【先に言ってくれ】Kindleを使った英語学習は、記憶に残りにくい!?

英語学習の定番に「洋書を読む」という方法があります。とはいえ洋書は一般的な本よりは手に入れにくいもの。そこで気になるツールが電子書籍です。

Amazon.com が販売する電子書籍リーダー「Kindle」は、英語圏のストアで販売されている膨大な数の洋書が揃っています。価格もお値打ち、オンラインですぐ入手可能、さらに辞書や単語帳といった学習者向けの便利機能も満載。もう無敵に思えるほど。

他方、紙の本を用いた学習は Kindle を使った学習に勝るという調査結果も報告されています。一長一短という側面もあるという点は留意しておくべきかもしれません。

Kindle読書は記憶に残りにくいらしい

ノルウェーのスタヴァンゲル大学(Stavanger University)が、同じ小説を「Kindleで読んだ場合」と「ペーパーバックで読んだ場合」で比較し、その結果「Kindleでの読書の記憶量は紙媒体に比べて劣る」と結論づけたことがあります。イギリスの一般紙ガーディアン(the Guardian)が2014年9月に報じています。

Readers absorb less on Kindles than on paper, study finds – the guardian

この調査は、被験者50人をKindle組25名+ペーパーバック組25名に分け、同じ短編小説を読ませて、後で内容をどのくらい思い出せるか調べるという方法で行われました。Kindleで読んだ人は、本の内容構成がどんなものだったか、ペーパーバックで読んだ人よりも思い出せないという傾向が確認されたそうです。

“The Kindle readers performed significantly worse on the plot reconstruction measure, ie, when they were asked to place 14 events in the correct order.”
Kindleで読んだ人は、物語の順番を組み立て直すテスト、具体的には14のストーリーイベントを正しい順番に並べるテストにおいて、著しく悪い成績を示した

調査を主導したマンゲン氏(Anne Mangen)は、紙媒体で読んだ場合の「ページをめくる」行為の触覚的・感覚的な刺激が、物語の内容記憶に貢献している、と述べています。電子書籍は「ページをめくる」という感覚が得られにくく、物語の進行が紙に比べて分かりにくくなっている、と見られます。

とはいえ、あまり長すぎない、集中力や注意力をさほど要しない本であれば、Kindleも紙も大差ないかもしれないという見解も述べられています。


でもKindle は多読にうってつけ

洋書を使った学習法のポイントは「大量の英文に触れる」点にありますが、これは案外むずかしいものです。多くの人が「単語がわからない → 文章が読めない → 調べて手間取る&全然読み進められない → 疲れ果てる」という出足の悪さにつまずき、挫折してしまいます。

その点、Kindle は「単語がわからない」という最初のつまずき要因を充実した方法で手助けしてくれます。まずは辞書機能。わからない単語をタップすれば単語の意味がポップアップで表示されます。つぎに単語帳。辞書で調べた単語をリストに保存できるため、読書中に出会った知らない単語を復習できます。また、「WordWise」という補助機能は、難しい英単語にあらかじめルビで解説を付けてくれます。

こうした機能を活用すれば、辞書で意味を調べる作業に時間を取られすぎず、とにかくどんどん英文を読み進められます。冊数が増えてもかさばらない、興味あるジャンルの本が大量に揃っている、いつでも手に入る、といった要素も多読にぴったり。英語漬けのリーディング訓練は紙の本よりもはるかに簡単に実現できます。


要は、使い分けが重要

Kindle をはじめとする電子書籍にも、ペーパーバックをはじめとする紙媒体にも、それぞれの良さがあります。じっくり精読したい場合や、内容を堪能したい場合には、紙媒体の書籍を入手して読んだ方が結果としては効率的かもしれません。

さっと拾い読みしたり英文をとにかく追い駆けたい場合には、Kindle をはじめ電子書籍も非常に有望な選択肢になるといえそうです。




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