合は主にアメリカ英語を模範とします。そのためか、イギリス英語やカナダ英語、オーストラリア英語のような、地域独特のクセをもつ英語に接すると戸惑ってしまうことがあります。でも、それも聞いているうちに慣れてきます。まあ日本語の方言に似た感覚といえるでしょう。
英語話者の多くはイギリス英語やオーストラリア英語は英語の一つのありかたとして認識し受け入れていますが、ニッポン英語つまりジャパニーズイングリッシュについては、一般的認識がそこまで浸透していないというわけです。
フクシマは今どうなの?
How is the situation in Fukushima today?
2011年に発生した東日本大震災は、全世界で大きく報道されました。
世界的にも稀な規模の地震活動、大規模な津波、そして津波により機能不全に陥った原子力発電所。
特に原子力発電が多く人々に感心を持たれている国(原発を稼働させている国、導入を検討している国、脱原発を推進している国など)では、震災以降「日本 → 福島原発」を連想する人が少なからずいます。
原発の周辺の状況や、日本の原発政策の方針といった話題は、興味ある人にとっては非常に大きな関心事として映るようです。
世界に対して、どのように日本が伝えられ、見られているのか。しっかりと答えられるように日本のニュースは掴んでおきたいものです。
求められているものは「自分の考え」
この質問について「大丈夫」と答えるか「大丈夫でない」と答えるかは、個々人の考え次第でしょう。日本にいてもよく良くわからというのが正直なところかも しれません。むしろ、この質問は、私たち日本人が自国に対してきちんと向き合い、情勢の理解に努めなければならないということを思い知らされます。
相手は必ずしも「正確な情報」を求めているわけではありません。大事なことは意見を述べ合い相互理解に努めることです。自分の見解あるいは信念をしっかり表明できれば、相手も理解・満足し、一個人として改めて認めてもくれるでしょう。
言葉を濁すことも手ではある
いくら日本に関連する話題といっても、世の中のニュースを全て把握することなど到底できません。まともに考えたこともなかったような話題が振られることももちろんあります。
そんな場合には、知ったかぶりして適当に答えるよりは、よく分からないと素直に伝えましょう。ウソをついても仕方ありませんし、言葉尻を濁すことも会話テクニックのひとつです。
ごめん、よく知らないんだ
日本は治安がいいって聞くけどマジ?
Is it true that Japan is one of the safest countries in the world?
「日本=安全」は日本に対するイメージのひとつとして広く浸透しています。
海外では、所持品を置いたまま席を離れたりカバンが半開きの状態で背負ったりして何事もない(と安心していられる)ような国や地域はほとんどありません。というより、置き引きやスリには警戒して当然というのが世界の標準的な認識です。
治安の良さを示す例は日常の些細な部分にあふれています。日本では当たり前のように思われているささいな事でも、海外の人には驚きを持って受け止められます。
- 電車で眠りこける人が大勢いること
- 電車にカバンを置く網棚があること
- 喫茶店などでカバンを席に置いて席を立つこと
- 女性や子どもが夜道を一人歩きできること
- 落とした財布が返ってくる場合が多いこと
ただ、いくら日本でもスリや置き引きはいますし、落とし物が必ず手元に返ってくるとも限りません。「安全性100%保証」ではないという点に注意しつつ伝えましょう。
また、相手の国の治安状況について尋ねてみるもの面白いでしょう。文化的背景に話が及んで相互理解が深まったりします。
第三段階、酒が入って「より深い話題」へ
第一段階は出会いはじめ、互いに自己紹介して「知り合う」段階。少しだけ懇意になった第二段階は、互いを「理解し合う」段階といえるかもしれません。
相互理解を通じて意気投合し、さらに互いの予定が合えば、一緒に町歩きをした後にバーあたりで出会いを祝して乾杯……なんて流れになることもあります。
お酒が入ると、普段は控えめに話す人でもいくぶん陽気に饒舌に話せたりします。心理的な敷居の高さも変わってきて、関心事や立ち入った話題にも話が及びます。
国や民族によっても話題に上る話の傾向も違ってきますが、酒が入ると文化、歴史、政治問題といった分野の、いわゆる「センシティブな問題」に議論が及ぶことがよくあります。
普段から政治・経済について感心を向けておかないとまともに回答できないような質問を投げかけられることもすくなくありません。
たとえば
日中韓の関係性はどうなっているのか
What do you think about the relationship between China, Korea and Japan?
天皇は政治にどう関わっているのか
What is the Japanese Emperor’s role in politics?
自分の国について語ることは簡単ではありません。
隣国との関係や天皇という存在の政治的立ち位置など、日本語でも整然と論じることが容易でない話題です。まして英語で説明するとなると至難のわざです。
分からないことは、よく分からないと素直に伝えて大丈夫です。
海外でこうした話題が上り質問されることは、これらの事柄についてもしっかりと把握して見識を高め、海外でもしっかりと(英語で)見解を述べられるようにならないといけないなあ、と認識させられる話題でもあります。個人的には語学学習のモチベーションが引き上げられた体験です。
イチバン大切なのは質問内容ではなくて「心」
海外で英語で質問される「あるある」英語フレーズは、基本的に、こちらからも無難に質問できるフレーズとして参考にできます。
日本人としては「こんな立ち入った質問していいのかな」と思われるような話題も、海外では意外とアケスケに話題に上っているような場合も実際にあるものです。
いずれにせよ、沈黙による意思不通よりは会話を通じてあるべき方向を模索するほうがずっと建設的で有益な試みです。英語は度胸です。
個々の質問英語フレーズは、あくまで具体例の一部にすぎません。話題はこれに限らず、それこそ無限にあります。なにより重要なことは「伝えたい」「理解したい」という気持ちです。それさえあれば、意思伝達は半ば成功したようなものです。本当です。
一度や二度の失敗で挫けるな
気合いと度胸がいくらあっても英語が通じないということはあります。それは否定できません。
しかし、そこで諦めてはいけません。何度かうまくいかない経験を経た後に、徐々に成功体験が得られるよになってきて、そこから一気に成長が遂げられる、と私は考えます。
私も一人旅を始めた当初は、ホテルの受付の人(外国人旅行者との会話に慣れているはずの人)にさえ言いたいことがうまく伝わらず、非常に落ち込みました。それこそ地面にめり込む勢いで落ち込んだものです。
自分の場合は、すでに海外旅行を決行してしまっていた段階だったので、挫折する余地がありませんでした。そうしてとにかく英会話をやっていく間に、会話が成り立つ場面が増え、それに伴い旅が楽しくなりました。
旅行先で行動を共にした友人とは、今でもFacebookなどでつながりを保っています。このつながりは、英語学習のモチベーション維持にも、世界の世相に興味を抱くといった意味でも、ものすごく役立っています。
英会話フレーズの例なんて、あくまでも例に過ぎません。
それでも例があれば多少の心強さは感じられるものです。
フレーズ例を自分なりの方法で活用して英会話の会話の広がりを楽しんでみていただければ、と思います。