「血液型」は英語では blood type と表現します。自分の血液型は~ という叙述は My blood type is A. という風に表現できます。でも言及する機会はめったにないかもしれません。
血液型の区分はほぼ万国共通(ABO式が標準的)といえますが、「血液型占い」や「血液型性格診断」のような俗信に関連づける国は日本くらいのものです。血液型はあくまでも医療分野で活用される情報です。
「血液型」に対応する英語表現
blood type が英語における基本表現
「血液型」そのものは、基本的には blood typeと表現されます。「血液(blood)の型(type)」という安直な対応です。
blood(血)そのものはもっぱら名詞として用いられる語です(ただし動詞としての用法もあります)。名詞の形容詞的用法と捉えるべきでしょう。
実は、血液型には8つの異なる種類があり、それらはある特定の抗原の有無によって決められています
―― American Red Cross
type of blood でも可
blood type をひっくり返して type of bloodと表現することも可能ではあります。
type of blood の方が英語的に手厚い表現といえそうではありますが、普通は blood type の方が用いられます。
blood group でも可
type を group に替えて blood group と表現する言い方もあります。
日常的な英語表現・英会話表現としては、やはり blood type の方が一般的ではありますが、blood group という英語表現も使われないわけではありません。
まあ耳にする機会があれば blood group =blood type と認識できるようになっておけば十分でしょう。
血液型は?と英語で尋ねる言い方
英語で「血液型は何型ですか」と尋ねる言い方は、考え方そのものは日本語と同様「あなたの血液型は何(what)ですか」いうような組み立て方で表現できます。
What is your blood type ?
What is your blood type? は血液型を尋ねる英語フレーズとしては最も無難で一般的でいえるでしょう。表現も簡素で語彙も基礎的。これだけ覚えておけば質問の意図は十分に伝わります。
What’s your blood type?
もちろん what is は省略して what’s と表現できます。意味は全く一緒です。
Do you know your blood type?
「~は何ですか」式の質問の他に「~をご存じですか」と問いかける形の尋ね方もよいでしょう。
Do you know ~ 式の尋ね方は、回答する側が血液型を教えたくない場合には血液型を明示せずに済ますこともできる形式です。what is ~ でズバリ尋ねるよりは少しだけ婉曲的なニュアンスが出せるかもしれません。
海外では意外と自分の血液型を把握していない人が多かったりします。文字通り「自分の血液型(は何型か)を知っていますか」という意味合いでも有効な表現です。
自分の血液型は知ってる?
Do you know what your blood type is?
日本語的な「自分の血液型(は何型か)をご存じですか」という尋ね方を英語で忠実に再現するなら、関係代名詞を使って Do you know what your blood type is? と問うような表現になるでしょう。
Do you know what blood type you are?
関係代名詞を織り込んだ訊き方を使うなら Do you know what blood type you are ? とも表現できます。これは少し日本語に直訳しにくい、いくぶん英語的な表現といえそうです。
Tell me what blood type you are.
さらに「私に教えてください」というニュアンスを明示的に伝えるなら、Do you know ~ 部分を Tell me ~ に置き換えてもよいでしょう。
血液型と英語に絡む補足知識
「型」の表現は英語では「Aタイプ」でなく「タイプA」の語順で述べる
A型、B型、O型、AB型 という風に「型」の意味まで含めてABOと述べる場合、日本語とは語順が逆転して、 type が先行して type A、type B、という風に表現されます。
もちろん、「血液型はA型です」という風に(血液型を話題にしていると)明示する叙述の中では、単に「A」「B」「O」「AB」と述べるだけで十分に意味が伝わります。
私の血液型はAです
「A型」は英語では「type A」の順で表現する、という要領は、血液型に限らず、他の表現でも同様です。たとえば plan A、floor 7、number 1 。英語全般に共通する要領として把握してしまいましょう。
ついでに言うと floor 7(7階)の数詞を助数詞に替えると語順が変わって 7th floor のような記述になります。
Rh+ と Rh- のプラスとマイナスは英語では positive 、negative と表現する
血液型の区分方式は A、B、O、AB の4型に分ける「ABO式血液型」が一般的といえますが、この4区分に「Rh因子」の陽性・陰性という区分を加味した「ABO・Rh式血液型」区分もあります。(英語圏でも共通の区分です)
Rh因子を加味すると血液型の区分は全8種類。たいていの人のRh因子は陽性(+)です。陰性(-)は珍しく、たとえば日本では全人口のうち Rh- の人の割合は 0.5% 程度と言われています。
Rh因子の陽性・陰性の区別は、日本語では「Rhプラス」「Rhマイナス」と表現されますが、英語ではプラスマイナスではなく positive (陽性)および negative (陰性)で表現されます。
B- の献血者は、その血液の希少性によって比類ない存在となります
――The Blood Connection
日本語でプラス・マイナスと形容する言い方は大体、英語では positive と negative の語が用いられます。たとえば「プラス思考」は positive thinking であり、「マイナスイメージ」は negative image といいます。
英語表現としては基本的に positive が良い意味で用いられ、 negative が悪い意味で用いられますが、医療関連の分野で「陽性・陰性」という意味合いで用いられる場合は、これが裏返る場合があります。ウィルス系の病気の検査結果では positive は「陽性」であり体がウイルスに毒されていることを示す悲報です。
英語圏で血液型を話題にする場合の注意事項
血液型に関する認識は日本と海外では多少の隔たりがあります。あらかじめ海外の血液型に対する扱いを把握しておきましょう。
血液型を運勢や性格に結びつける考え方は英語圏にはない
血液型という切り口で個々人の性向を分類したり、今日の運勢を占って見せたり、という試みは、科学的根拠に乏しい俗信の部類です。それどころか、日本くらいでしか見られない珍妙な考え方ですらあります。
昨今では日本でも「ブラハラ」(ブラッドタイプハラスメント)なる語が提唱され、安易な関連づけを避ける風潮ができつつありますが。
海外からも、日本人はことさら血液型に対する関心が強いと思われているようです。2012年にはBBCが日本の血液型に対する奇妙な文化事情を紹介しています。
日本と血液型 ― 血は個性を左右するのか
―― BBC News, 5 November 2012
自分の血液型を知らない人も英語圏には大勢いる
血液型に関する情報は世間的な興味の対象とならない、わりと純粋に医療分野でのみ用いられる情報です。とすれば、自分の血液型を把握していない人がいても特に不思議ではありません。
血圧や尿酸値になぞらえて考えてみると、把握していない人がいても何ら不思議ではないと思えるのではないでしょうか。
血液型は日本ではごく普通の会話でも、外国の人と話す際にはあまり話題に出さないほうが無難かもしれません。