英語は大きく分けてアメリカ英語とイギリス英語に区分されます。一部の単語の意味や発音、表現などに微妙な違いが見られます。
中には意味がまったく異なるものや、意味を取り違えやすい紛らわしい単語もあります。全く気にせず話していると、話が妙に食い違ったり、あらぬ誤解を招いたりすることもあり得ます。気をつけておきましょう。
homely
アメリカ:ブス
イギリス:家庭的な
基本的には《質素な》《素朴な》という意味合いですが、アメリカ英語では妙なニュアンスを伴います。
「君の彼女ってスゴく家庭的(homely) だね!」なんて感想は、ひどく残念な評価を下していることになりかねません。
first floor
アメリカ:一階
イギリス:二階
イギリス英語では1階は「ground floor」と言います。
suspenders
アメリカ:ズボンを吊るサスペンダー
イギリス:下着を吊るサスペンダー
イギリス英語のサスペンダーはガーターベルトのこと。女性用セクスィーランジェリーです。
サスペンダー(suspenders)は suspender の複数形。これは常に複数扱いで suspenders が用いられます。
jumper
アメリカ:ジャンパードレス
イギリス:セーター
アメリカ英語の「ジャンパードレス」は、女性向けのいわゆる袖なしワンピースです。イギリス英語の方はセーターのように上からかぶる(プルオーバー)タイプの上着の総称。
日本語でいう「ジャンパー」は、英語ではジャケット(jacket)もしくはウィンドブレーカー(windbreaker)に相当します。
apartment
アメリカ:共同住宅
イギリス:居住区画
日本語の「アパート」あるいは「賃貸マンション」に対応する語がアメリカ英語の「apartment」です。※ 特に戸別に販売される集合住宅としての「分譲マンション」は condominium ともいいます。
イギリス英語では apartment といえば土地と建物を併せた区画を指します。ちなみにアメリカ英語の apartment にあたる共同住宅は、イギリス英語では flat といいます。
pants
アメリカ:ズボン
イギリス:下着
日本語の「パンツ」の意味は年代・年齢層に応じて英→米と変遷していることになりそうです。
日本語の「ズボン」の由来は諸説ありますが、少なくとも英語由来ではありません。アメリカ英語では trousers または slacks といいます。
carriage
アメリカ:乳母車
イギリス:鉄道の客車
trolley
アメリカ:路面電車
イギリス:ショッピングカート
アメリカではショッピングカートは cart です。
rubber
アメリカ:コンドーム、ゴム長靴
イギリス:消しゴム
chips
アメリカ:ポテトチップス
イギリス:フライドポテト
イギリス英語の指す chips は大ぶりで腹持ちする揚げ物です。フィッシュ&チップスのような。あるいは、ステーキに添えられるクシ切りのポテトのような。
biscuit
アメリカ:スコーン類
イギリス:クッキー類
ビスケット。焼き菓子という点では同じですが、こちらも腹持ち度合いが大分違います。チップスとは逆にアメリカ英語の指すスコーンの方がお腹が膨れそう。
coach
アメリカ:指導者
イギリス:長距離バス
shag
アメリカ:織物などの毛羽
イギリス:男女の交わり
イギリス英語の方は俗語・卑語の類です。
dummy
アメリカ:替え玉(ダミー)
イギリス:おしゃぶり
黙っているモノと、黙らせるモノ、のような感覚差があるのでしょうか。
lift
アメリカ:上昇、向上
イギリス:エレベーター
イギリスでは elevator が今ひとつ通じないというのは比較的よく知られた話といえるでしょう。
football
アメリカ:アメフト
イギリス:サッカー
イギリスでもラグビー(rugby)を指す場合があります。
hooker
アメリカ:売春婦
イギリス:ラグビーでボールを蹴りだす選手
hamper
アメリカ:洗濯カゴ
イギリス:ランチバスケット
もし「ピクニックに hamper 持って行くね!」と言ったら、川へ洗濯に行くのかと誤解されることもある…のかな?
billion
アメリカ:10の9乗=10億
イギリス:10の12乗=1兆
これは徐々にイギリス英語でも「10億」の意味で使われつつあるようです。
庶民には縁遠い桁ですが、貿易なんかで取引に支障が出たりしないのか心配になります。
bomb
アメリカ:大失敗
イギリス:大成功
どちらも俗な用法です。爆発=大コケ、という意味に加えて、イギリス式では特にウマくいったと言う意味で使われることがあるという感じ。
アメリカでも「すごくステキなやつ」という超ポジティブな意味があったり、イギリス英語では特に「大金」という意味があったり、もう文脈次第といった感じです。
buggy
アメリカ:四輪馬車
イギリス:二輪馬車
自動車の車種としてのバギーではなく、馬に牽かせる伝統的な馬車のスタイルを指す言い方。
四輪馬車はカボチャの馬車みたいな造りのやつ、二輪馬車は人力車みたいな造りのやつです。
public school
アメリカ:公立学校
イギリス:名門私立学校
英国の名門校の方は日本語でも「パブリックスクール」と言ったりします。
subway
アメリカ:地下鉄
イギリス:地下道
イギリス英語のsubwayは歩行者用の地下構造物です。
cider
アメリカ:りんごジュース
イギリス:りんご酒
アメリカで「りんご酒」は hard cider 。ソフトドリンクでない= hard なサイダー。
日本語の「サイダー」は米英どちらにも該当せず、英語でいうなら soda pop。
fanny
アメリカ:女性のお尻
イギリス:女性の性器
アメリカ英語は後方を指し、
イギリス英語は前方を指し。
pint
アメリカ:約0.48リットル (または、0.55リットル)
イギリス:約0.57リットル
ヤード・ポンド法における液体の容積の単位。英国式パブなどで見ることがあります。
アメリカ式のパイントには「液量パイント」と「乾量パイント」の2種類があり、容積がかなり違います。
fluid ounce
アメリカ:16分の1パイント
イギリス:20分の1パイント
パイント(pint)と同じくヤード・ポンド法における液体の容積の単位。「液量オンス」と訳されます。
アメリカ式では約29.5ミリリットル。
イギリス式では約28.4ミリリットル。
パイントから液量オンスに換算する場面なんか、ごちゃごちゃしすぎて意味不明になるのではと心配になります。まあ余計なお世話でしょうけど・・・・・・
jelly
アメリカ:ジャム
イギリス:ゼリー
日本でいうゼラチン菓子のゼリーはイギリス英語の方。アメリカ英語では jelly といえば「ゼリージャム」、市販のイチゴジャムなどでイメージされるようなゼリー状のジャムを指します。
overalls
アメリカ:オーバーオール
イギリス:つなぎ服
アメリカ英語の方は日本語でいう「オーバーオール」と同じものです。イギリス英語の方は上下一体の作業着(仕事着)を指し、おおむね日本語の「ツナギ」あるいは「白衣」に相当します。
seeded
アメリカ:種がある
イギリス:種がない
種のある果物から種を除く処理をしてある(=seedless)という意味で seeded という場合と、種が残っているという意味で seeded という場合。