日本語の「キレる」は《堪忍袋の緒が切れる》という慣用表現に由来します。意味としては「我慢の限度を超えるほど怒りがわいた状態」のようにいえるでしょう。
英語では、「怒り」を示す英語表現(anger、rage、indignant、mad)などを使っても表現できますが、この他にも英語ならではの言い回しで「キレた」を表現できます。
「バナナ」と「ナッツ」
bananas とnuts は共に「気が狂う」「頭がおかしくなる」「頭に血が上る」といった俗な意味があります。複数形という部分がポイント。
どちらも「熱狂する」「熱を上げる」「夢中になる」という意味が中心で、必ずしも「怒り」を表す言い回しというわけではりませんが、キレた状態を表す場面でも多く使われます。
I’m about to go bananas!
もうキレそうだよ
Stop nagging! It’s driving me bananas!
口うるさく言わないでよ、おかしくなりそう
They think I’m bananas.
やつらは俺がぶち切れてると思っている
「フリップアウト」
flip out は正気を失うほど感情が昂ぶる様子を指し、激昂する、カッとなる、プッツンするといった意味で使えます。
もうキレちゃいそうです
flip out も歓喜や熱中で我を失う様子を指す場面でも使えます。文脈次第です。
あと、日本語の「プッツンする」は死語かもしれません。
「最後のわら1本」
last straw という言い方を使って「キレる」と表現する言い方もあります。
last straw は「わら(藁)の1穂」という意味の語ですが、これは英語のことわざ「The last straw that breaks the camel’s back.」に由来します。わら1本1本はとても軽いものですが、積もり積もれば重いもの。ついにはラクダ(運搬役)の背を折ることになる。そのラクダの背を折る契機になる最後の1本が last straw。
もう我慢の限界だ
些細なことでも許容量の限度を超えてプッツンする決定打になるというわけです。
「have had it」
have had it は助動詞 have と動詞の have を重ねた俗な言い回しで「もうおわりだ」「もうだめだ」という意味で使われます。これも「もうウンザリした」という意味があります。
おまえにはもううんざりだ
日本語でいう「オシャカになった」や「パクられた」という意味合いで have had it が使われることもあります。