英語では、食事前の「乾杯!」は一般的に Cheers ! という表現が用いられます。食事前のあいさつ表現として覚えておきましょう。
乾杯は飲食前のあいさつ表現。あいさつが気持ちよく交わせれば、交流はさらに深まります。
英語で会話交流する相手は、必ずしも英語のネイティブスピーカーとは限りません。その人にはその人の母国と母国語があります。そんな場合には「相手のお国の言葉で乾杯する」提案をしてみてはいかがでしょうか。
自国語のあいさつ表現を使ってもらえると嬉しいものです。あなたの国ではコレをどういうの?という話題の切り口は、会話の格好の話題になります。とはいえ乾杯の前にがっつり話し込んでも無粋です。「乾杯」の一言だけは把握しておいて、乾杯した後に話を広げる流れが粋でしょう。
ヨーロッパ圏の「乾杯」の言い方
英語「チアーズ」
英語では主に cheers 「チアーズ」が乾杯の音頭として用いられています。「チアーズ」はもとは「健康のため」を意味していました。
ほかにも bottoms up 「ボトムスアップ」という掛け声があり、これは「底をあげろ」、つまり「一気飲み」のようなイメージで使われています。
アメリカではほとんどの州で公共の場で飲酒することが禁じられています。
フランス語「サンテ」
フランス語で乾杯は sante 「サンテ」、または Tchin-tchin 「チンチン」と言います。「サンテ」はフランス語では「健康」という意味です。一方「チンチン」はグラスとグラスが当たる音を模して乾杯の掛け声になったと言われています。
「チンチン」は少しカジュアルな印象のあるフレーズなので、中の良い友達や同僚との間で使うほうが無難でしょう。
イタリア語「サルーテ」
イタリア語で乾杯は salute 「サルーテ」または cincin 「チンチン」です。サルーテは「健康のために」を意味しています。またフランスと同様にチンチンも用いられています。
スペイン語「サルー」
スペイン語で乾杯するときには salud 「サルー」を用います。「サルー」も「健康のために」を表しいます。スペインだけではなく、南米のスペイン語圏でも「サルー」が使われているようです。
ポルトガル語「サウード」
ポルトガル語の乾杯は saude 「サウード」です。ポルトガル語が公用語になっているブラジルでも「サウード」が乾杯用の掛け声として使われています。フランス、イタリア、スペイン、ポルトガルのラテン語圏の掛け声はどれも似通ってることがわかります。
ドイツ語「プロースト」「プロージット」
ドイツ語では prost 「プロースト」、または prosit 「プロージット」と言って乾杯します。「プロースト」、「プロージット」にはラテン語で「利益がありますように」という意味があるそうです。
オランダ語「プロースト」
オランダ語では proost 「プロースト」が乾杯の掛け声になっています。英語では o 「オー」が2つ重なると「ウー」のような発音に変化しますが、オランダ語ではそのまま「オー」のようにはつおんされます。オランダ語とドイツ語の乾杯の音頭も似ています。
ロシア語「ザ・ズダローヴィエ」
ロシア語では「ザ・ズダローヴィエ」が乾杯に当たります。この「ザ・ズダローヴィエ」も「健康のため」を表しています。
ロシア語にはほかにもいくつか乾杯の音頭に使われている表現があります。「ザ・ナーシュ・フストレーチュ」(出会いを祝して)や「ザ・ナーシュ・ドルージブ」(友情のために)などです。
またロシアでは、もし飲み物がノンアルコールならば、乾杯時にはグラスとグラスを合わせない習慣があるようです。
チェコ語「ナ・ズドロヴィ」
チェコ語では乾杯の際に na zdravi 「ナ・ズドロヴィ」と言います。ポーランド語の乾杯はチェコ語と似ていて、 na zdrowie 「ナ・ズドロヴィエ」が使われています。どちらも「健康のため」という意味です。
スウェーデン語「スコール」
スウェーデン語で乾杯の音頭になっているのは Skål! 「スコール」です。「スコール」はデンマーク語やノルウェー語でも乾杯の際に使われています。
ヨーロッパ圏では多くの国で「健康のため」といって乾杯する風習があるようです。これはフランスなどのラテン語地域やイギリスやスウェーデンなどの北欧地域、またロシアやチェコなどの東欧地域のどの地域においても見られる傾向です。
アジア圏の「乾杯」の言い方
中国語「ガンペイ」
中国ででは北京語と広東語で微妙に乾杯の掛け声が異なります。北京語圏では gan bei 「ガンペイ」、広東語圏では gom bui 「ゴンプイ」といって乾杯するようです。中国語は乾杯ではなく「干杯」で表記します。
中国では何回も乾杯し、またその度に飲み干す習慣があるので、お酒が弱い人は飲むペースに注意が必要です。
韓国語「ゴンベ」
韓国語では「コンベ」が乾杯に当たります。そのほかにも友達同士では乾杯のことを「チャーン」といってお酒を飲み交わすこともあります。
また日本では乾杯は通常1回しかしませんが、韓国では何度も乾杯するそうです。
ベトナム語「モッ、ハイ、バ、ヨー」
ベトナム語では乾杯時に「モッ、ハイ、バ、ヨー」と言います。この「モッ、ハイ、バ、ヨー」は和訳すると「イチ、ニー、サン、乾杯」に当たります。
タイ語「チョン・ゲーウ」
タイ語では「チョン・ゲーウ」と言って乾杯します。「チョン」は「ぶつける」、「ゲーウ」は「グラス」を意味し、「チョン・ゲーウ」は「ぐらすをぶつけよう」というニュアンスです。
シンガポール「ヤンセン」
公用語が4つあるシンガポールでは、基本的に Yam seng 「ヤンセン」が乾杯の音頭として使われているようです。ヤンセンを和訳すると「成功を祝して」です。
ヨーロッパ圏と比べると、アジア圏の乾杯の掛け声はそれぞれ国によって特色があることが伺えます。
乾杯の言い方を訊ねる言い方
食事をしているとき、お酒を飲んでいるときに、「君の母国では「乾杯」はどう言うの?」と聞いてみましょう。そこからお互いの国の文化についてなど会話が広がること間違いなしです。
韓国語では「乾杯」はどう言うの?
また日本語のお酒を飲む前の掛け声についても、少々の豆知識を添えて説明してみましょう。
日本語で「チアーズ」は「乾杯」って言うんだよ。あと日本では水で乾杯すると不吉だとされているんだ