手紙・メールのやり取りでは、場合によっては明示的に返信くださいねと伝えた方がよいことがあります。特に、返信が来るか来ないか不確かな場合や、できるだけ早めに返事をもらいたい場合には、無言のまま相手の対応に期待するよりも、自分の希望を伝えておくに越したことはありません。
ただし「お返事ください」というメッセージは要請や催促の部類でもありますので、ぶしつけ・ぶっきらぼうな言い方にならないように、表現には少し気を配りましょう。
みんなの回答:「ご返事お待ちしております」は英語でどう言うの?
期待を込めることでポジティブに遠回しに伝える
穏便に柔和に「お返事くださいね」と伝えられる言い方として、まずは「お便りを楽しみにしています」「返信もらえると嬉しいな」というように前向きな期待を表明する方法が挙げられます。
全面的にポジティブな言い方であり、読み手の気持ちを損ねにくく、「自分の手紙を楽しみに待ってくれているんだな」と受けてってもらいやすい表現です。要請や催促のニュアンスは比較的軽めです。
この言い方には hear from ~という表現が便利に使えます。字義通りは「(相手)から聞く」という意味で、「お便り(連絡)をもらう」という意味でも使われます。「返事」や「返答」という直接的な言葉を避けることで、より気軽な表現にできます。
近々お便りいただけることを楽しみにしています
早めにご連絡いただければ幸いです。
返信いただければ幸いです。
近い将来再度お便りいただけることを楽しみにしています
「急ぎで返信が欲しい」と伝える表現
できれば急いで返事してほしいという考えがある場合、その旨をしっかり伝えた方が得策です。ぶっきらぼうに伝えると高圧的な指示・命令のようなニュアンスが出やすいので、相手に配慮する一言を添えましょう。
急かすようで申し訳ありませんが、早急にご返信いただけると幸いです
急かしたくはないのですが、できるだけ早くお返事をいただけますでしょうか
お忙しいとは思いますが、8月までにご返答いただけると幸いです
メールの件名で「返事が必要」と匂わせる
電子メールを通じてやり取りする場合には、メール本文に先立って件名を確認する段階があります。そのため、件名はメールの趣旨・目的や重要度が明確に読み取れるような内容にすることが大切です。
メールの件名で内容の重要度が示せれば、「このメールは優先度が高い」と判断してもらいやすくなり、返信作成のタイミングも早めてもらえることが期待できます。「このメールは返信が必要そうな案件だ」と察してもらえれば、さらに期待度はたかまるでしょう。
ビジネスメールには書き方に一定の「型」があります。英文メール・ビジネスメールの「件名」の正しい書き方を把握してスマートかつ効果的な件名をつけましょう。コツは「簡潔」「明瞭」「具体的」であるように意識することです。
友人・知人への私信の場合は、差出人が自分であると明確に判断できる内容を盛り込むことが重要といえます。これはスパムメールに紛れてしまわないようにする意味合いで特に重要です。
メール件名の先頭に一言加える書き方
電子メールの件名には、返信を表す RE: や転送メッセージであることを表す FW: と同様に、「【至急】」のような一言を記号的に添える書き方があります。
件名そのもので重要性や緊急度を伝えきれない場合には、こうした表記を加えてみるのも手でしょう。ただしスパムメールもよく使う手なので使い所は慎重に、件名そのものの具体性は確保できるように注意しましょう。
【至急】貴社サービス・カタログ送付のお願い
【重要】金曜日の会議時間の変更
略語を使う
定型表現として比較的よく使われる略語もいくつかあります。
WFR
Waiting For Your Reply (返信をお待ちしています)の略。
FYI
For Your Information(ご参考までに)の略。これは返信不要の旨を暗に示す表現。
NRN
No Reply Needed(返信は不要です)の略。これは返信は不要と明示する表現。
NFA
No Further Action(対処不要です)の略。メールの返信も不要、メール本文の内容に対しても特に行動は必要ない(報告のみである)と示します。
ビジネス略語は使い所が難しく、相手がどう受け止めるかも不確かな部分が残る言い方です。先方が使ってきたら正しく解釈できるように知識を得ておくことは大切でしょうけれど、自分からあえて積極的に使っていくことはあまり必要ないかもしれません。