和製英語に要注意! それはネイティブが使わない英語・ネイティブに通じない英語です。
今回の和製英語は「マイペース」。
「マイペース」は和製英語。
日本語でいう「マイペース」は、おおむね、周囲に合わせて急くことなく自分に合った進行速度で進める、といった意味で用いられます。
「マイペース」のペース(pace)は、「歩調」や「速度」といった意味の単語です。英語でも、仕事の進め方、生活のリズム、といった意味合いでも用いられます。
ただし英語では my pace のようには表現しません。「誰々自身のもの」という意味で own の語を伴って表現する必要があります。
英語で正しく表現する場合、one’s own pace といいます。
「私のペース」と言いたい場合も「 my own pace 」ということになります。
「マイ ~」は大体通じない英語
日本語では、「自分の」「個人所有の」という意味で「マイなんちゃら」という言い方をします。マイペースの他にも「マイカー」や「マイホーム」など、事例は多くみつかります。
マイペース、マイカー、マイホーム、マイブーム、その他もろもろ、大半の「マイなんちゃら」系の語はネイティブに通じない和製英語です。
マイカーなら one’s own car 、マイホームなら one’s own home [house] 。 「(名詞) of one’s own」という表現もできます。
「マイペースに」→ at one’s own pace
動作や進め方について「マイペースに進める」と表現する場合には、 doing things at one’s own pace のように表現します。
マイペースに英語を勉強しています
生徒らはめいめいのペースで学んでいる
日本語なら「マイペース」ではなく「自分のペースで」と表現した方が、訳語としてもぴったり来ますし、和製英語につられて正しい英語表現を見失う危険も少なくなるでしょう。
「マイペースな」→ one’s own person
「マイペースな人」のように人となりを表現する場面で「マイペース」と言いたい場合には、be one’s own person という表現が使えます。
one’s own person は「(他に左右されない)自由の身」というニュアンスの表現で、束縛されないありようを示す言い回しです。
彼女はマイペースな人だ
「マイペースな人」と表現したい場合も、「何をマイペースに行うか」という点を動詞で明示すれば She studies English at her own pace. のように表現できます。
やり方がマイペースなら one’s own way
one’s own way という表現も「マイペース」に対応する英語表現として用いられます。way は方法・やり方といった意味で、速度よりもむしろ方法に焦点の当たったマイペースさを表現する場合に適する言い回しです。