議論や物語の大まかな内容・話の流れ、すなわち「あらまし」や「あらすじ」は、英語では summary や outline などの語で表現できます。いわゆる「概要」のニュアンスです。
summary や outline の他に、 sketch(素描)や rundown (ザックリした話)のような言い方もできます。各表現のニュアンスを理解して、状況に応じて使い分けられるようになりましょう。
目次
summary (要約、概略、まとめ)
summary は話の要点をかいつまんで述べること(述べたもの)であり、日本語で言うところの「要約」「概要」に近いニュアンスの表現です。
物語のあらまし、議論における中心的議題、ニュースをかいつまんで述べた内容など、幅広い場面で使えます。「まとめ」程度の意味でも使える便利表現です。
outline (概略、趣旨、要旨)
outline は「輪郭線」、「下図」、「略図」、そして「話のおおまかな内容」を意味する語です。summary が「全体から要点を拾い上げる」形の概要と捉えるなら、outline は「要点だけをザッと描く」形の概要と捉えられるでしょう。
digest (摘要、梗概、ダイジェスト)
digest は、スポーツ系ニュース番組などでまま耳にする「ダイジェスト映像」とかいう、あのダイジェストの意味合いの語です。(ただし英語の digest は名詞です)
digest は動詞としては「(食べ物を)消化する」という意味で用いられます。余分なものを消化して大事な部分だけかいつまんだイメージが感じられます。
sketch (素描、点描、概略)
sketch は絵の下書き・大まかな描写を指す語です。絵画に限らず「おおざっぱに描写する」という意味合いで、さまざまな場面で使える表現です。
構想・計画の素案というニュアンスで「概要」の意味を示す場合もあります。動詞として「簡略に述べる」という意味で用いられる場合もあります。
rundown (ざっくりとしたまとめ)
rundown は口語表現で「概要」の意味で用いられます。もともと衰退・縮小といった意味のある表現であり、「内容を削ぎ落として端的に述べる」といったニュアンスが感じられます。
synopsis (あらすじ、大意)
synopsis は、主に小説・劇・映画などの作品の大まかな内容を指す表現です。その意味で、日本語表現の「あらすじ」に一番近い語といえるでしょう。
ただし、synopsis という語彙そのものがあまり平易な表現とは言えず、語源もラテン語からギリシア語まで遡る=やや格式ばった響きを伴いやすい、という点もあり、日常会話などでは summary や outline などの語の方が出番が多そうです。
story(話)
story は基本的に「物語」そのもの(の全体像)を指す表現ですが、文脈によっては「(話の)あらすじ」という意味でも用いられます。
たとえば「どんなお話だった?」と訊ねるような場合には、「話」は実際のところ、あらすじを訊ねているわけです。「話を聞かせてください」と求めるような場合も、詳細を漏らさず全て述べよと言っているわけではなく、大まかな流れを聞かせて欲しいという趣旨と受け取るべきだったりします。
これはどういう感じの話ですか
その話を聞かせてください