和製英語に要注意! それはネイティブが使わない英語・ネイティブに通じない英語です。
今回の和製英語は「キャンペーンガール」。もしくは「キャンギャル」。
「キャンペーンガール 」は和製英語
日本語で使うキャンペーンガール(campaign girl)は、企業・商品・イベント等の販促活動(キャンペーン)などに起用される華のある女性モデルを指す言い方です。
「キャンペーン」と「ガール」はそれぞれ英語の campaign と girl に由来しますが、英語では campaign girl という表現をに出くわす機会はほとんどありません。
もちろん「キャンギャル」和製英語をさらに日本語的に略した完全な日本語表現です。
「キャンペーンモデル」は普通の英語
英語では campaign model、あるいは marketing campaign model のような表現が、「キャンペーンガール」に相当する意味合いで多く用いられています。いわゆるキャンペーンモデルです。
model は必ずしも女性ファッションモデルを指すとは限らず、たとえば Donald Trump’s campaign model (al-monitor.com)のように「型」の意味合いで使われている場合もあります。
poster girl という言い方もある
英語には、いわゆるキャンペーンガールを指せる表現として poster girl という言い方もあります。
poster (張り出し広告)の意味通り、広告塔の役割を担う女性という意味。日本語なら看板娘とでも訳せそうな語ですが、多くはポスターに起用される女性を指す語です。poster boy や poster child などの語もあります。
poster girl は、必ずしもいわゆるキャンペーンガールをのみ指す語ではありません。むしろキャンペーンの顔というニュアンスが強い言い方です。
campaign girl の使用例は全くないわけでもはない
とはいえ、campaign girl という使用例が皆無というわけでもないようです。通常の英文で見かけることはありませんが、ニュースのヘッドライン(見出し)に掲げられるような単文では用いられている事例が見つかります。
「イメージガール」も使わない英語
キャンペーンに起用される女性を「イメージガール」と呼ぶこともありますが、これも極めて怪しい表現です。というか和製英語です。
まず image は名詞と他動詞の用法がもっぱらで、girl に係る用法が基本的にありません。(名詞の形容詞的用法として解釈できる余地はあるのかも知れませんが)
「イメージキャラクター」や「イメージソング」も同様に英語にはない言い方です。英語版 ウィキペディアには「Image song」の項目がありますが、その解説はAnime (※日本のアニメのこと)やゲームにおける呼び名であることを前提としています。
イメージキャラクターなら mascot 、イメージソングなら tie-in song などの表現が英語としては適当です。
「イベントコンパニオン」も使わない英語
展示会や商品発表会のような特定の(1回性の)イベントで製品の傍らに佇み会場に華を添える女性を「イベントコンパニオン」と言いますが、これも怪しい英語表現です。
英語ではいわゆるイベントコンパニオンに相当する役割を Promotional model といいます。コンパニオン(companion)は「連れ」とか「相手」といったニュアンスの強い英語表現です。