英語には「料金」の意味で用いられる単語が複数あります。商品やサービスに対する代金、入場料、授業料、通行料、運賃、ひいては給料・契約料など、料金の種類によって表現が使い分けられます。
どういう種類の料金なのか、何に対してどのように支払う対価なのか、といった点に着目すれば、正しく使い分けるコツが見えてきます。
サービスの利用料・手数料は charge
charge は基礎的な語彙で、さまざまな意味合いで幅広く用いられますが、サービスを利用する際に支払う(請求される)対価という意味でも用いられます。
- telephone charge 通話料金
- delivery charge 配送料
- cover charge (レストランなどの)席料
- service charge サービス料
charge は動詞として「(代金を)請求する」という意味でも用いられます。How much do you charge for ~ ? という言い方を使えば、商品の値段からサービスの利用料・手数料まで幅広い場面で「いくらでしょうか」という意味で質問できます。
charge は cash と対比して「クレジットカードで(買う)」という意味で用いられることもあります。
現金で、それともカードで
商品の価格なら price
売買に伴う対価は price で表現します。「料金」というよりは「値段」「価格」に対応する語です。
- fixed price 通常料金/定価
- half price 半額
price は金銭的な「対価」だけでなく「代償」あるいは「犠牲」のような意味合いで用いられることもあります。また、動詞としては「値付けする」という意味で用いられます。
入場料および謝礼金は fee
fee は施設や組織に入る際に支払う対価、および、かかりつけの医者や弁護士などに支払う報酬や謝礼の意味で用いられます。
水族館・博物館のような施設における入場料、学校や塾に納める授業料、メンバーズクラブへの入会金あるいは会費、クレジットカードの年会費など非常に広い場面で用いることができます。
- tuition fee 授業料
- admission fee 入場料
- entrance fee 入場料、入学金
「報酬」や「謝礼」の意味合いで用いられる fee は、主に顧問制の専門職への支払いについて用いられます。
- medical fees 医療費、診察料
- legal fees 弁護士費用、相談料
入場料・入会金は admission とも表現できる
施設への入場料や、入学金・入会金・入院費といった料金は admission とも表現されます。
admission は admit(許可する)の名詞表現で、基本的には「入場(の許可)」や「入学(の許可)」という意味で用いられます。「料金」の意味で用いる用法は副次的な語義といえます。
乗り物の運賃は fare
交通機関を利用する際に支払う料金・乗車賃は fare で表現されます。ほぼ「運賃」に対応する語です。
バス、電車、飛行機、船、タクシー等々、乗り物の種類によらず幅広く使える上に、交通機関の呼び名に fee を続けて「taxi fare」(タクシー料金)のように表現できてしまいます。
- bus fare バスの運賃
- train fare 電車賃
- a one-way fare 片道料金
- airfare 飛行機の運賃
タクシーの乗客を指して fare と呼ぶ言い方もあります。
通行料は toll
高速道路や有料橋などのように「通行に対価が発生する」場合の通行料金は toll と表現されます。
港湾における荷揚料や、貨物列車の運賃なども toll で表現されることがあります。
- toll road 有料道路
- tollway 有料道路
- toll gate (高速道路の)料金所
- toll parking lot 有料駐車場
基準をもとに設定される料金や給料は rate
rare は基本的に「割合」「率」「等級」といった意味ですが、特定の基準や割合に基づいて設定され、単位計算される種類の料金を rate と表現する場合があります。
「料率」の意味でも用いられます。
- postal rates 郵便代
- hotel rates ホテル代
- parking rate 駐車料金
- hourly rate 時給