何かを選ばなければいけないとき、または相手から意見を求められたとき、自分の意見を控えめに伝える「どちらかと言うと」という前置きは便利な表現です。英語では、「どちらかと言うと」に対応する表現が複数あり、その時の話題や文脈によって使い分けることができます。
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目次
if anything=「強いていえば」
if anythingは「どちらかと言えば」「強いて言えば」という意味の副詞句で、文頭・文中・文末に入れて使います。おそらくはIf there is anything to say(もし何か言う事があれば)が省略されたフレーズであり、「とりたてて言うことはないけれど、もし無理に何か言えるとすれば」と言いたい時に使います。選ぶか選ばないか以前に、まず選択肢を想定していない場合といえます。
She was, if anything, a hard worker.
彼女は、どちらかと言えば努力家だった
I heard you were on a diet. Did it work well?
この夏ダイエットしてたって聞いたよ。うまくいった?
Oh, no. I got a little fatter during this summer, if anything.
全然。なんなら、この夏はちょっと太っちゃった
If I had to choose=「選びたくはないんだけど」
If I had to chooseは、「もし選ばなければならないのならば」という仮定を添えることで、「実際には選びたくないんだけど」という気持ちを伝えています。選ぶ対象がどちらも好き、または嫌いなので選びようがないが、「もし選ばないといけないとしたら」という前置きです。choose(選ぶ)の他にも、say(言う)やdecide(決める)などが使えます。
I don’t like alcohol basically, but if I had to choose, I would drink wine.
基本的にお酒は好きじゃないんだけど、選ぶとしたらワインにする
Umm, I would like the left one, if I had to decide.
うーん、どちらかと言えば左の方が好きかな
would rather=「むしろ」
ratherは「どちらかと言えば、むしろ」という意味で、I would rather~は複数の物事を比べた上で自分の意見や嗜好を控えめに伝える言い方です。「~するぐらいならむしろ~する方がマシだ」などややネガティブな意見を言うときに使います。wouldをつけることで、「必ずしもという訳ではないけれど」という意味合いが含まれ、少しぼかした表現になります。
I’d rather stay in Italy than going to France.
フランスに行くくらいならむしろイタリアに留まりたい
She’s an editor rather than a writer.
彼女はどちらかと言うと一介の記者というよりむしろ編集者だ
would prefer=「好みとしては」
preferは「むしろ~を好む」という意味の動詞で、I would prefer ~は「~のほうが好みです」と控えめに伝える表現です。prefer A to B と表現すると、「 A の方が B よりは好き」という比較の意味合いを示せます。
I’d prefer to stay at home, because it’s raining.
どちらかと言えば家にいたいかな、雨が降ってるんだもん
I’d prefer wine to beer.
どちらかと言えばビールよりワインの方が好きです
「どっちでもいい」はNG
「どちらがいい?」と選択を迫らせた時は、なるべく「どちらでもいい」とむやみに言わないようにしましょう。日本では「どちらでもいい」と言うのは普通ですが、英語圏の人に対してだと「この人は何に対しても無関心なんだな」と思われてしまう恐れがあります。「どちらかと言えば○○」とだけでも自分の意見を言うことで、会話に積極的な姿勢を示すことができ、円滑なコミュニケーションに繋がります。「どっちでもいい」という場合は、相手を傷つけないような言い方を心がけましょう。→英語で相手の気持ちを害さずに「どっちでもいいよ」と伝える言い方