英語で「価格が安い」と表現する言い方は、単語だけでもいろいろあります。お得、お手頃、安物、等々、安さのニュアンスを一言で言い分けられます。
英語で「安い」と表現する言い方というと、まずはチープ(cheap)あたりが思い浮かびますが、cheap は「安物」「安っぽい物」のニュアンスを多分に含むので要注意です。最適な表現を使えるようになりましょう。
英語で「高い」(高価・高額)と伝える表現の種類と使い分け方
安さを率直に表現する形容詞
low-priced は他意なく「低価格」を表現する言い方
low-priced は動詞を形容詞化して「低く値付けされている」様子を示す表現です。「お得」や「安物」というような含みを特に伴わないため、客観的・中立的に価格の低さを形容する言い方として広く使えます。
あの店の商品はたいていの物が安い
reasonable は「そこそこ手頃な価格」
reasonable は「妥当な」「道理にかなう」という意味の語で、値段を形容する場合には「買い手の要求に見合う品質相応の値段」といったニュアンスで用いられます。
爆安というよりも「決して高くはない」「まあまあ」というニュアンスがあります。
この中古車は相応の手頃な値段です
inexpensive は「割高感のない」お得な安さ
inexpensive は expensive(高額)に否定の接頭辞 in- を加えた語で、「高くない → 安い」と表現する言い方です。
値が張りそうだなと思われる商品について、質が良い割に価格はさして高くない、値段の割にはイイ物だ、と好ましく評価するニュアンスがあります。
もしできれば安い席をお願いします。
cheap は「安っぽい」ニュアンスを多分に含む言い方
cheap も価格の安さを表現する一般的な表現です。ただし、品質の低さを表現する意味合いもあります。そのため、「価格は安いが品質も悪い」というニュアンスを伴いがちです。
安かろう悪かろうってヤツだな
cheap の語そのものがネガティブな表現というわけではなく、great cheap wine(安くて良質なワイン)のようにポジティブな意味で用いられることもあります。
どうしても「貧相」「粗悪」のニュアンスつきまといがちな部分はあるので、使い所には気をつけましょう。
popular は「大衆的な」価格の安さ
popular は基本的には「人気がある」「評判がよい」といった意味の語ですが、「一般大衆向けの」「民間に普及している」といった意味もあり、文脈によっては「大衆向けの安い値段」という意味を持つことがあります。
いわゆる一般民衆に受け入れられ好まれる商品は、たいてい相場よりぐっと安い品です。
popular は、安かろう悪かろうのニュアンスを含む場合も多く、基本的には cheap の婉曲的な言い方と捉えられます。
affordable は「手が届く範囲の」お値頃さ
affordable は、買い手の側に(購入する)資金的余裕がある、という観点から安さを表現する言い方です。
affordable は買い手のフトコロ具合と照らし合わせて「さほど無理せずに購入できる」と表現する言い方です。必ずしも、商品自体が驚異的に安いとは限らず、誰にとっても安いとも限りません。車や家といった高額商品カテゴリーについて用いられる場合が多々あります。
affordable には品質の良し悪しに言及するニュアンスは特にありませんが、どちらかといえば「値段相応」あるいは「値段の割に良い」という脈絡で用いられることが多いようです。
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economical は倹約に役立つ「経済的な」お値段
economical は少し硬い表現です。モノの価格自体は安いとは言えないものの、決して無駄遣いではなく、長い目で見ると浪費が抑えられてお得、といったニュアンスで用いられます。
お茶の大袋を買ったほうが安いかもしれない
modest は「控えめな」価格
modest は「謙虚な」「慎み深い」「控えめな」「あまり大きくない」という意味合いの語です。値段・価格を形容する場合は、「多くの対価を要求しない」「まあまあ穏当な」価格というニュアンスで用いられます。
謙虚という意味合いも考え合わせると、売り手の側が「勉強」した価格、といったニュアンスと捉えてよいかもしれません。
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competitive は他と比較して「より安い」お値段
competitive は compete(競)の形容詞形で、いわゆる「競争価格」、他と比べるとこちらの方が安いという意味合いの安さを指し示します。
基本的に競合商品の存在を念頭に置いて用いられる表現です。
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bargain-basement は「特売品」の安さ
bargain-basement はスーパーマーケットなどで行われる在庫一掃セール、および、そうした場で見られる低価格な値付けを意味する表現です。在庫処分品的な特価。
bargain-basement には、「(バーゲンセールで投げ売りされるような)安物」というネガティブな意味合いを伴う場合もままあります。ちなみに「バーゲンセール」は和製英語で、英語では sale だけで「特売」「安売り」を表現します。
母が僕の服を処分品価格で買ってきた
cut–price は「特価」
cut–price も形容詞で「特価」「見切り価格」に当たる言い方です。 cut‐rate ともいいます。
budget は「格安」「買い得」
budget は主に名詞で「予算」や「予算額」といった意味で用いられますが、形容詞としては「お買い得」「格安」という意味合いがあります。
Merriam-Webster英語辞書の解説では「suitable for someone who is on a budget」(予算の限られた人に適した)という含意があることが示されています。
chintzy という言い方も一応ある
chinty は文字通りには「 chintz (インド更紗)のような」という意味の語で、俗に「チンツみたいに安っぽくてケチケチした作り」「むやみに派手」という意味を含むことのある表現です。一応、英語辞書にそういう語義が載っています。
日本語で言うところの「中国製」に近い、ステレオタイプなイメージに基づいた表現といえそうです。
昨今では安物・粗悪品という意味で chinty と表現している事例に出会う場面はまずないといってよいでしょう。差別的表現ではと疑問視される側面もありますし、使用は控えた方が無難そうです。