挨拶(あいさつ)と自己紹介は、出会った相手と最初に交わすコミュニケーションの出発点です。これは英会話でも同じです。英語の自己紹介フレーズも、内容は日本語の自己紹介と同様ではありますが、定番といえる英会話フレーズが多くあります。
自己紹介によく使われる英語表現を知っておくと、話題も広がりやすく、その後の会話も弾みます。場面に応じて表現を使えるよう備えておきましょう。
目次
はじめに
出会ってはじめに交わすコミュニケーションは、まず握手、それにアイコンタクト、さらに並行する形で自己紹介、という流れが基本です。
日本では初対面で握手から始める場合は限られますが、欧米などの文化圏では握手はいたって普通に行われます。握手の代わりにハグする地域もあります。
握手は接触そのもの、互いの心理的な距離感も縮まり、信頼できる相手とわかります。アイコンタクトも非言語コミュニケーションとして重要です。
自己紹介を述べる際には、まず自分の名前を述べることになりますが、その直前か直後に「出会いの喜び」を伝えましょう。お会いできて嬉しい、と明示することで、相手への敬意も伝わりますし、場の雰囲気もずっと快いものになります。
自己紹介させてください
私は~と申します
I’m ~.
私は~です
Please call me ~.
~と呼んで下さい
お会いできて嬉しく思います
相手の自己紹介を聞き、反応する
相手が自己紹介してくれている場面では、聞き手としての立ち回りも重要です。ただジッと黙っ聞いていると、興味がないのかしらと受け止められてしまいます。
聞き手に回っている時は積極的に能動的に反応を示すように少し意識してみましょう。これは自己紹介の場面に限らず英会話全般にいえる「あいづち表現」の基本です。
聞き手は、あいづちを通じて、話を聞いていること、話の内容を理解していること、そして話の内容に興味があることを話し手に伝えます。
ただ日本語会話の感覚で「あいづち」をイメージすると、ウンとかへぇというような生返事を連想してしまいがちですが、英会話におけるあいづちは、もっと中身のある、話し手の側に回るような発言です。
お元気ですか
お会いできてこちらも光栄です
What can I call you?
何とお呼びしたらよいでしょうか
We haven’t introduced ourselves yet.
自己紹介がまだでしたね
I have heard a lot about you.
あなたのことはお聞きしていましたよ
I have been looking forwadr to meeting you.
お会いできるのを楽しみにしていました
自分の経歴・出身について述べる場合
出身地や居住地、あるいは出身校や最寄り駅といった情報は、個々人の基本情報であり、おおよその人となりを知るための手がかりとして有益です。
互いに持っている情報でもあり、自己紹介として述べ合うことで会話が継続します。さらに都市名や学校名を切り口に会話を広げていくこともできます。
私は~出身です
私は~で生まれました
I grew up in~
I was brought up in~.
私は~で育ちました
My home town is ~.
実家は~にあります
I live in~.
~に住んでいます
The nearest station is~.
最寄り駅は~です
趣味について言及する場合
自己紹介の流れから、そのまま互いの趣味や関心事に話題が向くこともよくあります。自然と趣味の話題に流れていくこともありますし、質問術として趣味の話を振ってもよいでしょう。
興味関心の対象を知ることで、より具体的に、人物像が見えてきます。共通点が見いだせれば意気投合、心理的距離もさらに縮まりますし、相手をもっとよく知りたいという積極的な気持ちも増してきます。もちろん、自分がよく知らない分野だったとしても、いくらでも会話を広げていく余地があります。
何かハマっていることはありますか
~が好きです
とても~にハマっています
I’m crazy about~.
~に夢中です
I’m a big fan of~.
~にとても夢中です
日本語の「趣味」に対応する英語表現としてはホビー(hobby)が思い浮かびますが、英会話における「ご趣味は?」の質問では hobby や bobbies といった表現は基本的に使いません。「興味がある」「ハマっている」というニュアンスなら into を使って表現すれば、英会話フレーズとしてコナレた感が演出できます。
近況を話題にする場合
今現在はどうしているの?という質問は、会話の中で登場する頻度の多い話題です。英会話の中では What do you do? の質問が「現在のご職業は?」という意味で使われます。
何をなさっていますか
私は~大学の生徒です
私は~として働いています
私は~で働いています
ただ、会話の序盤でいきなり職業について尋ねたり仕事について話題を振ったりすることは非礼・失礼でありタブーと感じる文化圏もあります。序盤でむりに話題を振ろうとせず、タイミングを見計らいましょう。
雰囲気を察して話題を変えよう
よかれと思ってしたこと・言ったことが相手の気分を害してしまう場合もあります。これは文化や習慣の違いによるものですから、ある程度は致し方ないところではあります。思いも寄らない話題がタブー視されていたりするものです。
会話中は相手の表情や声のニュアンスなどにも意識を向けて、不穏な雰囲気を感じたら話題を他の方面に変えてしまいましょう。英会話が自分語りに陥らずにコミュニケーションできていれば、話題転向の必要を察することは決して困難ではありません。
それとなく話題を変えたり逸らしたりすることが難しかったり、明らかに相手が不快感を抱き始めている様子が感じられたら、マズい話題を振ってしまったことを率直に詫びて「話題を変えましょう」と述べてしまってもよいでしょう。
話題を変えましょう
気分を害されてないといいのですが
聞いてしまってごめんなさい
~でも大丈夫ですか
初対面で話題にするようなことではない(失礼にあたる)タブー事項は、もちろん文化によっても違ってきますが、西欧圏をはじめ多くの国や地域は次のような点は避けた方が無難です。
- 収入・稼ぎ
- 信仰・宗教
- 血液型
- 年齢
プライバシーや個人の内面性に深く食い込んでくるような話題は基本的に歓迎されません。血液型も、占いのネタにする文化は日本を含めごくわずかで、たいていの国では輸血時に気にする程度の個人的情報です。
「付き合っている人はいる?」とか「結婚はしている?」といった異性に関する話題も、失礼と思われやすい話題です。まあ、初対面でいきなり尋ねるような話題でありません。…… かと思えば、多少打ち解けてくると相手からこの質問が飛んできて面食らうこともあります。
話し終え方を互いに気持ちのよいものにする
終わりよければ何とやら、何事も最後に受けた印象が全体の印象を大きく左右するものです。
会話を終えるタイミングが来たら晴れやかな気持ちでお別れのあいさつを交わしましょう。出会って最初のあいさつと同様、相手への感謝を示す言葉を添えること、また、あらためて握手を交わしましょう。
お話できて良かったです
素晴らしい時間を過ごせました
またお会いしましょう
自己紹介も会話の一部に過ぎませんし、互いを良く知り合うための情報に過ぎません。「英語」「英会話」「自己紹介」といった要素に囚われすぎると、「コミュニケーション」という要素が希薄になりがちです。
会話において大切なことは相手をもっとよく知りたい、相手を好きになりたいという気持ちです。これが根本にあれば、自己紹介や質問の内容あるいは英語表現に迷うこともありません。