会話の中でうまく伝達する秘訣に、「つまり」や「要するに」といったまとめ表現(話の趣旨をかいつまんで表現し直す言い方)を駆使する方法があります。これは英語でも便利な言い方です。ぜひ使いこなせるようになりましょう。
話の趣旨・要点を適宜まとめ直すと、相手の理解も促されるし誤解も防げます。話が脱線しかけたり、とりとめのない話になってしまいかけたりしても、ぐっと本題に引き戻せます。
→英語の「まとめる」の表現を意味ごとに使い分ける
→英語で「以上、」と述べる場面別英語表現と使い分け方
目次
in short (要するに)
in short は、話の要点をかいつまんで述べる場合の前置きとして、一般的に使える表現です。「端的にいえば」のニュアンスがしっくり来ると言えそうです。
早い話が、そのプロジェクトは失敗したんだ
in short とほぼ同じニュアンスで、In fine (つまるところ)、 In a word (一言でいえば)、 In brief (簡単に言うと)、などの表現も使えます。
彼は、要するに、嘘つきだったってことだ
つまり、のっぴきならない状況なんだ
make a long story short (手短に言うと)
make a long story short は「話せば長くなるがあえて手短に言う」というニュアンスの言い方です。つまり「手短に言えば」「要するに」という程度の意味合いで用いられます。
make を略して long story short の形で使われることもあります。
To make a long story short, I want to borrow some money.
率直に言うけど、いくらか金を借して欲しいんだ
つまりさ、彼は気分が悪くなって、パーティーを途中で切り上げたってわけよ
that is to say(というのはつまり)
that is to say は、これまで言ってきたことを別の言い方で言い換えるときの表現です。省略して that is のみでも使われます。that is の方が人口に膾炙していると言えるかも知れません。
文中に差し挟んで that is, と言うと、「つまり何て言えばいいかなあ」と考えているようなニュアンスが表現できます。
彼はその夜までは確かに幸せだったんだ、つまり、出ていくと書かれた妻からの手紙を見つけるまではね。
彼は人が良すぎる、というのは、この世界で生きていくには甘すぎるんだよ。
the bottom line is (つまるところ)
bottom line とは、決算書のような文書の最後の行を指す表現です。the bottom line is ~ は最終的に導き出される結果を比喩的な表現する言い方です。
比喩という点を踏まえると、ただの要約というよりも「色々な事情があった末」の結論を引き出すニュアンスを込めやすい言い方です。ただ日本語に訳出するならこの表現も大抵は「要するに」のように訳されるでしょう。
これから妹を病院に連れてかないといけなくて、それからは看病してあげたいの。だからね、今日は一緒に出かけられない
in a nutshell(かいつまんで言うと)
in a nutshell も比喩的な言い回しです。nutshell はナッツの殻という意味の語。ナッツの殻の中に……すなわち「小さなナッツの殻に収まるように」話を簡素にし直すという意味合いで、「要するに」を表現する言い方です。
かいつまんでお話ししましょう
要するに事情はこうなのです
ひとことで言えば日本人はシャイですね
the point is(要点は)
the point is ~は文字通り「要点は」と率直に表現する言い方です。最も重要な事項に言及する前フリとして便利に使えます。
似た表現に the thing is もあります。これも事態の核心に触れて「つまり一番大事な要点はね」と強調する場面で使われます。
要するに、その時父さんがしたことは大きな間違いだったってことだ
肝心なことは、我々はまだ目標に到達していないということだ
in other words(言い換えると)
in other words は直訳すると「別の言葉で言うと」といった意味合いです。すでに述べたことを、さっきとは別の表現で言い直してみて、それで理解を促す、という場面で使えます。
さて、私たちは困難な状況に置かれている。つまりは無一文なんだ
彼はいつもくつろいでいるよね。まあ言い換えれば、怠け者だってこと
what I’m trying to say is(何が言いたいかというと)
What I’m trying to say is ~ は「私が言おうとしているのはね」と切り出すフレーズです。自分の言わんとしていることがいまいち伝わっていないようだな、と思われた場合には、このフレーズを挿んで言い直してみるとよいでしょう。
同じような表現として、I mean という言い方もできます。
つまり私が言いたいのはね、君に私達のビジネスについてもっと勉強してもらいたいってことなんだよ
でも教科書はフランス語で書かれてるよ!つまり、僕には難しすぎるよ。
to sum up(まとめると)
sum up は「総括する」「合計する」という意味の句動詞です。文頭で To sum up, と前置きすると、「今まで言ってきたことをまとめると」という意味合いが示せます。ある程度の長さの話をしたあとで、「結論」「総論」を提示したいときに使います。
これらをまとめれば、フリーターというだけで彼らを否定的に見るのは不適当だと言えるでしょう。
要するに、私達の生活様式は改善していると言えるでしょう。
相手の話を「要するにこういうこと?」と言う場合
自分の話ではなく、相手の話を理解するために「つまり、要するにこういうこと?」と言いたい場面では、「so, からの疑問文」で簡単に表現できます。
A:精神には読書の糧が必要です。肉体に食べ物が必要であるように。本を読まない者は魂が貧するのです
B:So, I’m in poor spirit? I don’t want to spent time on reading!
B:つまり俺の心が貧しいってことか? 読書なんぞに時間を割きたかないわ~
論点を整理する場面では「Let me get this straight.」のような表現も使えます。「要するに(率直に言えば)こういうことですよね」といって要約を促すニュアンスがあります。
要するに君は彼女に謝りたいわけだ、な