ディズニー映画は、英語を学ぶにはうってつけの教材です。平易な表現が中心で発音も丁寧、日常会話表現がふんだんに含まれる、映画がストーリーが魅力的で何度でも鑑賞できる、主題歌や挿入歌は歌としての完成度が高くて自分で英語で歌いたくなる、等々、長所を挙げればキリがないほど。
2013年に公開された「アナと雪の女王」(原題は「Frozen」)の主題歌「Let It Go」は、映画と共に世界中で愛される作品となりました。日本語版もすてきですが、現代的な英語表現がいくつも見つかる英語版ソングに接することもオススメです。
日本語版「Let It Go」に親しんでいるなら、英語版の歌詞もおおよその意味が理解できます。訳語の細かい違いを見つければ翻訳の面白さを発見するきっかけにもなります。
※ 英語版「Let It Go」の歌詞はディズニー公式ウェブサイトでも公開されています
Let It Go Lyrics from Frozen – Disney .com
目次
Couldn’t keep it in
「抑えられなかった」
主語「I」を省略した口語的表現。
「keep ~ in」は「~を抑える」という意味の熟語です。
Heaven knows I tried…
「私は努力してきた、神さまだけはそれを知ってる」
「Heaven knows」は「天のみぞ知る」などとも訳されます。関係代名詞 that が省かれています。
「神さま(だけ)が知っている」=「(神さまの他は)誰も知らない」あるいは「神に誓って本当のこと」というニュアンスがあります。
Don’t let them in, don’t let them see
「誰も入れてはいけない、誰にも見せてはいけない」
命令形の文章が2つ並んでいます。「let ~ in」(~を通す、招き入れる)という熟語が使われています。
Let it go, let it go, can’t hold it back anymore
「このままでいい、もう隠すなんてできない」
日本語版の歌詞で「ありのままの 姿見せるのよ」と歌われたサビ部分です。
let it go は、文字通りには「そのままにしておこう」という意味で、悩み事や気がかりに対する姿勢について述べる場合、そのままにしておこう = 放っておこう・悩んでも仕方ない・気にするなよ、もうあきらめて前向きになろうよ、といったポジティブな投げかけのニュアンスがあります。
カンマ以降は「can’t」の主語「I」が省略されています。「hold back」は「抑える、隠す」を表します。
「Let It Go」はメロディーも覚えやすく、聞くほどに味わい深さを発見でいる名曲です。
まずは歌詞にこだわらずに洋楽として聞いてみることをおすすめします。聞いているうちに、歌詞カードをみなくても歌マネできるようになります。そこから歌詞を確認しても遅くはありません。
耳に馴染んだフレーズの、実際の言葉・表現・意味を改めて確認したとき、頭の中ですべてがシャキーンとつながって「こういうことか!」という感動体験が得られるはずです。これは何とも言えない快感です。