日本の「成人の日」を英語で表現する言い方としては coming‐of‐age day が挙げられます。「成人式」なら coming-of-age ceremony と表現できます。
英語の age は「年齢」「年代」といった意味の他に「成年」「成人年齢」の意味・用法もあります。coming-of-age は、成人を迎えるというということを指す言い回しです。
成人式 は coming-of-age ceremony で無難に表現できる
成人式は、個人が一人前の大人といえる年齢に達した事を祝う催しであり、世界中の文化において見られる普遍的な習わしです。
英語の coming-of-age ceremony という表現は、日本における成人式を一意に指し示す固有名というわけではなく、成人年齢を迎えたことを祝う催し全体を指す語です。
とはいえ現代日本における成人式は特徴的な、振袖や袴といった和装の新成人が地域ごとに一堂に会するという華のある式典です。海外メディアでもたまに取り上げられることがあります。
Japan has been marking Coming of Age day, celebrating the transition into adulthood of those who turned 20 last year.
日本では、20歳を迎えた人の大人への成長を記念し、成人の日を祝う風習がある
the Seijinshiki (Japanese coming-of-age ceremony) もアリ
特に「日本における成人式」を指し示す意味では、Japanese coming-of-age ceremony といって国を限定したり、あるいは、 Seijinshiki と固有名詞的に表現してしまう手もあります。
いきなり Seijinshiki という固有名を出しても、さすがに意味は通じないので、「成人をお祝いする式」という趣旨を補足説明する必要はあるでしょう。その上でなら日本的な独特の成人式を指す語としては最も使いやすい言葉となり得ます。
新成人は new adult
成人を迎えたばかりの人、すなわち「新成人」は、英語では new adult と表現できます。
世界中の文化を念頭に置くと、成人年齢が20歳とは前提できないので、「20歳を迎えるお祝いである」という点は明示しておくべきかもしれません。
「~歳になる」という意味合いは turn ~ years old で表現できます。
20歳になった人、またはこれから20歳になる人たちをお祝いする
日本の成人式に参加する年齢は、満年齢で20歳というわけではなく(年度区切りの数え年というか何というか)、厳密に表現しようとするとかなり複雑です。turn ~ years old と表現しておくと、「成人式の時点で20歳になっていない人も参加対象になる」という含みを持たせられます。
「振り袖を《着る》」という動作は wear でなく put on の場合もある
成人式といえば女性の振袖姿がひとつの大きな見所です。振り袖を着る・着飾る・身に着ける、という風に述べる場合は、動詞に注意が必要かもしれません。
「着る」に対応する動詞というと、まずは wear を思い浮かべますが、wear は「着る」というよりは「着ている」という《状態》を表現する動詞です。着る・身にまとうという《動作》を表現する場合は句動詞 put on と表現した方が適切です。
今日は振袖を着ます
もちろん文脈によっては wear の方が適切な場合もあります。女性が振袖を《着ている》と言い換えられる場面では wear が正しく、適切です。
女性たちは、成人式で振袖を着ます
同窓会は reunion
日本の成人式は、地元で同窓生が集結するため、小中学校の同窓生と久しぶりに会う絶好の機会でもあります。成人式の式典のあと、そのまま同窓会へ、という流れも定番です。
「同窓会」に文字通り対応する英語表現としては alumni association という言い方が挙げられますが、これは「早稲田大学校友会」とか「慶應連合三田会」というような同窓会を指す表現です。(alumni は alumnus の複数形で「卒業生」「交友」という意味の語です)
成人式のついでに催される集い、という意味における「同窓会」は、再会して行う親睦会(クラス会)です。この「再会の集い」という意味の同窓会は、class reunion という表現の方がシックリ来ます。
新成人の多くは成人の日に同窓会に参加します