日本語表現の「こちらこそ」の意味・ニュアンスを英語で表現するなら、副詞 too を文末に添えて「私もです」と述べる言い方が基本と言えるでしょう。もちろん他にも表現方法はあります。
日本語の「こちらこそ」は、曖昧で、多義的な、いかにも日本語的な表現です。具体的に何を言いたいのか?という点を意識して、他の表現で言い換えられるようになれば、対応する上手な英語表現も自ずと見つかるでしょう。
「ありがとう」を英語でどう言う?場面別ニュアンス別のお礼と感謝の上手な言い方
みんなの回答:こちらこそありがとうございました。は英語でどう言うの?
目次
文末に置く副詞 too は使い出のある基礎的表現
英語の基礎表現である副詞 too は、「こちらこそ」と述べる文脈でもよく用いられる、一般的かつ汎用的な表現です。
基本的には文末に、カンマを打ってから付け加えます。「ここで挙げた事項もやはり前述の内容に該当する(当てはまる)」といった意味合いを示します。
Thank you. への返しにも使える
たとえば、相手に Thank you. と言われたような場合、Thank you, too ! と返せば、「私もあなたに感謝します」、すなわち「こちらこそありがとう」という趣旨が表現できます。
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今日は来てくれてありがとう
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こちらこそありがとう、すごく楽しかった
Nice to meet you. への返しにも使える
感謝の場面に限らず、初対面の挨拶などでも too が「こちらこそ」のニュアンスで使えます。
初対面の挨拶としては、Nice to meet you. への返し方として Nice to meet you, too. のように述べる言い方があります。「こちらこそお会いできて嬉しく思います」と表現する言い方です。
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アン・スーです。お会いできて光栄です
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ジョージ・スミスです。こちらこそ、お会いできて光栄です
I’m sorry. への返しにも使える
I’m sorry. (ごめんなさい)への返答にも、文末に ,too. を加えてそのまま返す言い方で「こちらこそごめんなさい」というニュアンスが表現できます。
I’m sorry. が「私は申し訳ないと感じています」という趣旨のフレーズなので、, too. を加えて繰り返すことで「私もまた申し訳ないと感じています」と述べるわけです。
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昨日はひどいこと言ってごめん
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こっちこそごめんね
英語フレーズを日本語訳でなく英語のまま捉えるのがコツ
Nice to meet you. を《日本語の「はじめまして」に当たる言い方》という風に捉えてしまうと、Nice to meet you, too. という言い方にはなかなかたどり着けません。たどり着けても、「こちらこそはじめまして(?)」というような微妙な日本語表現に惑わされて、自然な英語表現が使いこなせなくなりがちです。
Nice to meet you. は「あなたに会えてよかった(と思う)」と述べる表現です。そのため、「私も、あなたに会えてよかったと思う」という風に返す言い方が自然に響きます。これは Thank you. にも I’m sorry. にも同じことが言えます。
日本語の対訳フレーズに依拠した理解では、どうしても考え方が制限されてしまいます。とくに挨拶フレーズは、英語の字面上の意味(英語としてのそもそもの含意)をしっかり振り返っておきましょう。
あるいは、 Nice to meet you, too. という言い方が口をついて出るまで復唱して体に馴染ませる。体で覚えてしまって後で自然に理解できる日が来るのを待つのも手です。
簡略に You, too. とも表現できる
Thank you, too. などは省略して You, too. とだけで述べても十分に趣旨が伝わります。
省略表現は口語的なくだけたニュアンスが前面に出てくるので、使い所はやや限られます。
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フレンド登録ありがとう!
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こっちこそ、ありがとね
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会えなくて淋しいよ
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僕だって同じさ
Me, too. との混同に注意
日本語的な考え方では「こちらこそ」は「私も同じです」という趣旨ということで Me, too. と表現したくなってしまいますが、これは要注意です。
Me, too. は相手の発言内容に完全に同意するという趣旨で用いられます。
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ミートパイが食べたい
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同じく
Thank you.(私はあなたに感謝している)のような表現に Me too. と返答すると、「私も私に感謝しています」という自画自賛的な表現に聞こえてしまいます。
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あなたは本当に優しい方だ
【要注意!】
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ええ私も自分は優しいなあと思います
状況に応じて使える too 以外の言い方
likewise
likewise は、「(私も)同様に」という意味で使える副詞表現です。私も同じ思いです、という意味合いで「こちらこそ」のニュアンスが表現できます。
likewise は文頭に置いて「こちらこそ、」とまず述べる言い方ができます。単に Likewise. とだけ述べて「こちらもです」という意味を示す言い方も可能です。
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会えて嬉しいよ
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私もだよ
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今日あなたに会えて嬉しく思います
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私こそあなたに再会できて嬉しく思います
Thank you. に対して Thank you. と返す言い方
Thank you. (ありがとう)と感謝されて「こちらこそ(ありがとう)」と返す場面では、Thank you, too. と付け足す言い方の他に、Thank you. とそのまま返す言い方もできます。
you はできるだけ強調して声の抑揚で「あなたの方をこそ感謝します」というニュアンスを表現します。
No, thank you. と言ってもよいが語弊に注意
「いえいえ、」という意味を込めて No, と前置きしてもよいでしょう。ただし平板な抑揚だと「いえ結構です」という意味のフレーズに聞こえてしまうので注意が必要です。
you 部分に力を込めて、身振りなんかも加えて、No, thank Y O U !! くらいの勢いで表現しましょう。
I am the one who ~(私の方こそ)
「こちらこそ」の意味合いをもっと強く明確に表現したいなら、I’m the one who ~ という言い方もアリでしょう。
(I’m) the one は「他ならぬ(この私だ)」と強調して述べる言い方です。one を強い調子で発音します。「私だ」という部分を最初に(主文として)述べるため、「こちらこそ」という意味合いが強調されます。
私の方こそお詫び申し上げなくてはなりません
私の方こそお礼を申し上げなくてはなりません
It is (especially) me who ~ (私の方こそ)
関係詞を使って「それは私だ」「私の方こそ」と述べる言い方としては、 It is especially me who ~というような言い方もできます。
especially とまでは言わずに、単に It is me who ~ とも表現できます。関係詞 who は that でも代替できます。
文法的な扱いが難しい点に要注意
It is (especially) me who is~ と me を使う言い方は、多分に口語的であり、文法的には It is I who am ~ の方が正確であり、よりフォーマルな表現とされます。
「It is I who ~ か It is me who ~ か」という話題は、英語圏の語学系オンラインフォーラムでもたびたび議論になっているところです。英語ネイティブスピーカーでも混乱・疑問・違和感を抱きやすい表現であることが覗えます。
正しく表現しても相手に違和感をもたれかねない、その危険を冒すくらいなら、他の無難な表現を使った方が得策と言えるかもしれません。