日本語のカタカナ英語表現は、正しい英語表現とは限りません。英語の本来の意味や用法、正しい英語表現を学び直しましょう。
今回の和製英語は「dema 」。
「デマ 」は和製英語。dema は通じない英語
日本語で言う、いわゆる「デマ」は、英語では false rumor のように表現します。
今日では「デマ」という語はもっぱら「根拠のないウワサや中傷」というような意味合いで用いられますが、もともとは政治の用語で「政治的な(扇動の)意図をもって流布される虚偽の情報」という意味合いが主でした。
この、後者の(政治的な)意味合いは、英語の デマゴギー(demagoguery もしくは demagogy)に基づいています(デマゴギー自体は「民衆扇動」などと和訳されますが)。ただし英語ではdemagoguery を dema と略することはありません。また、政治に関連しない風評や悪評といった意味で用いられることもありません。
端的に言えば、「デマ」は英語から日本語に導入されて勝手に略されつつ意味も変遷してしまった語です。
学生運動時代の政治運動関連の用語には同じような経緯をもつ和製英語が複数あります。たとえば「アジト」や「カンパ」もそのひとつです。
ちなみに、「デモ」(「デモ活動」や「デモテープ」のデモ)は、デモンストレーション(demonstration)の略で、英語でも略して「demo」という場合があります。
「デマ 」は英語でこう言おう!
「彼らは会社が買収されるというデマを作り上げた。 」
They fabricated a false rumor that this company is going to be bought out.