和製英語に要注意! それはネイティブが使わない英語・ネイティブに通じない英語です。
今回の和製英語は「フリートーク」。
「フリートーク」はふつうは使われない英語
日本語で言うところの「フリートーク」は、事前に話題や議題を定めることなくその場の流れに任せて話を進める会話を指す語です。しかしながら英語では free talk という言い方はまず一般的ではありません。
日本語のフリートークの意味合いを英語で表現するなら、文脈にもよりますが freewheeling conversation (何の制約もない討論)のような表現の方が適切です。
討論というほどでもなくて雑談とか四方山話くらいの程度のことなら chat あるいは chitchat (世話ばなし)などと表現してもよいでしょう。
文章をやや大きく変える形にはなりますが be free to talk という言い回しは日本語のフリートークに最もピッタリ対応する表現といえるでしょう。
フリートークは基本的認識としては和製英語
小学館「デジタル大辞泉」によれば、フリートーク(free talk)は和製英語です。
三省堂「大辞林 第三版」によれば、フリートーキング(free talking)も和製英語。
あえて free talk と free talking の英語らしさの度合いを比べるなら、free talking の方がより英語としてしっくり来る表現といえるでしょう。フィギュアスケートの自由形を free skating と言うように、水泳の自由形を free swimming と言うように、free+動名詞 の形の表現は一般的に見られる形です。
完全に和製英語か否か、線引きは微妙
とはいえ free talk という表現は文法上あり得る英語表現ではあり、実例が全くないわけでもありません。free taking も同様にあり得る表現ではあります。
very free talk のように形容されている事例も見られます。
他の意味の free talking の語に出くわすことは比較的よくある
free talk や free talking といった表現は、英語でもあり得るとはいえ、かなり稀な例であることには違いありません。
ただし、前後に他の語を伴って(いわゆるフリートークとは異なる意味で) free talking の語を用いる場合は、それなりにあります。
たとえばケータイの hands-free talking system (ハンズフリー通話システム)のように、free の前方に名詞が付いて(連結して)talking に係るような表現。
あるいは、free ‘talking’ service (無料の会話サービス)のような表現。
あるいは free-talking が他の語を形容しているような表現。
彼は自由にものを言う、ケチな、この小男の支持者だった– National Post
和製英語か否かは深く考えても仕方ない
ここまで綿々と「free talk は和製英語か否か」を論じはしたものの、和製英語か正しい英語表現かは最終的にはどちらでもよく、けりをつける必要などない、と考えた方がよいでしょう。
重要なことは、英語にはもっと適切で一般的な表現があるということです。
日本語のフリートークに該当する表現は?と考えた場合に、free talk でいいんじゃないかなと短絡的に考えず、より一般的な英語表現に置き換えて表現できるようになりましょう。