波立った心が落ち着いて「ああホッとした」という心境を英語で表現する場合、状況・状態に応じていくつかの表現を使い分けられます。
不安が払拭されたことによる安堵、緊張が解けたことによる安心、あるいは平穏に包まれている状況など、うまく表現を使い分けたいところです。
目次
relaxed は幅広く使える基本表現
relaxed は「くつろぐ」「緊張を緩める」といった意味合いの一般的な表現です。気持ちが落ち着き、心身が安らいでいる様子を示します。ただし「以前は不安だった」「それまで動揺していた」というような前提は特にありません。
relaxed の元の語は動詞 relax (リラックス)で、これは自動詞・他動詞どちらの用法もあります。
やるべきことは終わった。もう安心だ
この歌はいつも心を落ち着かせてくれる
calm は心が平穏・平静な状態
calm は元々は「凪」の状態を指す語で、海や空模様が穏やかな状況を表現します。転じて、気持ちを波立たせることのない静かな心境を表現します。
calm は、不安が取り除かれてホっとしたという「気持ちの変化」よりも、むしろ冷静な判断ができるくらい平静であるという「状態」を表現する語です。
ちなみに、calm は形容詞・動詞・名詞いずれの用法でも使えます。
コーヒーを飲むと落ち着く。
愛犬のおかげでいつも安心していられる
落ち着きなさいな
relieved は不安要素が除かれた状態
relieved は動詞 relief を元とする語です。relief の主な意味は「解放する」。つまり、relieved は(悩みや不安などから)解放されて気持ちが落ち着いた、という心境変化のニュアンスを含みます。
relief には動詞の他に名詞の用法もあります。「安心」「安堵」のような名詞として言及する場合は relief で表現できます。
あなたが無事に帰られたと聞いて安心しました
あっ、お財布ここにあったのね、ああよかった
at rest は一息ついて憩う状態
at rest は前置詞句で「休んでいる」状態を表現する言い方です。気張ることをやめて一息つくさまを指します。悩みや不安によって頭をせかせか動かしていた状態が終わったときの「休憩」と考えればよいでしょう。
at rest を使ったフレーズに、「誰か(の心)を安心させる」という意味で用いられる定番の表現 set one’s mind at rest があります。
彼女にとってつらい一年もやっと終わった。きっとホッとしてるだろうね
彼女の言葉のおかげで安心した
at ease は気が楽になった状態
at ease も前置詞句で「楽な(くつろいだ)気持ちでいる」状態を示します。心の痛みが和らいで気が軽くなった気持ち、あるいは、肩肘を張らないゆったりとした状況などを表現します。
形容詞 easy も同じ意味で使えます。
こんな頭痛では気が休まらない
今は気楽なものだよ
彼女と一緒だと気兼ねしてしまう
reassured は吉報に胸を撫で下ろした状態
reassured は他動詞 reassure を元とする表現。動詞は主に「自身を持たせる」「安心させる」などと訳されます。re + assure(再び+保証する)という構成で、「いちど懸念や不安に駆られて乱れた心が平穏を取り戻した」というニュアンスがあります。
reassured で表現される心境(安心感)は、自ずとそうなるものではなく、何らかの要因によってもたらされるものです。たとえば嬉しい報せ、励ましの言葉、成功体験、といった要素が、心を再度勇気づけてくれるさまを示します。
今日の売上には社長も一安心のようだった
医者は父の状態のことについて私を安堵させた