ディズニー映画の主題歌や挿入歌は、英語学習の教材としてうってつけです。ディズニーソングには難しい専門用語が少なく、シンプルな表現が多いため理解しやすいというメリットがあります。
また、ディズニーソングの多くは日本語に翻訳されています。公式の日本語歌詞と英語歌詞が大きく異なる場合もあります。改めて歌詞を比較してみると、英語と日本語の違いをより深く学ぶことができます。
以下のように、ディズニーソングの歌詞を詳しく見てみると、英語だからこそ表せる独特な音の響きやニュアンスがあることがわかるでしょう。
▼ 「You can fly」(邦訳「きみもとべるよ」)
実写映画やミュージカルでも知られるディズニーの映像作品「ピーターパン」(Peter Pan)を代表する歌の1つです。
わずか3語で相手の勇気を促す言い回しで、英語独特の言葉の長さやリズムを感じられる表現といえます。
「can」は、励ましや勇気を表現できる単語です。「You can do it.」(きみならできるさ)という励ましの言葉にも使えますし、「I can do it.」(私に任せて)と引き受ける場合にも使えます。
Quarter and eighth notes on a score by Horia Varlan, on Flickr (CC BY 2.0)
▼ 「A very merry unbirthday to you」(邦訳「なんでもない日おめでとう」)
「ふしぎの国のアリス」(Alice in Wonderland)のワンシーンで流れる歌の歌詞です。
「merry」は「陽気な」「愉快な」を意味し、「メリー・クリスマス」(Merry Christmas)という表現でおなじみの単語です。
「unbirthday」は否定の「un-」を「birthday」(誕生日)という単語につなげた造語で、「誕生日ではない日」を意味します。
「A very merry unbirthday to you」は、ひとことでティーパーティーの陽気な雰囲気を感じられる表現です。造語が使われていることもあり、ひときわ特徴的な歌詞といえます。
▼ 「You’ve got a friend in me」(邦訳「君はともだち」)
ディズニーにより公開された、ピクサー・アニメーション・スタジオ製作の作品「トイ・ストーリー」(Toy Story)の主題歌のタイトルです。
英語では、所有の意味の「have」(持つ)を口語で「have got」と言うことがあります。また、「in me」はここでは「私という」と訳すことができます。
「You’ve got a friend in me」は、直訳すると「君は私という友達を持つ」という意味になります。
ちなみに、「have got」は「must」(しなければならない)という意味で使われることもあります。
▼ 「No one to tell us no or where to go」(邦訳「誰も僕ら引き止め 縛りはしない」)
「アラジン」(Aladdin)の挿入歌「A Whole New World」の一節です。
「tell us ~」(私たちに~を言う)という表現が使われています。直訳すると「私たちにノーと言ったり、行くべき場所を言ったりする人はいない」となります。「誰も僕ら引き止め 縛りはしない」という公式の邦訳では表せないニュアンスが感じられるフレーズと言えるでしょう。
▼ 「Let it go」(邦訳「ありのままで」)
2013年の大ヒット映画、「アナと雪の女王」(Frozen)の主題歌のタイトルです。
「let」は「~させておく」という意味の動詞です。また、「it」は不特定のものを示す形式上のものだと考えられます。
「let it go」は「そのままにしておく」「放っておく」「あきらめる」という意味を持ちます。歌詞では「Let it go」は命令形で使われており、「もう、放っておけばいい」という投げやりな意味を持ちうる言葉ですが、口調によっては「これでいいんだ、自分らしくしよう」というニュアンスを含み、前向きにも聞こえる不思議なフレーズと言えます。
理解しやすいディズニーソングを聞いて英語に触れることで、英語の独特なリズムやニュアンスをより明確に知ることができます。ディズニーソングは、英語の深さを気軽に味わうきっかけになります。
また、ディズニーソングには歌いたくなるようなメロディーが使われており、多くの人に受け入れられるポピュラー性があります。カラオケにも様々な曲目があるため、歌うことで堂々と発音練習ができるでしょう。
さらに、聞くことでポジティブになれる歌詞が多いということもディズニーソングの特徴です。ディズニーソングが、前向きに英語学習を続けていく助けになるかもしれません。