和製英語に要注意! それはネイティブが使わない英語・ネイティブに通じない英語です。
今回の和製英語は「セクハラ」。
「セクハラ」は典型的な「和製省略表現」
日本語のセクハラはセクシャルハラスメント(sexual harassment)の略であり、sexual harassment は正しい英語表現です。ただし、略してセクハラという言い方は英語にはありません。
「sexual harassment」をカナ表記で「セクシャルハラスメント」と表記して、これを適当に省略して、というプロセスを経て初めて「セクハラ」という文字列が成立します。もし英語で略すなら sexhara?sekuhara?ぜんぜんシックリ来る気がしません。
「日本におけるセクハラ」を論じる文脈では固有名詞的に Sekuhara という語が用いられる可能性はあります。 日常会話ではまず耳にする機会はないとは思われますが。
アルハラも和製略語だし略さなくても間違い
アルハラも和製英語です。アルハラは「アルコールハラスメント」の略ですが、英語の呼称は alcohol harassment ではなく alcohol related harassment と言います。
パワハラ、アカハラ、マタハラ も
日本語には「何ちゃらハラスメント」という意味の略語がかなり沢山あります。その大半は、「セクハラ」を模して編み出された真性の和製英語です。
- パワハラ ← power harassment ← 日本で考案された表現です。
- アカハラ ← academic harassment ← 日本で考案された表現です。
- スモハラ ← smoke harrassment ← 日本で考案された表現です。
- マタハラ ← maternity harassment ← 日本で考案された表現です。
- スメハラ ← smell harassment ← 日本で考案された表現です。
「○○ハラ」という表現は論外ですが、その基と位置づけられる「~ ハラスメント」の方は、ハラスメントの類型として英語圏に導入され定着する可能性はあります。可能性があるとはいえ、英語ではイマイチ通じない言い方と見なしておいてよいでしょう。
モラハラは微妙に事情が異なる(和製英語ではないが英語でもない)
モラハラ(モラルハラスメント)は、フランスで提唱された「 harcèlement moral 」に根拠を求めることが可能です。harcèlement moral を英語に直せば moral harrassement 。ただし残念なことに(?)英語ではモラハラを moral harrassement とは言わず mobbing といいます。
「セクハラ 」は英語でこう言おう!
「上司がセクハラで訴えられたようだ。 」