内面的・内省的な「よい性格」を英語で表現する言い方

人の性格を形容する言い方はとても沢山あります。「よい性格」を取ってみても、外向きの積極的な性格だけでなく、思慮深さや気遣い、誠実さといった内面性の素晴らしさもあります。

思慮深さや心の温かさといった内面的な魅力は、外向的な魅力に比べると傍から気づきにくい部分です。内面性の評価はその分だけ価値ある言葉といえるでしょう。

「誠実さ・公平さ」に関連する表現

reliable

信頼できる、頼もしい

reliable は、rely(信頼する)+接尾辞 -able で「信頼できる」と表現する語です。人を形容する場合には「頼もしい」(信用・信頼できる)という意味で、情報などを形容する場合には「確かな」「信じるに値する」といった意味で用いられます。

dependable

頼れる、頼りがいのある

dependable も depend(頼る)に接頭辞 -able を付けた表現です。

depend には「人を当てにする」というニュアンスがあり、dependable にも「甘えられて頼られる」という種類の頼もしさのニュアンスがあります。

honest

正直な、誠実な、見栄を張らない

honest は「正直」「誠実」という意味で用いられる一般的な表現です。嘘をつかない、見栄を張らない、律儀、実直、といった意味合いで用いられます。

honest は honor (名誉)と語源を同じくする語で、人に恥じない姿勢、名誉に値する姿勢、といったニュアンスがあります。

truthful

表裏のない、嘘をつかない

truthful も honest と同様に「誠実な」「正直な」という意味で用いられる語です。truth(真実)-ful(の性質がある)という構成で、「嘘を言わない」→「誠実だ」という意味合いがあります。

情報を形容して「真実だ」と述べる言い方もあります。

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responsible

責任感のある

responsible は基本的には「責任を負っている」「責任がある」という意味で用いられる語ですが、人の性格を形容して用いる場合には「責任を果たそうとする」「責任感がある」「物事を任せられる」といった意味合いが生じます。

loyal

誠実な、義理堅い

loyal は「義理堅さ」を表現する語です。「忠実」「忠誠」のように訳されがちですが、友人関係における「誠実さ」を表現する場合にも用いられます。

loyal の名詞形が loyalty (ロイヤリティ)で、マーケティング用語の「顧客ロイヤルティ」などの語に用いられます。

fair

公平な、公正な

fair は公正・公平といった意味で用いられる形容詞です。私事に流されずに正しく判断を下せるさまを形容します。人柄を表現する場合は特に「誰とでも公平に接する」といった意味で用いられます。

fair はもともと「美しい」という意味があります。明るい色の髪や肌を形容する場合もあります。

impartial

公明正大な

impartial も公正・公平の意味で用いられる語です。partial(偏っている)を接頭語 -im で打ち消した言い方であり、偏見やえこひいきのような偏向がない、したがって公正である、という意味合いを示します。

objective

客観的な

objective は object(対象)から派生した表現で、人や意見を形容する場合には「客観的な」「公平な」といった意味で用いられます。対象を客観的に捉えるニュアンスです。

object は動詞として「反対する」「異を唱える」といった意味がありますが、形容詞 objective には対立のニュアンスを含む意味用法は特にありません。

clean

公平な、清廉潔白な

clean は基本的には汚れがなくきれいな状態を指す語です。人の性格を形容する場合には、精神的に汚れた部分・やましい部分がないさまを表現します。うそ偽りがない、偏見がない(公平である)、正々堂々としている、といった意味合いで使えます。

straightforward

率直な、実直な

straightforward は日本語の「真っ直ぐ」と同様、「直線的」「脇目もふらない」「一筋に突き進む」あるいは「単刀直入」といたニュアンスを表現する言い方です。


「聡明さ・思慮深さ」に関連する表現

insightful

洞察力に富んだ

insightful は、insight(洞察)に -ful(満ちた)で「洞察力がある」と形容する言い方です。「慧眼」とも訳せます。

quick‐sighted

注意深く目敏い

quick‐sighted も「慧眼」に対応する語です。視覚的に明敏で物事を素早く察する、というニュアンスがあります。

考え方・ものの見方を形容する場合もありますが、単純に「目が物体を俊敏にとらえる」という意味でも用いられます。

smart

頭がよい、手際がよい

smart は英語ではもっぱら「賢い」「きびきびした」「洗練されている」といったニュアンスで用いられます。おしゃれ、かっこいい、頭がよい、センスがいい、等々、いろいろなニュアンスを込めて使えます。

smart には「服装がこざっぱりしていてオシャレ」という意味合いはありますが、日本語の「スマート」に見られがちな「細身の体型」という意味合いは実際には特にありません。

intelligent

聡明な、知性的な

intelligent は「高度な知性がある」さまを形容する表現です。理解力が高い、気が利いている、頭の回転が早い、といったニュアンスがあります。

intelligent は電子機器(コンピュータ)を「情報処理能力が高い」「情報処理能力を備えている」と述べる言い方としても用いられます。スマートフォンが台頭して smart の語が流行る前は、IT業界では intelligent と形容する言い方がよく使われていました。

clever も「頭がよく回る」というニュアンスの賢さを表現する語ですが、よからぬ方面に頭がよく回って「ずる賢い」「小利口な」「抜け目がない」というニュアンスを伴いがちな表現でもあります。

sharp

頭が切れる

sharp は根本的には刃物の「刃先の鋭さ」を表現する語ですが。利発さ、聡明さ、頭のよさを形容する語としても用いられます。日本語で「頭が切れる」と表現する感覚と捉えてよいでしょう。

目敏い、鼻が利くといった感覚の鋭さ(鋭敏さ)や、言葉や態度が辛辣・トゲトゲしいという意味合いを表現する場合もあります。

bright

聡明な、頭脳明晰な

bright は基本的には光に満ちた「明るさ」を表現する語です。日本語の「明るい」と同様、性格の明るさ、ある分野に精通しているさま、頭がよく物事がよく見通せているさまなどを比喩的に表現する言い方にもよく用いられます。

子供の「お利口さ」は(clever は避けて)bright で表現する場合が多々あります。

knowledgeable

博識な、見識のある

knowledgeable は、knowledge(知識)がある、つまり知識をよく用い合わせているという意味合いの表現です。文脈によって「博識」「物知り」「教養がある」「聡明」などのように訳されます。

cultured

教養のある

culture(文化・教養)の動詞の用法を形容詞的に用いる言い方で、「教養がある」「洗練されている」という意味合いを表現できます。

名詞 culture は「文化」という意味合いの他に「教養」という意味もあります。「養殖」といった意味もあります。

sensible

分別のある

sensible は sense(感覚)から派生した表現です。sense は主に「感覚」と訳されますが、「良識」「分別」という意味もあります。ものの違いを感じ取られる→思慮分別がある、と考えると納得しやすいかもしれません。

discreet

慎重な

discreet も sensible と同様に「分別のある」という意味で用いられます。慎重、控えめ、思慮深い、といったニュアンスを中心とする表現です。

meticulous

几帳面な、よく気を配る

meticulous の原語はラテン語で「怖がり」という意味ですが、英語では「慎重」「緻密」「注意深い」といった意味合いで用いられます。

場合によっては「小心者」というネガティブな意味でも用いられます。

observant

観察力の鋭い

observant は注意深い、鋭い観察眼がある、といった意味の表現です。

observe+ant という構成の表現で、observe は「観察する」という動詞、-ant は「~の人」という意味合いを加える接尾辞です。

efficient

有能な、敏腕の

efficient は、モノを形容する場合は「効率的な」「効率がよい」という意味で用いられ、人柄・人となりを形容する場合は「無駄がなく効率的に仕事をする」、つまり「腕がよい」という意味で用いられます。

文脈によっては「手際がよい」「物事を効率的に進める」といった訳し方もできます。

capable

手腕のある、才能がある

capable は、能力がある、才能がある、腕がよい(敏腕だ)といった意味合いで使えます。日本語の「デキる」に近いニュアンスのある語といえます。

be capable of ~ の形で「~ができる」「~の能力がある」と述べる言い方もできます。


「思考の柔軟さ」に関連する表現

思考が柔軟で多角的な視点を持っている人は、他人が中々思いつかないようなものの見方を提示することが得意だったりします。

flexible

柔軟な、融通の利く

flexible は flex(曲げる)+ able(できる)で「曲げやすい」性質を意味する表現です。多くの場合「柔軟な」「しなやかな」といった意味で用いられます。

特に人の性格を形容する場面では、頑固でない、適応力がある、融通が利く、といった考え方の魅力を表現できます。

文脈によっては「素直」「聞き分けがよい」あるいは「言うとおりにさせやすい」というニュアンスを含む場合もあります。

imaginative

想像力豊かな

imaginative は単独では「想像の」「空想的な」といった意味合いで用いられますが、人を形容して imaginative person のように表現する場合は「想像力に富んだ人」「創作力のある人」という意味で用いられます。

「夢想しがちな」という意味合いで用いられることもあります。

imaginary(架空の・空想上の)と混同しないように注意しましょう。

original

独創的な

original は「最初の」「元々の」あるいは「独創的な」「オリジナルな」といった意味で、作、住民、独特の絵、という意味合い用いられますが、人を独創的と形容する意味合いでも使えます。

creative

創造的な

creative は「創造的」「創造性に富んだ」あるいは「独創的な」といった意味合いで、日本語で「クリエイティブな人」と形容する言い方と同様のニュアンスで使えます。

人を形容する言い方の他にも、文章や考え方などを形容する言い方にも使えます。

「心の穏やかさ」に関連する表現

quiet

物静かな

quiet は「動きがない」様子を表現する語です。人柄を形容する場合には、もの静か、穏やか、おとなしい、といった人柄を表現できます。無口、内気という含みで用いられることもあります。

calm

温和な、平穏な

calm は主に「凪」のイメージで用いられる表現です。基本的には天候が穏やか、海面が波立っておらず静か、といった様子を形容します。

人の性格について calm と形容する場合、気分が波だっていない=平静でいる、落ち着いている、温和である、といった意味で使えます。

イギリス英語では「自信満々でいる」というような皮肉めいたニュアンスを帯びることがあります。

suave

物腰の柔らかな

suave は態度(話し方・接し方)が丁寧で温和・柔和な様子を表現できる言い方です。「人当たりが良い」とも訳せます。

suave はワインの味わい(口当たりの良さ)を形容することもあります。

ちなみにsuave の発音は /swάːv/ 。

artistic

風雅な、優雅な

artistic は art および artist から派生した語で、「芸術的な」「芸術的に優れた」「芸術的に素晴らしい」といった意味で用いられます。

artistic talent(芸術的才能)とか artistic work(芸術的に優れた作品)という風に人以外の対象を形容する場合もあれば、artistic person(芸術家肌の人)という風に人柄を形容する場合もあります。

「風雅な」「趣のある」というニュアンスで用いられることもあります。

warm

心の温かい、友好的な

warm は温度を表現する言い方ですが、比喩的に「温情がある」という意味でも使えます。日本語で「温かい(人)」と表現する感覚で使えます。

gentle

温和な、上品な

gentle は人柄や声や人との接し方に優しさや柔らかさがあるさまを指す形容詞です。優しい、紳士的、上品といったニュアンスが表現できます。

モノを形容して gentle breeze(そよ風)、gentle slope(ゆるやかな斜面)のように表現する言い方もあります。

mild

温厚な

mild は「穏やか」「のどか」といった様子を表現する語です。日本語では「口当たりがまろやか」「刺激が少なめ」といった意味でマイルドと表現されますが、英語の mild には人柄の優しさ、穏やかさ、温厚さを表現する意味合いがあります。

gracious

丁重な、親切な

gracious は grace(優雅な)から派生した表現で、思いやりがあって丁重に接するさまを形容する語です。目上の者が目下の者へ接する際に、ぞんざいな対応をしない、というニュアンスが根本にあります。

形容詞の限定用法では、暮らしぶりが上品で優雅なさまを指す場合もあります。

modest

腰の低い、慎み深い

modest は謙虚で控えめな様子を表します。

モノに対して使うと modest littile house(地味な家・こぢんまりした家)のように「質素」のニュアンスを帯びますが、人柄を形容する場合は特に否定的名ニュアンスは伴いません。(「内気」「遠慮がち」という含みを伴う場合はあります)

「意志の強さ」に関連する表現

hard-working

勤勉な

hard-working は「よく働く」「よく勉強する」という意味合いで用いられる形容詞表現です。

hard-worker (勤勉家)と表現する言い方もあります

diligent

熱心な、勤勉な

diligent も、hard-working と同様に勤勉さを表す形容詞です。元々はラテン語で、心血を注ぐといった意味合いの語に由来します。

studious

勉強好きな

studious は study に接尾辞 -ous がついて「よく勉強する」という意味を示す形容詞形です。進んで勉強に取り組むさまを表現できます。学問に限らず、物事に「入念に」「一生懸命に」取り組む様子を表現する言い方としても用いられます。

conscientious

良心的な、誠実な

conscientious は conscience と語源を同じくする語で、良心・道徳心のあるさまを表現する言い方です。「誠実」あるいは「注意深い」「念入りに事を運ぶ」といった意味合いで用いられます。

independent

自立心の強い、自主性のある

independent  は depend(依存した)に否定の接頭語 -in が付いて「他に依存しない」という意味を示す語です。国や組織が「独立している」(隷属していない)という意味でも用いられますが、人柄を形容して「他人に依存しない」「自律できている」と表現する語としても使えます。

decisive

きっぱりとした

decisive は decide(決断する)の関連語です。モノを形容する場合には「意思決定に関わる(直結する)」という意味で用いられますが、人となりを形容する場合には「決断力がある」「断固とした(きっぱりとした)」「思い切りがよい」といった意味合いで用いられます。

determined

覚悟のある

determined は determine(決心する)から派生した表現で、「決心がなされた」→ 「覚悟を決めた」という意味合いを表現できます。

strong-willed

意思の強い

strong-willed は意思(will)が強いさまを表現する言い方です。

-willed は「~の意思がある」という意味の複合語を作ります。weak-willed (意志薄弱な)、 free-willed (考え方の奔放な)、good-willed(善良な)という風に使えます。

single-minded

ひたむきな

single-minded は -minded で「気質」を表現する複合語表現です。single(ひとつの)+ -minded ということで「一意専心」の人柄を表現します。

patient

忍耐強い

patient は形容詞としては「我慢強い」「辛抱強い」「忍耐強い」という意味合いで用いられます。「勤勉」と訳せる場合もあります。

名詞としては(医者に対する)「患者」の意味を持ちます。名詞の「患者」も根本は同じ「耐えている人」の意味合いです。

persistent

粘り強い

persistent は persist(固執する)から派生した形容詞です。あくまでも取り組みつづける根気強さを表現できます。

ただし persistent は「頑固な」「しつこい」「執着心が強い」「食い下がる」といったと否定的なニュアンスで用いられることもままあります。

earnest

真面目な

earnest は「真剣さ」「熱心さ」を表す形容詞です。まじめ、ひたむき、といった意味で使えます。

「礼儀正しさ」に関連する表現

polite

丁寧な

polite は「礼儀正しい」という意味合いで一般的に用いられる表現といえるでしょう。礼節をわきまえ、相手に失礼のないように振る舞う、といったニュアンスがあります。

場合によっては、消極的で他人行儀といった意味合いを含む場合もあります。

courteous

礼儀正しい

courteous も「親切」「丁寧」「礼儀正しい」といった意味を表現する語です。作法を重んじ、人に敬意を込めて接する、といったニュアンスがあります。

courteous は court(宮廷)に語源が求められる語です。「宮廷に仕えるのに適している」という脈絡から理解できそうです。

courtly

丁寧で洗練された

courtly も courteous と同じく court(宮廷)に由来する語です。courtly は「丁寧」というより「上品で洗練された」「優雅な」といった意味合いで用いられます。

形容詞を語尾の -ly は副詞にも多く用いられる接尾辞ですが、形容詞を作る場合もあります。「丁寧」の意味で用いられる courtly はもっぱら形容詞です。

ただし courtly は副詞としても用いられます。courtly は副詞としては「こびへつらう」というニュアンスを伴う場合があります。

well-mannered

行儀の良い

well-mannered は well(よい)-mannered(作法)という構成の複合語です。

mannered は「行儀が~である」という意味の複合語を作る言い方です。well-mannered の対義語としては ill-mannered(行儀の悪い)が挙げられます。

gallant

男らしい

gallant は「勇敢な」「英雄的な」あるいは「雄々しい」といった意味のある語です。転じて、「(男性が)女性に対して丁寧」「女性に優しい」という意味でも用いられます。

decorous

品のある

decorous は、礼儀正しく気品のあるさまを形容する表現です。振る舞いが端正で、礼にかなっている、品の良さがある、というニュアンスで用いられます。

礼儀正しく品があるさまを形容する語としては seemly なども挙げられます。seemly はもっぱら所作・動作を形容する語として扱われます。




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