【要注意!英語?表現】「ハートフル」はうまく伝わらない和製英語?表現

日本語のカタカナ英語表現は、正しい英語表現とは限りません。英語の本来の意味や用法、正しい英語表現を学び直しましょう。

ハートフル」もそんな要注意表現です。

ハートフル(heartful)は全然一般的でない英語表現

日本語で用いられるハートフルは、おおむね「心暖まる」とか「優しい気分になれる」とか、あるいは「真心のこもった」という意味合いで意味で用いられます。

ぬくもりを感じさせる心情に満ちた様子、といったニュアンスが込められた表現といえます。

英語では「ハートウォーミング」が標準的

英語では一般的に heartwarming (heart-warming)と表現します。読んで字の如く「心暖まる」さまを表現します。

「真心を込めて」という意味合いでは heartfelt とも表現されます。

heartful は厳密には和製英語ではないが……

日本語の「ハートフル」に対応する、heartful という語は、英語にもあります。

Oxford英語辞書では「Characterized by deep emotion or sincerity of expression」(深い情や実直さによって特徴づけられる)という定義が見いだせます。

heart(心)+接尾辞 -ful(満ちている)という構成。古くは14世紀の詩人が用いた例が確認されているようです。

でもやっぱり一般的ではない

heartful の語は、Oxford Dictionary には収載されているものの、他の主立った英語辞書では確認できません。

Merriam-Webster English Dictionary も、Cambridge Dictionary も、Collins English Dictionaryも、Macmillan Dictionary も、American Heritage Dictionary も、heartful という語は載せていません。

ということは、やはり現代の英語として一般的に用いられている表現とは言いにくいものがあります。

ハートフルは hurtful と聞こえるので要注意

Oxford Dictionary によれば、heartful の発音は /ˈhɑːtfʊl/ です。

そして、かなり似た発音の語彙に hurtful  /ˈhəːtfʊl/ があります。

hurtful の意味は「有害な」「痛ましい」「心が傷つく」。

つまり、不用意に「ハートフルな話ですね」のように述べると、まったく逆の意味合いのネガティブな感想を述べているかのように受け取られる可能性が否定できないという事になってしまいます。

ちなみに、hurtful  の語は上に挙げたすべての辞書に載っています。だからといって日常でよく用いられる語彙というわけではありませんが。

紛らわしい表現を避けてシンプルな表現に言い換えよう

「心あたたまる話」のような日本語表現を手がかりにして英語表現を模索すると、どうしても堅い複雑な表現に傾いてしまいます。

思考を文章化する手前の次元で、もっと簡素な表現を模索してみましょう。そうすれば英文も(日本語文章も)より平易な言い方にできるはずです。

たとえば「すてきなお話」のように述べれば、話に対する好意的評価は十分に示せます。あるいは、「その話が気に入った」のように述べれば、積極的な評価が伝わります。

 

日本語カタカナ表現は注意ぶかく扱いましょう。あえて避けるくらいのつもりで。その上で英語として得た知識を正しく用いる。この心構えが大切です。


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