「言及する」を意味する「mention」と「refer to」の違いと使い方

「mention」と「refer to」は、どちらも「言及する」「話の引き合いに出す」といった意味をもつ語です。日常の英会話でも、「~について言う」という表現をしたい場合によく使います。ただし、「mention」と「refer to」はニュアンスが少し違います。そのため、英会話で「~について言う」と言いたい時は、「mention」を使うべき時と「refer to」を使うべき時を区別しなくてはいけません。

また、「mention」を使った便利なフレーズはいくつもあるため、「mention」の使い時を知ることで英語での表現の幅が広がります。「mention」と「refer to」のニュアンスの違いが分かると、より自然な英語の使い分けができるようになるでしょう。

▼ 「mention」には「軽く触れる」というニュアンスがある

「mention」は「mind」(心)と同じ語源を同じくする単語で、「心に思い起こさせる」というニュアンスがあります。相手の目に見えるように「はっきりと示す」のではなく、心に思い起こさせる程度に「軽く述べる」という意味になります。

そのため、「mention」は「大々的に話題に出す」という意味では使われず、「touch on ~」(~に軽く触れる)と似た意味になります。「mention」は慣用的に次のようなフレーズでよく使われます。

As I mentioned before ~(以前軽く言及した通り)
Not to mention ~(~は言うまでもなく)
Don’t mention it.(どういたしまして)

「Don’t mention it.」は、「それは言わなくていい」という意味で、お礼の返事として使うフレーズです。また、「say」や「talk」がもっぱら「口に出して述べる」ことを表すのに対して、「mention」は「文章で軽く述べる」という意味でもよく使われます。

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▼ 「refer to」は「はっきりと言及する」という意味

「refer」は「re」(再び、後ろに)と「fer」(運ぶ)を語源に持つ単語です。そのため、「持って帰ってくる」というニュアンスがあります。必要なものを持ってきて示すという意味になるため、「参照する」「照会する」のようにも訳されます。

「mention」が「軽く取り上げる」という意味を持つのに対し、「refer to」は「きちんと話に出して取り上げる」という意味を持つ強い表現です。会話では次のような使い方ができます。

The teacher always referred to the book.(先生はいつもその本に言及していた。)

さらに、「mention」と「refer to」が直接「言及する」という意味を持つ一方で、間接的に「それとなく言及する」という場合は「allude」を使います。

以上のように、同じような意味の語でもニュアンスが違うことがよくあります。それぞれの語の細かい違いに注意することで、よりレベルの高い英語を使うことができるようになるでしょう。


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