英語の慣用表現に curry favor という言い方があります。実は食事の「カレー」とは関係ありません。
curry favor with+人 の形で「人のご機嫌を取る」という意味があります。
curry favor with ~は「~の機嫌を取る」という意味
curry favorは、「機嫌を取る」「媚びへつらう」という意味の英語イディオムです。
curry はいわゆる「カレー」を意味する単語です。名詞の用法の他に「カレー料理にする」(カレーで味付けする)という動詞の用法もあります。そして、動詞の curry には同綴異義語で「馬にブラッシングをする」というがあります。
favor /feɪvə/ は好意・厚意を意味する名詞です。
つまり、curry favor は「飼馬にブラシをかけて(毛繕いして)飼い主の機嫌を取る」こと、転じて、「馬の飼い主の機嫌を取り、取り入ろうとする」ような行動を指す言い方として用いられてます。
イギリス英語では curry favour withと表記されることもあります。
Our new colleague is always currying favor with our boss.
私たちの新しい同僚は、いつも上司の機嫌を取ってばかりいる。
It is not a little necessary for politicians to curry favor with voters.
政治家が有権者の機嫌を取ることは少なからず必要だ。
機嫌を取るという意味の英語表現は、curry favorのほかにもいくつか存在します。「機嫌を取る」を意味する英単語は高度なものが多いため、curry favor withを覚えてしまったほうが手っ取り早いかもしれません。
ingratiate
ingratiate oneself withは機嫌を取る、取り入るという意味です。ingratiateは他動詞であるため、oneselfが必要であることに注意しましょう。
その男は私にお金を与えて取り入ろうとした。
flatter
flatterは、お世辞を言うという意味の他動詞です。お世辞を言う相手を目的語にとります。上記の英語表現と比べて、言葉でご機嫌を取るといったニュアンスです。
彼女は君にお世辞なんか言ってないよ。彼女は正直な人間だからね。
suck up to
suck up toはこびへつらう、追従的にふるまうという意味の英語イディオムです。suckは液体を吸い込むという意味の単語です。同じ意味の表現として、suck aroundも挙げられます。
彼が社長にこびへつらうのをもう見てられないよ。