ピンと立った耳と、ふさふさとしたシッポが特徴的なキツネ。好奇心が強く、とても賢い動物とされています。日本では、キツネは古くから「化けて人を騙す生き物」と言い伝えられたり、稲荷神の使いとして祀られてきました。英語圏においてもキツネは基本的に「賢い」存在とされていますが、「ずる賢い」「狡猾」など悪いイメージで取り上げられることが多いようです。
キツネのようにずる賢い
■sly as a fox
foxという単語は「ずる賢い人」の代名詞となっています。sly as a foxは、「とてもずる賢い」という意味で使われる慣用句です。cunning as a foxともできます。「賢い」と褒めるよりも、「狡猾だ」という風に多少悪意のこもった言い方です。
甥は狡猾な奴だ。私の金は全部とられてしまった。
キツネに鶏小屋の番をさせるな
■Don’t let the fox guard the henhouse
鶏はキツネの大好物。キツネに鶏小屋の番を頼むと、番をしてくれないばかりかすぐに食べてしまいます。Don’t let the fox guard the henhouseは、キツネのように信用のおけない人に大事な仕事を任せるな、という意味の慣用句です。日本の同じような意味の諺には「猫に鰹節」「盗人に金の番」などがあります。
本気でタロウに銀行口座を預けるつもり?
信用ならないからやめておきなよ!
年をとったキツネは賢い
■An old fox is hardly caught in a snare
直訳すると「老いたキツネはめったに罠にかからない」。キツネは歳をとると経験も知恵も蓄えるので、落とし穴などの簡単な罠にはまらないということから、「歳をとると賢くなる」という意味の諺です。日本の諺では「亀の甲より年の功」にあてはまります。
理事のお陰で苦境を乗り切れた。経験豊富な人は頼りになるな。
キツネに二度同じ手はきかない
■A fox is not caught twice in the same snare
こちらもキツネが賢いことを取り上げた諺で、直訳は「キツネが同じ罠に二度かかることはない」。たまたまキツネが罠にかかったとしても、そのキツネが同じ罠にもう一度かかる事は期待できません。試しにやってみた方法が一度上手くいったからといって、その方法が何度も成功するわけではないと戒める諺です。
ファインプレーだったのは認めるけど、同じ手は二度ときかないよ。
キツネの頭よりライオンのしっぽ
■Better be the tail of lions than the head of foxes
こちらは、キツネの「賢いイメージ」よりも「悪いイメージ」の方が際立っているようです。直訳は、「キツネの頭よりライオンのしっぽになったほうが良い」。キツネが小さな集団、ライオンが大きな集団を意味しており、小集団のリーダーになるよりは大集団の下っ端になるほうが安全だ、という意味の諺です。似た意味の日本の諺は「寄らば大樹の陰」。「鶏口となるも牛後となるなかれ」とは逆の教訓です。
ベンチャー企業と大企業どっちがいい?
For me, better be the tail of lions than the head of foxes.
僕にとっては、小さい組織の長よりも大企業の下っ端がいいよ。