「どういたしまして」を英語で表現する、お礼の言葉に返す英語フレーズ

英会話で Thank you. のようにお礼を言われる機会があれば、「どういたしまして」のような一言をさらに返したいものです。お礼への返答まで含めて一連の会話と考えておきましょう。

日本語の「どういたしまして」に対応する基本的な英語フレーズとしては、You are welcome. が思い浮かびます。まずは、これでも十分でしょう。ただし場合によっては少し堅くてそっけない印象になるかもしれません。

英語表現を場面に応じて選ぶ余裕が出てきたら、もっと気軽・気さくでカジュアルな言い方や、もっと真摯で丁寧な表現を身につけましょう。身につけるといっても表現自体はすでに知っている語彙のはずです。どういたしましての意味で使えると認識しさえすれば、今からでも自在に使いこなせるでしょう。

「ありがとう」を英語でどう言う?場面別ニュアンス別のお礼と感謝の上手な言い方

カジュアルに伝える英語の「どういたしまして」

家族や親友といった親しい間柄で「ありがとね」なんて言われた場合の返答は、基本的にとても簡略です。語数も1語か2語くらい、半ば相づちを打つノリで言える表現ばかりです。

That’s OK.

大丈夫だよ / 気にしないで

OK /əʊˈkeɪ/ は「大丈夫(問題ない)」「よい」「オッケー」といった意味で用いられる一般的な表現です。okay と表記する場合もあります。

使い所もニュアンス(軽さ)も日本語の「オーケー」と大差なく、使いやすい言い方です。

? Thanks for coming with me.
一緒に来てくれてありがとね
? That’s OK.
ううん大丈夫だよ

that を it に換えて It’s OK. と言っても同じです。こちらもよく使われます。

※ 「OK」は肯定表現ではありますが、どちらかというと「悪くない」「まあ許容できる」といった、やや消極的な肯定表現です。「どちらがいい?」と尋ねられて「どちらでもいいよ!」と返答する場合に「Either is OK.」のような表現を使うと、「別にどっちでも構わんよ」というニュアンスで受け取られかねないので、注意しておきましょう。

No problem.

何も問題ないよ / 大丈夫だよ

problem(問題)なんて一切ない、と表現する言い方です。相手の気負いをかき消してくれるような響きが感じられます。

? Thank you for helping me.
手伝ってくれてありがとう
? No problem.
ぜんぜん問題ないよ

No worries. (心配ないよ)、It’s nothing. (こんなの全然だよ)といった表現もよく使われます。

Forget it.

忘れなよ

気にとめるほどの事じゃない、お礼なんていらない、という意味合いを込めて forget it(忘れていいよ)と返す言い方もあります。「忘れて」というよりは「気にするな」の方が訳文としては適当でしょう。

? Forget it, it was nothing.
気にしないで、あれくらい何でもないよ

Sure.

当然のことをしたまでさ

sure は「確実」「当然」といった意味の語で、英会話の口語表現ではさまざまなニュアンスで用いられます。質問には「もちろんその通り」、依頼には「もちろん引き受けるよ」と応じるフレーズとして使われます。

アメリカ英語では、 お礼の言葉への応答としても sure がしばしば使われます。この場合の sure のニュアンスは(もちろん「君がお礼を言うのは当然」ということではなく)「するべきことをしたまでだよ、お礼なんていいよ」というニュアンスです。

Sure thing. ともいいます。

Anytime!

いつでもどうぞ

anytime は「いつでも」「常に」という意味の副詞ですが、anytime 単独でお礼の言葉に対する応答フレーズとしてもよく使われます。「またいつでも引き受けるよ」「お安い御用さ」というニュアンスが感じられます。

返答フレーズの Sure. と合わせて Sure, anytime. (もちろん、いつでもどうぞ)のように言うこともできます。

You bet.

いいって、いいって

主にアメリカ英語の口語表現で、基本的には「もちろん!」という意味合いで使われる気さくなフレーズです。「もちろん」が転じて「当然のことだよ、いいってことよ」という意味で使われている点は sure に通じるものがありそうです。なお bet は本来は「賭ける」という意味。

Don’t mention it.

お礼なんていいよ

mention は、「言い及ぶ」「話題に出す」といった意味の動詞で、Don’t mention it. は文字通りには「言わなくていい」という意味合いの命令文です。「お礼なんて言わなくていいよ」すなわち「お礼を言うほどのことじゃない」(礼には及ばない)というニュアンスのある表現です。

Don’t mention it. もカジュアルな場面で使われるフレーズですが、カジュアルな表現の中では堅めの言い回しで、You are welcome. の方がまだ気さくなニュアンスがあるようです。


フォーマルさのある英語の「どういたしまして」フレーズ

ビジネスシーンや初対面の方とのやり取りの中で、丁寧さを意識して「どういたしまして」を伝える表現も、いろいろな種類があります。

You are most welcome.

どういたしまして、大歓迎ですよ

welcome はもともと「歓迎される」というの意味の語(形容詞)です。これを強調して You are most welcome. のように述べることで、ウェルカム度合いを強調し、お礼に対する丁寧さを込めた返しが表現できます。

most の他にも so や very などで welcome を形容しても同じニュアンスを表現できます。

  • You are so welcome.
  • You are very welcome.

It is my pleasure.

お役に立てて何よりです

相手の役に立てたことを嬉しく思う、という意味を込めたフレーズです。
文脈によっては「光栄です」「喜んで」のようにも訳せますが、お礼に対する「どういたしまして」のフレーズとしても多く用いられます。

Not at all.

いいえ全然構いませんよ

ニュアンスとしては「礼には及びません」の意味合いで、手助けのお礼への返しをはじめ色々な場面で使われます。

お礼に対する応答だけでなく、単純に前文を強く否定して「全くそんなことはない」と述べる言い回しとしてもよく使われます。


日本語の対訳を探すな、英語で噛み砕け

場面に応じた適切な英語表現をモノにするコツは、まずは「日本語で考えて英語に訳する」という思考プロセスを脱却すること、そして、(1)できるだけシンプルな表現を念頭に置き、(2)日本語を仲介せず直接に英語で言語化すること、です。

思考を日本語で表現して、それに対応する英語表現を探す、という考え方で英作文を進めると、どうしても、日本語の定型フレーズを翻訳する方法を取ってしまい、適切な英語表現にたどり着けません。

もちろん最初のうちは、「英語で直接考えるように」と言われても、なかなか実現できるものではありません。でも日本語のお決まりフレーズを模索せずに、もっとシンプルに「何を伝えるか」という要素だけ思い浮かべることはできるはずです。

たとえば「いやあ助かりました」と言いたい場合、何を伝えたいか?というと、その真意は「助けてくれてありがとう」とか「手助けに感謝します」というものです。この、フレーズとしては洗練されていない真意をそのまま英語で表現するように考えることで、シンプルで適切な英語表現が見つかりやすくなります。




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