アメリカ英語とイギリス英語のスペル(綴り)の違いまとめ

アメリカ英語(米国式英語)とイギリス英語(英国式英語)では、同じ単語だけれどスペル(綴り)が微妙に異なる場合があります。たとえば center と centre 。あるいは、color と colour

米国英語と英国英語におけるスペルの違いには、ある程度の法則性が見いだせます。Oxford Dictionaries あらため「LEXICO」 ウェブサイトの「 American and British spelling 」などが上手くまとめてくれていますので、ぜひ参照してみてください。

この手の表記揺れは、べつに曖昧な把握でも英会話に支障を来すことはそうそうありません。でも英語を学んでいく過程では遅かれ早かれ遭遇することになる知識でもあります。早めに接して意識しておくと、後々役立つでしょう。

アメリカ英語では「take」、イギリス英語では「have」を使う表現

基礎知識

おおまかな法則性をはじめにザックリと把握しておきましょう。
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主な発生箇所は「語尾」

アメリカ英語とイギリス英語の表記の揺れの大半は語末の数文字で生じています。ガラッと変わるパターンは稀です。

つづりが部分的に変わるパターン、前後の並び順が逆転するパターン、特定の母音や文字が含まれたり省かれたりするパターンなどがあります。

「す」系の発音は s と z と c で揺れる

s の発音には「ス」の様に発音する場合と「ズ」の様に発音する場合があります。

「ズ」のような発音の際には S もしくは Z が用いて表記する場合があり、
「ス」のような発音の際には S か、 C を用いて表記する場合があります。

オーガナイズ → organize 、organise
ライセンス → licence、license

発音の米英の違いは綴りとはまた別問題

アメリカ英語とイギリス英語の間には発音が異なる単語も多くあります。ただし発音の違いは綴りの微妙な違いとはほぼ連動しません。

organize も organise  も、center も centre も、発音は同じと考えてまず問題ありません。

発音の米英の違いに注意を払うべき単語は「綴りが同じで発音が違う」代物です。これは綴りの違いとは切り離して扱ってよいでしょう。

米英以外の国は基本的にどちらかに準拠

アメリカおよびイギリス以外の国では、歴史的にイギリス連邦と密接な関係を有している国・地域についてはイギリス英語を基にする傾向があります。たとえば、オーストラリアやニュージーランドは綴りも含めてイギリス英語寄りです。

カナダはアメリカ英語とイギリス英語のどちらの綴りも導入されており、米英どちらの綴りが主に用いられているかは単語によってマチマチです。

とはいえ、つづりの選択を違えても意思疎通に支障をきたすことはまずないでしょう。


英米スペルの表記揺れパターン7

「-er」と「-re」

center や theater を典型とする「語末の-er」パターンは、使用頻度の高い単語も多く含まれており、最もよく見るパターンのひとつです。

アメリカ式英語では語尾が -er になる単語の一部が、イギリス式英語では -re と綴られます。

主な単語

アメリカ式 イギリス式 意味
theater theatre 劇場(シアター)
center centre 中心、中心地(センター)
fiber fibre 繊維(ファイバー)
liter litre リットル(体積の単位)
meter metre メートル(長さの単位)
maneuver manoeuvre 処置・方策
caliber calibre (銃砲の)口径、(人物の)度量

maneuver と manoeuvre は語末だけでなく半ばにある母音も表記が違ってくる例外的な単語です。

接尾辞 -er はあくまでも -er で共通

なお、接尾辞としての -er は米英共通で -er の綴りが揺らぎません。比較級の接尾辞 -er 、あるいは「~する者」という意味を付与する接尾辞の -er などは、あくまでも -er であり、-re になったりはしません。

たとえば、player(選手)は英国式英語でも player と綴ります。 playre と綴るようなことは、ありません。

「-or」と「-our」

color と colour にみられる表記の違いも、アメリカ英語とイギリス英語のスペルの違いを意識するきっかけとなりやすい典型的な部分です。

アメリカ式英語では語尾を –or とつづるところを、イギリス式英語では our とつづることがあります。

アメリカ式 イギリス式 意味
 color  colour  色
 flavor  flavour  味
 humor  humour  ユーモア、おかしさ
 labor  labour  労働
 neighbor  neighbour  隣人
 rumor  rumour  噂
 behavior  behaviour  ふるまい、態度
 harbor  harbour  港、避難所

基本的には語尾の綴りが変わるパターンですが、例外的に単語の半ばの字が同じパターンで変化する場合があります。たとえば favorite  と favourite (お気に入りの)は代表的な例でしょう。

実は、 -or と -our ではアメリカ式英語の -or の方が英語としては根源的な表記であるという説があります。11世紀頃にフランスがイングランドを支配下に置いた「ノルマン・コンクエスト」(The Norman Conquest)の影響で、英語で語尾を -or と綴られていた語が少なからずフランス語式の表記である -our に揃うように綴られるようになり、以後イングランドでは -our の綴りを踏襲するようになった(他方アメリカでは -or に回帰する流れが生じた)とされています。

「-ize」と「-ise」

「-ize」または「-ise」は名詞を動詞化する接尾辞であり、該当する語が多岐にわたります。

基本的にアメリカ英語が -ize 、イギリス英語の場合は -ise 。ただし昨今ではイギリス英語でも -ize の綴りを用いる例が増えつつあるようです。他方、国連や EU の公文書では -ise と綴られる場合もあり、国際的には -ise のほうが標準に近そうという部分もあります。

アメリカ式 イギリス式 意味
 organize  organise  ~を組織する、~をまとめる
 apologize  apologise  謝る
 recognize  recognise  ~を認める、~を理解する
 realize  realise  ~を理解する、~を悟る
 agonize  agonise  苦しむ、悶える
 finalize  finalise  ~を完了させる、~を終了させる

-ize / -ise を加えて動詞化した語に、さらに接尾辞 -tion を加えて名詞化する、という語形変化パターンがありますが、この場合も綴りの違いは踏襲され保持されます。

つまり、アメリカ英語の organize は organization に、イギリス英語の organise は organisation と変化します。

ちなみに「~主義」を意味する接尾辞 -ism は、-ize 形の動詞の名詞形として用いられることがあるものの、-izm の形を取ることはなく -ism と綴られます。例えば organism(有機体)は米英関係なく organism です。

「-yze」と「-yse」

-yze と -yse は、 -ize と -ise のマイナー版のような組み合わせです。基本的な扱いも、名詞化した際の変化の仕方も同様です。

アメリカ式英語が –yze 、イギリス式英語が –yse と綴られます。

-ize / -ise と比べると、-yze / -yse の綴りが用いられる語はかなり限られてきます。

アメリカ式 イギリス式 意味
 analyze  analyse  ~を分析する
 paralyze  paralyse  ~を麻痺させる、~を役立たずにする
 electrolyze  electrolyse  ~を電解する
 breathalyze  breathalyse  (~を)アルコール検知器で呼吸を検査する

 

「-ense」と「-ence」

これも意外と頻出ワードを多く含むパターン。アメリカ英語が –ense 、イギリス英語が –ence と綴ります。

アメリカ式 イギリス式 意味
 license  licence  免許、ライセンス
 defense  defence  防御、ディフェンス
 offense  offence  違反、反則
 pretense  pretence  うわべをかざること

pretence は動詞 pretend の名詞形です。pretend は「~のふりをする」といった意味。

品詞によって法則性が変わる場合がある

なお、licence  / license は、名詞としては米英の綴りの違いがあるものの、動詞(「認可する」「ライセンスを付与する」)として用いる場合は、イギリス英語でも -ence ではなく license の表記を用いるほうが一般的です。

practice にも licence と同じような変化パターンが見られます。こちらの場合、名詞としてはアメリカ英語もイギリス英語も基本的に practice と綴られます。動詞として用いる場合はイギリス英語における主な綴りが practise になります。

アメリカ式 イギリス式
 名詞  practice  practice
 動詞  practice  practise

ちなみに、「アドバイス」(advise / advice)や デバイス(device / devise)といった語は、アメリカ英語かイギリス英語かを問わず、名詞なら advice と綴り、動詞の用法なら advise と綴られます。

「-og」と「-ogue」

いわゆる「アナログ」や「カタログ」に当たる語です。アメリカ英語は –og 、イギリス英語は ogue と綴ります。

アメリカ式 イギリス式 意味
 dialog  dialogue  対話
 analog  analogue  類似点
 catalog  catalogue  一覧表、カタログ
 monolog  monologue  モノローグ、独白

語尾の綴りが gue の語には tongue(舌)、league(リーグ)、vague(漠然とした)などの単語もありますが、これはアメリカ英語もイギリス英語も同様に表記し、かつ、ともに ue を発音しません。

語尾の l(エル)

語尾の L (エル)の前に母音をもつ動詞(cancel など)が進行形や過去形へ変形する際、アメリカ英語ではそのまま ing や ed が加えられますが、
イギリス英語では lling や lled のように L を重ねた上で、 ing や ed が加えられます。

アメリカ式 イギリス式 単語、意味
traveling
traveled
traveler
travelling
travelled
traveller
 travel
旅行をする
fueling
fueled
fuelling
fuelled
fuel
(燃料)を注ぐ、(議論など)をあおる
modeling
modeled
modelling
modelled
model
(~の)模型を作る
labeling
labeled
labelling
labelled
label
(~に)張り紙、ラベルを貼る
signaling
signaled
signalling
signalled
signal
(~に)合図を出す

その他

典型パターンとしてグループ化できる表現の他にもアメリカ英語とイギリス英語で綴りの異なる単語はあります。

たとえば whiskey と whisky (ウィスキー)、 yogurt と yoghurt (ヨーグルト)、あるいは tire と tyre (タイヤ)なども米英で表記の違いのある単語です。

「小切手」は check と cheque。cheque にはフランス語っぽさを感じます。

また、 elevator と lift のように、同じ対象を指すのに単語がまったく異なる場合もあります。

アメリカ英語とイギリス英語で意味がかなり違う英単語


どちらが正しい / 間違いというわけではない

テストで「スペル theater か theatre のどっちのだったっけ」迷ったとき、実はどっちも正解なのです。

これらの違いの法則を覚えてしまうことで、今後混乱しないように、また、混乱している友人を見かけたら実はどっちも正解であるということを伝えてることができるかもしれません。

また、もちろんイギリス人がアメリカ式スペルを、アメリカ人がイギリス式スペルを見たときにはそれが向こうのスペルであることには気づきます。しかし、街中で見かけるスペルなどはその国のスペル方法を踏襲しているので、どちらの国に行ってもしっかりと対応できるようにしましょう。

 





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