いわゆる「格安オンライン英会話教室」を売りとするサービスの多くは、Skypeでフィリピンと接続してフィリピン人講師にレッスンを受けます。
なぜアメリカやイギリスではなく、フィリピン周辺のアジア諸国でもなく、フィリピンが選ばれているのか。その理由はいくつか挙げられます。
英会話講師にフィリピン在住フィリピン人が適する理由
英語ネイティブがきれいな英語を使う
フィリピンでは英語が公用語となっています。しかも米国の統治下に置かれていた歴史的経緯からアメリカ英語が公用語となっています。
フィリピンの言語といえばタガログ語が知られています。タガログ語も公用語です。実はフィリピンには100を超える母国語があると言われており、意思疎通の手段としては主に英語が使用されています。
そのため、東南アジアの国であるにも関わらずアメリカ英語のネイティブスピーカーが普通に居る国柄となっています。
日本との時差が少ない
フィリピンがアジア圏に位置しており、日本との時差が少ないという点も大きなポイントです。フィリピンと日本の時差は一時間程度。日本と活動時間がほぼ一緒であるため、双方が無理なく連絡を取り合えるようになっています。
アメリカやイギリスは、日本から見ればほとんど地球の裏側にあります。アメリカとは14~17時間、イギリスとは8~9時間の時差があります。リアルタイムでコミュニケーションを取るとなると、一方は夕方で他方は早朝、あるいは一方は昼間で他方は深夜、といったギャップが生じてしまいます。
物価が安い
フィリピンは物価や人件費が比較的安く、日本と比べれば物価は格段といっていいほど安い国です。2010年代半ば現在で月給が数千円~数万円ほどと言われるくらいの安さです。この月給で一般的な生活が送れるほど安いわけです。
この物価の差は日本企業にとっては提携しやすい市場となります。アメリカやイギリスの場合、物価は日本並みに高く、「格安オンライン英会話」は容易には実現できません。
フィリピンが親日的という要素も
フィリピンは基本的に親日国とされています。個々人の思惑は色々とあるでしょうが、国全体に友好的な雰囲気があるという点は、意外と大きな要因といえるかもしれません。
外務省が2014年3月に公開した「ASEAN調査」と題するレポートでもフィリピンが親日的であることが示されています。同レポートでは、ASEAN諸国の中で「日本企業のASEAN市場への進出を最も歓迎しているのはフィリピン」、18歳以上の一般市民307人中98%が、自国と「日本との間に友好関係が存在すると考えている。」と報告されています。
こうした親日的国の色も、オンライン英会話講師を構えやすい要因の一つといえるでしょう。
どの国の英語も世界に通用する
欧米の(つまり本場の)英語を学ばないと真の意味で世界に通用する英語は身につかない、という見解もあります。しかしながらアメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語をはじめ世界各地でさまざまな英語が認められている昨今、どの英語が「正しい」とは一概には言えなくなってきています。
気軽に安く英語コミュニケーションを体験できるフィリピン人講師との英会話レッスンは、多くの人にとって価値のあるサービスと言えるでしょう。
もちろん、「本場の英語を正しく身につける」という観点から、やはり欧米の教師に学ぶという選択肢もあります。利用できるサービスの特徴や価格をよく検討して自分に合った英会話レッスンを見つけましょう。