英語のイディオムに「open the kimono」という言い回しがあります。kimono は「着物」に由来する語で、日本の和装またはそれをまねた前開きの(主に女性用の)衣服です。
open the kimono は主にビジネス界隈の業界用語(ジャーゴン)として使われているようです。手がかりは、着物を脱ぐイメージ。
open the kimono =「情報を開示する」
ビジネスジャーゴンとしての open the kimono は、(企業の)(財務関連の)情報を表に出すという意味で用いられることがあります。
ビジネス用語といっても隠語の一種であり、公式なマジメな場面で用いられる言い方ではありません、内々で用いられる業界用語です。
「胸襟を開く」のイメージに通じる
open the kimono という言い方は、着物を開く=衣を脱ぐ = 秘密をさらけ出す、といったイメージが念頭におかれた言い方でしょう。その意味では、日本語の慣用表現「胸襟を開く」に通じる部分があると言えそうです。
なお日本語の「胸襟を開く」は、心のうちを隠さず打ち明ける、といった意味で、open the kimono とは少し異なります。
三省堂大辞林第三版 「胸襟を開く」
心中を隠すところなく打ち明ける。
心中を隠すところなく打ち明ける。
Forbesいわく「annoyingな用語」
米経済誌 Forbes(フォーブス)は、ウザい業界用語をまとめた「Most Annoying Business Jargon」と題した記事の中で「open the kimono」を紹介しています。
Most Annoying Business Jargon – Forbes
annoying は「うるさい」「じれったい」「迷惑な」という意味合いの語。使われると微妙にイラっと来る、といったところでしょうか。日本語におけるビジネスカタカナ用語の雰囲気に近いものがありそうです。
英語のビジネス業界用語(ジャーゴン)ちょっとウザめの要注意表現