普段の会話では、本質的でない情報を適当に端折るという意識も大切です。おおざっぱに扱ってよい余分な情報はおおざっぱに扱った方が会話は捗ります。
たとえば金額について「978円」と厳密に述べる必要が特にないなら「だいたい1000円」といってしまった方が円滑に会話は運びます。
厳密に述べるべき情報と、だいたいの程度を示せばよい情報を、あらかた区別し、省ける情報は適当に省きましょう。
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話の内容をはしょる表現
普段の会話では、端折っても問題ない内容は端折ってしまいましょう。こうすることで、話し相手も会話の内容をスムーズに理解できるようになります。
roughly
roughly は話の内容を省略する際に使うことができます。また、この roughly は数字の端数を省略するときにも使うことができます。そのため「だいたい」という和訳がぴったりな単語といえるでしょう。
野球とクリケットってだいたい同じじゃないの?
毎年だいたい2000万人ほどの観光客が日本を訪れる
broadly
形容詞の broad には「広い」という意味があります。そして、それを形容動詞化した boardly からは「大まかに」といったニュアンスを汲み取ることができます。
大まかに言うと、野球って言うのはピッチャーがボールを投げて、バッターがそれを打つゲームだよ。それで多く点を取ったほうの勝ちなんだ
loosely
loosely も「だいたい」や「大雑把に」などのニュアンスを含む単語です。形容詞の loose は「ゆるんだ」や「自由な」という意味があります。
また、英語の発音は /luːs/ です。 loose は「時間にルーズ」のように日本語としても定着していますが、英語の発音では語尾がにごらないことに注意しましょう。
「焼き鳥」をだいたいで英訳するなら、「串つきの焼いた鶏肉」かな
数字の端数をはしょる表現
数字の端数を端折る表現は about 、 around 、 approximately などがあります。
542円のものを「だいたい500円」と言うように、数字の端数を省略することは頻繁にあります。そのため数字の端数を省略する表現はとても豊富です。まずは場面ごとに使用される頻度の高いものから習得を目指しましょう。
about
about はカジュアルなシーンで用いられる単語です。 about はふだんの会話など頻繁に使われます。英語の基本として、よく使われる単語や表現はカジュアルと捉えられるということを覚えておきましょう。フォーマルな言葉を意識するなら他の表現を使ってみてもよいかもしれません
・ about 20 degrees(だいたい20度)
・ about 10 years old(10歳くらい)
日本語でもアバウトという語を「アバウトな見積もり」や「アバウトな計画」のような(おおざっぱ程度の意味合いで)用いることはありますが、英語の about は用法もニュアンスもちょっと違うので注意しましょう。
around
around は、数詞の端数を省いてきりの良い数にする(「丸める」)際に用いられる基本的な表現です。
・ around ten thousand yen(約10,000円)
・ around in 1980(1980年ごろ)
数だけでなく時代・年代を「~頃」という意味合いで大まかに表現したり、場所・地域を「~近辺」「~の辺り」と大まかに示したりする場合にも around が使えます。
around の中核的イメージ「周囲をぐるり」というニュアンスを保てばおおよそ正しく使えるでしょう。
approximately
approximately は、よりフォーマルなシーンで用いられます。英語ではあまり使用されない単語、表現はフォーマルとみなされる傾向があります。またギリシャ語やラテン語に起源を持つ少々長めの単語もフォーマルな印象を与える傾向もあります。
approximately はこのどちらにも当てはまるので、 about や around よりフォーマルな印象を与えるようです。
・ in approximately ten minutes(およそ10分後)
・ approximately 100 years ago(約100年前))
その他の数字に関する表現
about や around 、 approximately を習得したら、表現をさらに豊かにするために異なる表現の習得にもチャレンジしましょう。
nearly と closely
nearly と closely も「だいたい」や「約」などと和訳できる単語です。しかしこれらはすべて「もう少しで~」というニュアンスを含んでおり、たとえばテストで87点を取ったときに nearly 90 ということはできても、91点取ったことを nearly 90 ということはできません。
トーイックのテストで900点近くとった!
or so
or so は「それぐらい」というニュアンスを伝えることができます。使用方法としては 10 or so people のように数字と名詞の間で使う方法と、10 people or so のように名詞のあとで使う方法があります。
・10 or so people (10人くらい)
・500 words or so (だいたい500字)
more or less
この more or less は「だいたい」のように数字の端数を端折るときにも、話の内容を端折るにも使用することができます。
日本から香港までのフライトはだいたい3時間くらいだったよ
今日彼が来なかった理由なんとなくわかるよ
相手の発言に対する細かい返事をはしょる表現
something like that
something like that は日本語の「だいたいそんな感じ」の意味合いで用いられる定型的不レースです。
これはどんなときでも文末につけることができる非常に便利な表現です。
私が好きなのはマグロでしょ、それにサーモン、たこ、エビ、卵、だいたいそんな感じかな
公園に行ったのに誰もいなかったから家に帰ったらマークが電話してきて「どこいるの?」って聞いてきたんだ。ちょっとムカついていたから「こっちのセリフなんだけど」って言って電話切っちゃったんだよ。まあだいたいそんな感じ
something like that の注意点としては、日本語と同じように多用してしまうとなにかいい加減な印象を与えかねないことです。使いすぎには注意しましょう。