食べ物が傷んだり腐ったりして食べられなくなった状態を、英語では主に bad と形容します。日本語で「悪くなった」「だめになった」と表現する感覚に通じる言い方です。
さらに「カビが生えた」「しなびた」といった状態を具体的に表現するなら、他の表現を選んでみてもよいでしょう。
これからの季節、食品衛生に関する英語表現も見逃さずに把握しておきましょう。
食品が食べられなくなった状態を表す英語表現
腐った・傷んだ・食べられない状態は bad
腐りはじめて食べられなくなってしまった状態は bad と形容できます。日本語の「悪くなった」と同様、比較的幅広いニュアンスを含む表現です。
bad は「腐る」という意味ではもっぱら go bad の形で用いられます。go bad の2語であたかも一個の自動詞のように扱われている、といってもあながち言い過ぎではありません。
サーモンが腐ってしまった
bad milk(腐った牛乳)のように、名詞に係る限定用法で用いる言い方もできます。ちなみに bad egg は「悪人」「悪玉」を指す慣用表現です。
bad は「不味い」(マズい)という意味合いでも用いられます。be動詞を使った叙述用法では、その辺が判別しにくくなります。「腐る」は go bad 、「不味い」は taste bad と表現すると誤解なく伝わります。
ダメになってしまった状態は spoilt
「食べられなくなってしまった」という意味合いを示す表現としては spoilt も挙げられます。
spoilt は動詞 spoil(台無しにする)の過去分詞・形容詞用法です。食品が傷んだり腐ったりして「損なわれた」というニュアンスを表現します。
卵がダメになってしまった
腐敗した状態は rotten
「腐る」という意味では rotten という語も使えます。
rotten は、bad よりも「腐った」「腐敗した」という意味を明確に示す語といえます。文脈によっては「朽ちた」とも訳されます。比喩的に(倫理道徳が)「堕落した」という意味でも用いられます。
カビた・カビが生えた状態は moldy
moldy は mold(カビ)を形容詞化した語で、カビが付着していたり、カビの臭いが感じられたりする状況を形容する表現です。
「カビが生えた」と動詞的に述べる場合は get moldy のように表現できます。go moldy とも表現できます。
fusty は年季の入ったカビ臭さ
ちなみに、カビた・カビ臭いという意味では、 fusty、frowsty、musty といった表現もあります。これらの語は主に匂いに着目して「カビ臭い」「すえたにおいがする」と表現する語です。
fusty、frowsty、musty は、長いこと人が立ち入らずにホコリを被った物置や衣服などのムッとした空気を表現するような場合に用いられます。
食品を形容する語としてはあまり用いられません。
食品が新鮮でない(古くなった)状態を表現する言い方
食品が新鮮でない状況について、日本語では「古くなった」と表現する言い方がありますが、英語は old では食品の古さを表現できません。
食品の「古さ」は主に stale で表現できます。
ダメになりかけている状態は stale
stale は、食品がもはや新鮮でなくなっている状態を指す表現です。
食べられないわけではない(辛うじて食べられる)ものの、味やにおいが変になりつつあり、食べても嬉しくない、というような状況を示します。
パンやケーキの干からびた状態、肉や卵が腐る一歩手前の状態、お酒の気が抜けた状態などが表現できます。
しなびた状態は wizened
wizened は、果物などが萎びてシワが寄った状態を指します。
wizened は動詞 wizen の過去分詞(形容詞用法)です。ただし、wizen の形で用いられることは稀で、もっぱら wizened の形で形容詞的に用いられます。
wizened は年寄りのしわくちゃな肌を指す表現として用いられることもあります。