海外には、日本の習慣とは違う挨拶事情があります。日本で一般的な挨拶方法が、英語で挨拶をするときには通用しないということがよくあります。
英語で挨拶をするときには、欧米など英語圏の習慣に合わせると無難です。しかし、日本語での挨拶に慣れていると、英語で挨拶をする時にどうふるまえばいいか分からず、混乱してしまいがちです。
以下のような英語と日本語の挨拶の違いを頭に入れておくと、いざ英語を使う時にうまく挨拶ができるようになります。英語でしっかりと挨拶ができれば、英会話へとスムーズに移行できますし、相手に与える印象も良くなります。
▼ 英語での初対面の挨拶はフレンドリーな態度が基本
日本では、初対面の相手に挨拶をするときには丁寧におじぎをする習慣がありますが、英語圏の習慣では、初対面の相手に挨拶をするときは堅苦しくおじぎをするのではなく、朗らかな表情をし、相手の目を見ながら挨拶をします。
特にビジネスシーンでは、積極的に握手をするようにし、「Nice to meet you.」(初めまして)、もしくは「It’s my pleasure to meet you.」(お会いできて光栄です)のような一言を添えると好印象です。
また、英語圏の文化では、お互いに名前を呼び合うことが、相手と仲良くなる第一歩になります。そのため、初対面の挨拶のときに相手の名前を確実に覚えるようにします。初対面の相手と英語で話すときは、親近感を持たれるような表情と行動が大切です。
▼ 英語にはないが日本語ではよく使う定型表現が多い
「よろしくお願いします」「お疲れ様です」「お世話になります」など、英語にはない挨拶の定型表現が日本語には数多くあります。
例えば、「よろしくお願いします」は、初対面の挨拶のとき、相手に何かを頼むとき、別れの挨拶のときなど、使える場面の多い便利なことばです。しかし、英語で「よろしくお願いします」と言いたいときは、場面や状況によってうまく表現を使い分けなくてはいけません。
日本語では、相手に何かを頼んだときに「それでは、よろしくお願いします」のように言いますが、英語では「Thank you in advance.」(前もって感謝します)のように言います。また、「お母さんによろしく」と言いたいときは「Say hello to your mother.」(お母さんに挨拶しておいて下さい)のように言います。
以上のように、日本語でよく使われる挨拶を、英語ではいろいろなことばを使い分けて表現します。
日本と英語圏との挨拶事情の違いが分かれば、日本語での挨拶と英語での挨拶をうまく使い分けられるようになります。外国語で挨拶をするときは、海外の習慣を知り、海外の文化に合わせることで、印象の良い自然な会話へと一歩近づくことができます。