英語の助動詞表現「used to」の基礎イメージと覚え方・使い方

英語の助動詞表現 used to には「過去の習慣的動作」や「過去の継続的状態」といった意味があります。意味や用法をしっかりと把握しましょう。

used to を一般動詞(普通動詞)の use と安直に関連づけると、混乱しがちです。とはいえ関連性の把握は大切です。use と used to の両方の用法が正しく把握できるような形で関連づけて学びましょう。

熟語表現「be used to」とは似て非なる表現であるという点もしっかり把握しておきましょう。


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used to の基礎的なイメージは「習慣として(いた)」

used to は、 use と to をそれぞれ個別に、語源をたどって意味を探ると、それなりに納得できそうな解釈も見つかります。

言語学的な定説を特定するのは困難でしょうし、また特定する必要もないでしょう。大事なことは、必ずしも「唯一正しい説を見出すこと」ではなく、むしろ「自分なりに感覚的に腑に落ちる」説を見つけることです。

語源からの解釈を試みる

たとえば、英語圏のオンライン語源辞典「Online Etymology Dictionary」を参照してみましょう。use の語の語源をさかのぼるとラテン語の「uti」にたどりつき、そして uti には「利用する」という系統の意味合いのほかに「習慣」や「癖」という意味もあったことがうかがえます。

uti は後に古フランス語において user となり、「習慣」「癖」という意味から「実践練習する」「頻繁に」という意味にも転じていきます。

現代英語の use にも、こうしたuti や user の意味の影響が残っています。用例は少ないものの、名詞としては「慣れ」「習慣」といった語義があり、また他動詞としては「慣れさせる」「習慣的に繰り返す」といった語義があります。


助動詞表現 used to の意味と用法・用例

過去の習慣的動作([よく]〜したものだった)

used to の用法として最初に挙げるべきは「過去の習慣的動作」でしょう。

used to の語意の根本(コアイメージ)が「過去に〜することを習慣としていた」というイメージであるとすれば、この「過去の習慣的動作」の意味合いはほぼコアイメージそのままの用法といえます。

used to に続く動詞はもっぱら「動作動詞」です。

Catherine and I used to study together in the library when we were in high school.
キャサリンと私は高校生のときその図書館でよく一緒に勉強したものだった
She used to wait for her father by the window when she was little.
彼女は小さいころよく窓辺で父親を待っていたものだった

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would との違いも対比させて覚えましょう

「過去の習慣的動作」を表現する助動詞は used to だけでなく 、would もあります。

used to と would の大きな違いは「過去の継続的な状態」を示す意味合いを含むか否かという部分です。

used to はそれ自体に「過去のことだ」という意味合いを含みます。そのため、特に過去の時点を示す時間表現などを伴わずに使えます。

would は、「昔は~したものだ」と述べる場合には「昔」を示す表現を言い添える必要があります。

英語の助動詞表現「used to」の意味・用法・用例おさらい

過去の継続的状態(以前は〜だった)

used to には「過去の継続的状態」を指す用法もあります。

used to の直後に置かれる動詞は状態動詞で、「過去に習慣的に〜な状態であった」ということで「以前は〜だった」という風に訳せる意味合いが出てきたと解釈できます。

He used to be so stubborn when he was young, but now he is mild now.
彼は若いときはとても頑固だったが、今は柔和だ
He used to be naughty when he was little, but now he is a company president.
彼は小さいころは悪ガキだったが、今や社長さんだ

助動詞表現 used to と 熟語表現 be used to の違い

used to(過去の習慣的意味合いを示す)と、be used to(〜することに慣れているという意味合いを示す)は、形が似ているため混同されやすいです。

use の古い意味合い・用法の影響を受けた結果、「used to」を含む表現は2つの違った用法を持つことになりました。これが現在、used to と be used to という見た目は似ているけれど構造も意味も違う表現が残っている理由です。

古い時代の他動詞useが歴史を経て、一方は助動詞の一部、もう一方は熟語の一部に変化していったプロセスを一度理解しておきましょう。これでもうused to と be used toを混同しないですむようになります。

他動詞useの古い使い方が「助動詞used to」に変化するプロセス

use to 〜(習慣的に〜を繰り返す)
→過去形になると 「used to 〜」(過去に習慣的に〜を繰り返した)
→これが繰り返し使われるうちに助動詞「used to」が完成
= 過去によく〜したものだった/過去に〜だった

他動詞useの古い使い方が「熟語be used to」に変化するプロセス

use 人 to 〜ing (人を〜することに慣れさせる)
→主体を入れ替えると 「人 is used to 〜ing」(人が〜することに慣らされている)
→これが繰り返し使われるうちに熟語 「人is used to 〜ing」が完成
=人が〜することに慣れている
※熟語be used to 〜ingの要素を分解すると
be:動詞
used :形容詞
to:前置詞
〜ing:動名詞
となります。

助動詞used to と 熟語be used to を見分けるポイント

used to と be used to を見分ける、構文上の簡単なポイントも押さえておきましょう。

助動詞「used to」(よく〜した)と熟語 「be used to」(〜に慣れている)との構文上の最も見分けやすい違いは、be used to のみが動名詞〜ing を伴っているところです。

Jane used to travel alone when she was a student.
ジェーンは学生時代よくひとりで旅行したものだ
Jane is used to traveling alone.
ジェーンはひとりで旅行することに慣れている

英語に触れることは歴史に触れること

英語を深く理解しようと用例や語源に触れることは、その表現が通ってきた歴史をたどることと通じています。英語を学ぶことは歴史を学ぶことでもあるのです。その言葉がタイムカプセルのように保存してきた過去の歴史とも出会うつもりで、楽しみながらたくさんの現代の用例に触れていきましょう。いつのまにか初学者を脱出し、周囲から一歩抜きん出た英語力を身に着けた自分に気づくかもしれません。




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