英語ビジネス誌「The Economist」でビジネス英語学習のススメ

英語を読み書きできるようになるには、かなり多量の英語・英文に接する必要があります。多読はどうしても必要です。そんな多読の学習には、英語圏で実際に読まれている新聞や雑誌が重宝します。

とりわけビジネス英語の習得を目指す方には、英語の週刊誌「The Economist」がオススメです。ビジネス英語はもちろん、世界の動向を見通し、深い理解力も身につく、グローバルなビジネスパーソン必携の雑誌です。

The Economist はどんな雑誌?

The Economist は、イギリスはロンドンの雑誌社(エコノミスト社)が刊行している週刊誌です。毎週土曜日に発売されています。創刊は19世紀半ばに遡る、歴史ある刊行物です。

取り扱いジャンルは幅広い

Economist(経済学者)という誌名は経済・金融の専門誌を想起させますが、実際は幅広いジャンルの事柄を扱っています。

政治・経済をはじめ、世界情勢・国際関係、ビジネス・金融、科学技術、思想・文化・芸術、等々。書評や特派員からのリポートなどもあります。

「週刊誌」というよりも「週刊新聞」と捉えた方が正しく把握できるかもしれません。

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深く掘り下げられた読み応えのある記事

The Economist の特徴としてよく挙げられる点が、つまり記事内容のクオリティの高さです。

取り上げられたトピックはどれも深い分析や洞察に満ちており、世界中のインテリ層に知的満足感を与えています。

世界経済の動きを予見したりすることも多く、経営戦略を決める立場にある経営者層や投資家には特に読まれています。オンライン雑誌ストア Fujisan.co.jp によれば、「アジア地域購読者の64%は上級管理職で、ボードメンバーや複数の企業の取締役を務める人の割合は58%を占めます」。

記者の署名記事はなく、論評はどれも「本誌」という立場を取っています。ただし見解は一貫しており、自らの立場を明確にしつつ論じているので、記事内容に正しく向き合って読み進められます。

知的ビジネスパーソンの愛読紙

The Economist はアメリカやイギリスを中心とする(そして日本をはじめとする非英語圏も含む)世界中の知識層に広く読まれています。

刊行元のエコノミスト社はロンドンの会社であり、The Economist もイギリス英語が使われているのですが、読者の半分はアメリカ人とされています。

英語ビジネス紙誌として並べて挙げられることの多い「TIME」や「Newsweek」と比べても、内容の色濃さは突出しています。文章(テキスト情報)の割合も多く、多読向きです。

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The Economist はどんな内容?

レベルの高い英語

記事内容も充実していますが、英語の文章レベルも相応に高く、他誌と比べても一段階ほど難しめです。

たとえば、世界経済に関する記事の中にはアベノミクスを占うものや中国経済・アメリカの金利政策についてを述べるなど、専門用語を用いたものが多く扱われています。

The Economist はイギリス(いわゆる「英国の宗家」です)のトップジャーナルの一つであり、使われている英語表現にも厳格さが意識されている向きがあります。崩れた文章がない、ということは、日本人にとってはかえって読みやすい英文とも言えます。

「英語学習はこれから」という人は、しばらくは英文そのものの読解(正確なリーディング)練習に専念することになるかもしれません。

それだけに、しっかり読み解けるようになった頃には、ビジネスの現場で使える英語知識はシッカリ身についているでしょう。同時に、堂々たる国際人としての教養も身についているはずです。

英語力と同時に教養が身につく

The Economist で取り上げられる記事は基本的にワールドワイドなニュースです。普段の生活でこうした話題に十分について行ける知識や理解を備えることは容易ではありません。しかも記事内容は日本語化されていないレベルの速報であり、かなり深く突っ込んで論じられているわけです。

英文そのそものが読めるようになることはもちろん重要ですが、それだけでは記事内容を十分に飲み込むことはできません。文章力ではなく記事が取り上げている事象そのものに対する理解を育てる必要があります。

The Economist には日本の国内情勢や政治に関する話題ももちろんあります。毎号必ずというわけではありませんが。日本の話題なら背景知識の備えはあります。その意味で、文章を読んで理解する練習には日本の話題がうってつけです。

記事の例:Abe’s master plan

2013年のアベノミクスについて扱った、「Leader」欄に掲載されたリポート記事から抜粋して、記事の特徴を見てみましょう。まずはリード文。

Shinzo Abe have a vision of a prosperous and patriotic Japan. The Economics looks better than Nationalism.

この一文では、日本のナショナリズムよりも経済強化に力を入れるた安倍氏を評価している著者の主張がうかがわれます。

Economic decline took a new reality in Japan when China elbowed Japan aside in 2010 to become the world’s second-largest economy.

「中国が日本を押しのけて世界第2の経済大国になった2010年に、日本の経済降下は新たな現実を見せ始めた」といった内容。この文では、日本がGDPで中国に追い抜かれたことを「elbow」(肘で突く・肘でどかす)という動詞で表現しています。

また、上の記事では when を用いた関係詞が使われていますが、それ以降の副詞節の記述はいったん無視して(切り離して) 前方の記述だけ呼んで十分に文が成立します。The Economist の英文は関係代名詞や関係副詞を無理に読み進まず英文を理解する読み方のよい教材です。

世界情勢が理解できる

日本のニュースや新聞では報道されないような、世界の経済・政治・文化の動きなどを細やかに知ることができます。芸能界のゴシップネタやスキャンダルには縁遠いかもしれません。

The Economist は「ビッグマック指数」や「トール・ラテ指数」のようなユニークな指標を考案しており、これが経済学の分野で活用されたりもしています。そのくらい専門的で高次元の情報が読めるわけです。

日本に関する話題は「海外から見た日本」という側面があります。国内ニュースとはまた違った視点で扱われており、世界的には日本がどう見られているのかが分かります。


デジタル版もいいけどアナログな雑誌も捨てがたい

The Economist はマルチメディア対応が進んでいる雑誌です。印刷物=紙媒体の雑誌(Print版)も、ウェブ上で記事が閲覧できるサービスやスマートフォン向けの専用アプリ(Digital版)もあります。

純粋に雑誌として購読するなら、電子ブックとして手軽に閲覧できるデジタル版が便利でしょう。しかし英語学習を主な目的とするならリアル紙媒体の雑誌を利用した方が効果が見込めます。電子機器を使って学習すると学習内容が記憶に残りにくい、という研究成果も報告されています。

他方、デジタル版には音声メディアが用意されているという強力なメリットもあります。リーディングに加えてリスニングまでできてしまえます。価格もプリント版より少し廉価です。

デジタル版とプリント版は一長一短。理想はPrint + Digital の両バージョンを併せて購読してしまうことでしょう。

手軽に試読+購読検討(Fujisan.co.jp)

The Economist の購読申し込みを取り扱っているオンラインストアは複数ありますが、これから始めるという方には Fujisan.co.jp の3か月購読がいちばん敷居の低い選択肢といえるでしょう。

オンライン書店Fujisan.co.jpは「購読プランの柔軟さ」と「サンプルの充実度」の両側面でかなりおすすめできるサービスです。

いきなり1年間の定期購読は価格もバカにならず、お試しの域を超えてしまいます。逆にバックナンバーを1冊だけ買ってみても、気まぐれで終わってしまいます。3か月(12週間)は成果を実感できる最小限度の期間ともいえます。

まずはサンプルを眺めて、どんな感じか確かめてみてはいかがでしょうか。




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