誰かに頼み事・お願いごとをする場面で使える英語表現にも、さまざまなバリエーションがあります。丁寧さの度合いもさまざまですが、まずは丁寧にお願いする表現を把握しましょう。
礼儀正しい前置きと頼み方ができれば相手にとっても気持ちが良いものです。引き受けてくれやすくもなります。あまり冗長になりすぎるのも良くありませんが、「相手を気遣う気持ち」を表しつつ上手にお願いをするフレーズは良い人間関係を築く上で必須の表現として覚えておきましょう。
→英語で依頼・お願い・頼み事をうまく伝える英語表現
みんなの回答:「お願いがあるのですが…」は英語でどう言うの?
まずは前置きから
話しかける
質問や頼み事をする場合、たいていは声をかけるところから入ることになるでしょう。相手に時間を割いてもらうことなるわけですし、「すみませんが」という一言から始めましょう。
Excuse me.
すみません
I’m sorry to bother you, but…
お忙しいところ失礼ですが
時間の都合を尋ねる
用件を切り出す前に相手に時間があるかどうか尋ねるとよいでしょう。Can I just interrupt you for a second? (少々お邪魔してよいでしょうか)のような表現が適切です。この interrupt は「中断する」という意味です。お願いごとを伝える時間を頂きたい旨の表現です。
Do you have a minute? と尋ねる言い方でもよいでしょう。
Can I just interrupt you for a second?
少々お時間いただいてもよろしいでしょうか
Do you have a minute?
少しお時間ありますか
ちなみにsecondは「秒」、minuteは「分」を意味する語であり、for a second および for a minute の形で「少しの間」という意味で用いられます。厳密に何分何秒と言い分ける必要はありませんが、「本当に一瞬で終わる」事を強調したい時にはfor a secondを、そうではない時はfor a minuteを使う、と考えておくとよいでしょう。
お願いがあることを伝える表現
「ちょっとお願いしてもいいですか」という場合の「お願い」は favor と表現できます。
favor は基本的には「好意」「親切」「親切な行為」という意味ですが、《do +人+ a favor》で「人に親切な行為をする」、つまり「人の頼みを聞く」という意味で使えます。《ask +人+ a favor》は「人からの好意を求める」すなわち「人にお願いをする」という意味で使えます。
お願いしてもよろしいですか?ちょっと助けて頂きたいのです
お願いを聞いていただけますか
お願いがあります
丁寧な依頼表現
疑問形を使った依頼表現
依頼表現には主に疑問形が使われます。基本的には、婉曲的になるほど、また長くなるほど丁寧さが増します。現在形であるCan you~?またはWill you~?よりも、過去形のCould you~?またはWould you~?のほうがより丁寧です。疑問形にするときは語尾にpleaseをつけるとぐっと礼儀正しくなります。
これを見てもらえますか?
Can you have a look at the data I sent you, please?
お送りしたデータを見ていただけないでしょうか?
Could you give me a copy, please?
一部いただけますか?
Would you be able to come with me?
私と一緒に来ていただけますか?
Would it be possible for you to do this by 3pm?
3時までにやっていただくことはできますか?
「mind」や「trouble」を使って表現する
Do you mind ~?やWould you mind ~? といった表現の mind は「嫌がる」「気にする」という意味です。直訳では「~するのは嫌ですか?」ですが、「お嫌でなければお願いしたい」という意味で使います。
返答としては、承諾はNO、拒否をYESで伝えます。お願いされる側で Do you mind ~? と尋ねられ、了承する場合には、No, of course not.(いえいえ、もちろん気にしません)と否定で答えるか、No problem.(大丈夫ですよ)と言いましょう。「いいですよ!」というつもりで Yes! と答えると「嫌です!」という意味になってしまうのでご注意を。
同じような表現でWould it be too much trouble for you to ~? のtroubleは「面倒」「迷惑」という意味です。too ~ to ~は「~すぎて~できない」という意味の慣用句。直訳すると「~する事は余りにも迷惑でしょうか?」となりますが、こちらも「ご負担、ご面倒でなければお願いしたい」という意味になります。
ペンを渡してもらえますか?
ご面倒でなければこの手紙を見てくださいますか?
I was wondering if ~を使った表現
I was wondering if ~(~だろうかと思っていた)は頼み事や質問をするときによく使われる丁寧表現です。wonderは「疑問に思う、知りたいと思う」という意味で、過去進行形にすることで「過去にそう思っていた」という意味になります。自分の中ですでにある程度質問を逡巡させてから相手に尋ねている、という印象を与えるため、依頼への「ためらい」が感じられかなり丁寧な表現となります。
もし良ければあなたのパソコンを使わせてほしいのですが
私の原稿を校正していただけないかと思いまして
if を使った表現
依頼表現で仮定法のifは良く使われます。依頼を一方的に押し付けるのではなく「あくまでも相手が良ければお願いをする」という相手への配慮が伝わるので丁寧な表現になり、「もしやっていただけるのであれば有り難い」というニュアンスがでます。「~していただければ感謝します」という表現は柔らかく依頼をするのに便利な言い方です。appreciatedは「(物事)に感謝する」で、主語がIではなくItになるのに注意しましょう。
資料を読んでいただけると助かります
部長にその問題について話していただけると助かります
お礼の表現
頼み事が終わったら、お礼の言葉を忘れずに。相手も時間をとって頼みを聞いてくれているので良い返事・悪い返事に関わらずお礼を言うのがベターです。
ありがとうございます。Thank you for your time.
お時間ありがとう。That would be great.
そうしてもらえると助かります。That’s so kind of you.
ご親切にありがとうございます。I really appreciate it.
感謝します。