よくあること、ままあること、珍しいこと、めったにないこと。物事の起こる頻度を表現する英語も、ありがちさの度合いによって言い分けられます。
常態・日常茶飯事から古今未曾有の珍事まで、大まかに段階を分けて表現できるようになっておくと、経験・経歴・趣味なんかの話題でも意外と重宝します。
よくある度合いを示す表現5段階
常にそうであるという状態
いつも・いつでもそうだという状況、つまり常態となっているような状況は、always で表現できます。
頻度を示す表現は自ずと「発生する」および「発生しない」という2つの状況を念頭に置きますが、always は「発生しない」という状況が度外視されています。頻度100%は、もはや頻度ではなく、むしろ性質です。
いつだってヒマだ
彼はいつも早起きだ
日常茶飯事
常日頃から当たり前のように起きていること、ほぼ常態化していること、いわゆる日常茶飯事。英語では a daily occurrence や the order of the day のように表現できます。
こんなことが毎日のように起こる
満員電車は東京ではいつものことです
ありふれた物事
珍しくもなんともない、普通の、ありふれたこと。英語では common や usual のような形容詞で表現できます。
いたって普通のことです
非常によくある間違いだね
彼の夜更かしは何ら珍しいことではない
私はいつも通りです
common も usual も、訳語としては「ありふれた」「普通の」のように訳される点で共通していますが、多分に「common」はより一般的なこと、「usual」は個人的なことを示すニュアンスがあります。そのため、文脈に応じてどちらの語が選択されるかは、おおむね決まっています。
めったにない事
あまりない、めったいにない、珍しい出来事を指す語としては、形容詞 rare が挙げられます。日本語で言うところの「レア」と同様、まったく起きないわけではないが普段はそうそう起きない、という程度を示します。
「ありふれた事ではない」という意味で uncommon と表現したり、あるいは unusual と表現してもよいでしょう。 unwonted とも表現できます。いずれも否定を意味する接頭辞 un- を加えて「よくある」という語意を否定した表現です。
彼が出かけるとは珍しい
これはめったにない事です
いまだかつて聞いたこともないような事
レア以上に珍しい事態は(スーパーレアとは言いません)、前例を耳にしたためしがない(前代未聞だ)という意味で、 unheard-of と表現できます。あるいは「先例がない」という意味で unprecedented と表現してもよいでしょう。
unheard-of は of まで含めてひとつの形容詞表現として扱われます。
unprecedented は名詞 precedent(先例)から派生した語です。without precedent と述べても同じ意味が表現できます。
空前のスケールの開発です
彼は前代未聞の振る舞いをしでかした
未曾有の大事件として歴史に残るでしょう
彼はかつてない好機をとらえた
どちらかといえば unprecedented はポジティブな意味で使われることが多く、unheard-of はネガティブな意味で使われる向きが多分にあります。
会話の相づち表現としての「よくある」は
会話中に相手の発言に乗って「それはよくあることだよ」とか「それ、あるよね~」のように言う場合には、 It happens. という表現がうまく対応します。
It happens. は、あるあるネタに同調する場合にも、よくあることだから気にするなよと励ます場合にも使えます。簡素で使いやすい合の手です。