英語では「誕生日」を birthday といいますが、「命日」は deathday といいます。「忌日」や「年忌」という意味では、故人を偲ぶ記念日という意味で anniversary of one’s death という表現も多く用いられます。
葬儀や弔いの作法は国や文化によって異なります。とはいえ、死者を悼み、弔い、葬送する、という考え方は普遍的なものです。
「喪中はがき」は英語でどう言う?
英語で「死亡」「逝去」「他界」を婉曲的に表現する言い方
葬儀の催しを表す英語表現
日本の葬祭は仏教と地域の習俗が融合した形で行われます。英語圏の多くの国・地域では、キリスト教に地域の習俗が融合した形で執り行われます。
地域差も少なからずあります。家単位でやり方が異なる場合もあるでしょう。しかし大きな要素は共通しています。
funeral service と memorial service
葬祭の催しは funeral service と memorial service に区分できます。
funeral service は故人へお別れを告げる場であり、葬儀および告別式に相当する催しです。funeral は「葬式」を指す名詞または形容詞です。
memorial service は追悼・哀悼を示す場であり、法事および追善供養に当たる催しです。
funeral service と memorial service は、故人(の遺体)の有無で言い分けられます。棺に収められた遺体が現場に安置されている場合は funeral service 。遺体がない場合や、火葬後の遺灰などが置かれている場合は memorial service に該当します。
memorial service は、基本的には、葬儀の一連の流れに組み込まれているものではなく、めいめい企画されるものです。同僚やクラブの仲間たちが集って故人を偲んだり、あるいは、災害で亡くなった人々を偲んだり、といった形で行われます。
viewing
葬儀を行う前段階には viewing あるいは visitation と呼ばれる期間があります。日本の通夜に相当する機会です。
viewing は亡くなってから葬儀が行われる間の期間に設けられます。旧友や家族がめいめい故人に別れのあいさつを告げる機会です。
funeral procession
告別式の後に遺体を墓地や火葬場へ送り出す、いわゆる葬送の儀を、英語では funeral procession といいます。「葬列」を指す言い方でもあります。
火葬と土葬
遺体の葬り方は、日本ではたいてい火葬ですが、西欧では土葬も一般的です。マイケル・ジャクソンがスリラーを踊る時代になっても墓所には遺体がそのまま安置されます。
火葬は cremation 、土葬は interment または burial と表現できます。「埋葬」は bury といいます。
土葬は選ばれる背景にはキリスト教における「復活」の考え方があるでしょう。とはいえ土地やコストなどの面から火葬が選ばれる場合も増えているようです。
ちなみに水葬・海葬は burial at sea 、宇宙葬は space burial のように表現されます。鳥葬は sky burial とか。
お葬式に関連する単語
日本の葬式文化に見られる「四十九日」や「年忌法要」は、仏教の思想に基づく催しです。これに対応する催しは西欧には特になく、あったとしてもローカルな習わしです。
- visiting grave:墓参り
- vigil:寝ずの番
- hearse:霊柩車
- pallbearer:棺を担ぐ人
- grave:墓
- tomb:墓(墓碑)
- shroud:死装束・経帷子
- R.I.P:安らかに眠れ(Rest In Peace)
「墓参り」は英語では一言で表現できる語彙は特になく、「お墓を訪ねる」というような言い方で表現します。
墓を指す語には grave と tomb があります。grave は墓全般を指す一般的な語。tomb は墓石・墓碑・内部装飾などを伴う記念施設としての墓・墓所を指して用いられる言い方です。
shroud は死者を包む布、死者に身に付けさせる衣服を指す語です。葬式仏教では白い着物と相場が決まっていますが、西欧では特にそういったしきたりはなく、故人が好んだ服装などを着せて弔います。ちなみに聖遺物として知られる「聖骸布」は Holy Shroud と呼ばれています。