年末年始にお決まりの挨拶、「よいお年を」や「あけましておめでとう」はそのまま英語にできる場合とそうでない場合があります。
お正月というイベントの祝い方は文化によって大きく異なるので、地域性を理解したうえで自然な挨拶を交わしましょう。
よいお年を
日本での本来の使われ方
「よいお年を」、正しく言うなら「よいお年をお迎えください」という言葉の使われ方は時を経て少々変わってきているようです。
今も昔も年末というのはやたらとやることが多く、忙しい季節です。「よいお年を」という言葉の本来の意味は、「年末は何かと大変だがもろもろ無事に済ませて、晴れ晴れと新年を迎えられますように」と互いを労いあう意味で使われていたそうです。
対して最近では、おそらく年内に会うのは最後だと思われる人に対して、別れ際の挨拶として用いられることが多くなっています。
英語圏では 休暇全体をまとめて祝う傾向にある
日本と諸外国では、お正月というイベントの捉え方に相違があると言えるでしょう。
日本ではクリスマスとお正月は全く異なるイベントとして扱われているので想像しがたい部分ではあるのですが、英語圏においてはクリスマスから正月までの休みの期間をまとめてとらえる傾向があります。
キリスト教文化の中では、クリスマスは実家に帰って家族と過ごすのが一般的です。そのためにクリスマスの少し前から新年まで仕事などは休みになります。新年の挨拶に関しても、その幸せな休暇期間のことをまとめてお祝いするような言い回しが多く見られます。
We wish you a Merry Christmas and a happy New Year. という歌詞を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
Have a happy new year
年末に「よいお年を」と挨拶したい場合は、Have a happy new year. の形で用いれば「よい新年を迎えてね」というニュアンスが伝えられます。
年が明けた瞬間の Happy New Year はお決まりのフレーズですが、新年の幸せを願う言葉は多様に言い換えが可能です。happy 以外にも、great や wonderful などに換えて自由に表現することもできます。
また文頭に have を持ってくると命令形になるので、自分を主語にした文に置き換えて Hope you have a happy new year. などと言うと、やや丁寧なフレーズになります。軽い挨拶の場合、たいてい文頭の I は省略されます。
Happy holidays
holiday は一般に「休日」と訳されますが、普通の週末のような休み全般というよりは、特にこのクリスマス前から年明けまでの休暇のことを指す場合がほとんどだと言えます。
現代の多様化する社会の中では Merry Christmas よりも Happy Holidays の方が好んで使われるような状況もあるので、無難な挨拶だと言えるかもしれません。
クリスマスや正月など細かくイベントを分けるのではなく、休暇そのものを祝い喜び合うという意味で用いられます。日本語にするなら「よい冬休みを」といったところでしょうか。
Season’s Greetings and Best Wishes for the New Year
ビジネスメールなど丁寧な挨拶が求められる場では、Season’s Greetings and Best Wishes for the New Year のような定番の言い回しが使えます。
Season’s Greetings もクリスマスカードなどによく書かれる、この季節特有の挨拶表現です。相手の新年が良いものになるように最大の祈りを送りますという意味になります。
似た表現としては Wishing you all the very best for the next year. といったものもあります。また家族のことを少し知っているような相手の場合は、Wishing you and your family … のように付け加えると気配りが伝わるでしょう。
あけましておめでとう
Happy new year
Happy new year はもちろん年が明けた後でも使えます。Happy birthday などと同じようにお決まりのフレーズなので have a などを付ける必要もなく、単体で言えば成り立つ挨拶表現です。
しかし英語圏には日本のような三が日などがないところも多く、1月2日からすぐに仕事が始まる場合もあります。Happy new year はあくまで休暇中に交わすべき挨拶なので、使える期間はそう長くはないのかもしれません。
Have a great year
New Year は元日または年明けの一定期間のみを表すので、これから始まる1年全体のことに言及したいのなら Have a great year. といった表現が使えます。
このように、新しい年を良い1年にしよう、といったニュアンスのフレーズは他にもいくつかあります。Let’s make it a great year. や Let’s make 2018 a good one. などは親しい人との気軽な挨拶として使えるでしょう。
今年も残すところあとわずか
挨拶とは違って、「今年も残り数日だね」といった世間話は Only a few days left this year. のような文章で表せます。
「今年も残すところあとわずか」の挨拶文句を英語ではどう言う?
ちなみに日本の童謡にあるような「もういくつ寝るとお正月?」は、sleep を名詞的に用いて How many sleeps do we have until new year? とすれば表現できます。
sleep のこの使い方は、実はお正月よりもクリスマスを心待ちにする子どもたちが使うことの多いフレーズです。ここにも日本と諸外国とのクリスマスと正月の扱いの違いが垣間見えます。