グルメは英語でどう言う?使い方から使い分けまで例文付きで解説

いわゆる「グルメ」はフランス語に由来しますが、英語でも同様にフランス語を借用して gourmet といいます。発音や綴りに留意しさえすれば、「グルメ」は gourmet で無難に表現できそうです。

日本語で「グルメ」と表現する場面はいくつかに分けられます。食通・美食・食道楽という意味だったり、舌がわがまま・好き嫌いがあるという意味だったり、あるいは「グルメ本」という風に料理を指す意味合いだったり。そうした具体的な意味合いを掘り下げてみると、外来語の gourmet を用いなくても標準的な英語の語彙で表現できる言い方は見つかります。

gourmet はおおよそ「グルメ」に通じる表現

フランスは、世界三大料理のひとつであるフランス料理を擁する国だけあって、食文化は超一流です。英語は全体的にフランス語から大きな影響を受けていますが、gourmet の語は英語に限らず日本語その他の言語でも「グルメ」の意味で伝搬しています。

gourmet は日本語の語彙でいえば「美食家」あるいは「食通」に相当する語です。英英辞書(OxfordDictionaries)ではおおよそconnoisseur of food(食の目利き)という風に説明されています。

Definition of gourmet in English:

A connoisseur of good food; a person with a discerning palate.

美食に精通している人、味覚的な鑑定能力のある人

gourmet は基本的に名詞として扱われますが、名詞の形容詞的用法で「食通向けの(料理)」という意味の修飾語としても用いられます。

New luxury hotel with gourmet meals, designer beds, and stunning gardens coming to London – for CATS

グルメな料理にデザイナーズ寝具、魅惑の遊び場も備えた豪華ホテルがロンドンに新登場。ただし猫用

―― getwestlondon, July, 17th, 2017

英語の gourmet からは「食の玄人」といったニュアンスが感じられます。いわゆる「グルメ漫画」の「グルメ」の意味合いはこれに近いといえそうです。

gourmet とは別に gourmand という語もある

フランス語には gourmet とは別に gourmand という語もあります。よく似ていますが似て非なる語で、区別されて扱われています。

gourmet が「おいしい料理を食べることを好む」人とすれば、gourmand は「料理をがっつり食べることを好む」人です。いわゆる健啖家、大食漢。

gourmand も英語辞書に収載されている語彙ではあります。さすがに英語圏で日常的に用いられている語彙とまでは言えなさそうではありますが。

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美食家・食道楽という意味の「グルメ」を指す言い方

いわゆる「グルメ」を、「美味しい物が大好きな人」「食べることが大好きな人」という意味合いで用いる場合、gourmet よりも適切といえそうな語彙があります

foodie

foodie は口語表現で「食に強い関心がある人」「食べることが大好きな人」といった意味の語です。食通、うまい食べ物を愛する人、といったニュアンスを込めて用いられることもあります。

foodie は口語表現であるだけにカジュアルな文脈で用いられます。SNSのプロフ欄(自己紹介)で用いられることもしばしば。

Keep calm and be a foodie.

落ち着いて、料理を堪能しましょう

epicure

epicure は「美食」あるいは「食道楽」といった意味合いの表現です。もっぱら名詞として用いられます。

epicure の語は古代ギリシアの享楽主義哲学者 Epicurus (エピクロス)の名に由来します。食へのこだわり、というよりは、美味いものを飲食する喜びを享受しているという道楽めいたニュアンスに傾いた表現といえます。

エピクロス的な享楽的思想の持ち主は epicurean と呼ばれることもあります。epicurean は思想史的には「エピクロス学派」、日常会話の中では「快楽主義的な人」あるいは「食い道楽の人」を指します。

bon vivant

bon vivant も「美食家」の意味で用いられることのある表現です。gourmet と同様 bon vivant もフランス語に由来する言い回しで、元々の意味は「良く生きる人」。英語でいえば good liver に対応する語です。

発音は /bὰnviːvάːnt/ と紹介されていたり /bɔ̃ vivɑ̃/ と紹介されていたりとマチマチです。

Playboy, bon vivant and the last emperor of Vietnam, Bao Dai chafed at his role as France’s puppet

色男、美食家、そしてベトナム最後の皇帝、バオ・ダイはフランスの傀儡としての役割に苛立っていた

―― Post Magazine, July, 30th, 2017


「グルメ」を使う際によく用いられる表現

表現① savor the flavor

「savor the flavor」は、「風味を楽しむ」という意味の表現です。グルメな食事を味わい深く楽しむ様子を表す際に用いられます。例文としては、”He savored the flavor of the truffle dish.”(彼はトリュフ料理の風味をじっくりと楽しんだ)が挙げられます。

表現② have a taste for

「have a taste for」は、「~の好みがある」という意味で、特定の食べ物や飲み物を好む傾向があることを示します。グルメな人々が特定の料理や食材に対して持つ好みを表現する際に使用されます。例えば、”She has a taste for exotic cuisines.”(彼女はエキゾチックな料理の好みがある)という文が考えられます。

偏食家・好き嫌いのある人と言う意味の「グルメ」を表現する言い方

日本語の「グルメ」は、偏食家、食べ物の好き嫌いが激しい人、気に入らない食べ物はとことん拒絶するような人、といった意味合いを遠回しに形容する言い方としても用いられます。

この辺の偏食家のニュアンスを表現する場合、gourmet よりも、「凝り性」「気難しい」といった表現を選んだ方が的確に伝わります。

(very) picky with food

picky は「気難しい」「選り好みする」といった意味の形容詞で、前置詞を伴い with food と続ければ「食べ物を選り好みする」という意味合いが示せます。

Usually, he is very picky with food.

彼には偏食のきらいがある

finicky eater

finicky は「ひどく気にする」とか「凝り性の」とかいった意味合いの形容詞です。eater(食べる人)をこれで形容すれば「食に関して凝り性な人」という意味合いの言い方になります。字面は「偏食家」に近いといえるかもしれません。

fussy eater

fussy は「小うるさい」「神経質」という意味の形容詞です。fussy eater は、いわゆる「味にうるさい」グルメ野郎を表現できる言い方です。

「ご当地グルメ」のように料理を指して「グルメ」と表現する言い方

日本語では「B級グルメ」や「ご当地グルメ」という風に「(おいしい)料理」を指して「グルメ」の語を用いる場合も多々あります。

英語の gourmet には「料理」を指す名詞の意味は基本的にありません。料理なら「料理」と明示した方が無難です。

「料理」を意味する英語表現は food が基本ではありますが、場面に応じて他の表現に言い換えてもよいでしょう。

cuisine

cuisine は「料理」あるいは「料理法」の意味で用いられる語です。

French cuisine

フランス料理

この cuisine もフランス語に由来する外来語です。仏語の原義は「台所」。

cheap eats

cheap eats は「安くて手軽に食べられる(おいしい)料理」を指して用いられる表現です。

eats は「(調理済みの)食べ物」を指す口語表現です。基本的に、軽食というか気軽に食べられる料理を指します。

cheap eats には「肩肘を張らずに安く手軽に食べられる料理」というニュアンスが多分に含まれます。その意味で日本語の「B級グルメ」に相通じる表現といえます。

10 best cheap eats in Tokyo

東京のB級グルメベスト10

ちなみに、いわゆる「ご当地グルメ」は local food あるいは local cuisine のように表現できます。

グルメとは似て非なる「味オンチ」「大食い」を表現する言い方

「食事を好む人」と「ただの大食らい」はまた別です。食事の味にうるさい人も、いわゆる「味音痴」に該当する場合があるかもしれません。

その辺の機微にピンと来たら、表現をちょっと選んでみても良いかもしれません。

味オンチ → poor sense of taste.

いわゆる味オンチは、英語では「味覚が貧弱な人」という風に言い替えられます。

I have poor sense of taste.

私って味オンチでさ

日本語の「オンチ」は「音痴」からの転用ですが、英語に同じ脈絡の転用はさすがにありません。

英語でどう言う?「音痴」「方向オンチ」「機械オンチ」

大食漢 → glutton、big eater

「食が好き」とはいっても、味よりも量が正義、という人は、美食家というよりは健啖家です。つまり大食らい。gourmet に対する gourmand 。

大食らい(たくさん食べる人)を指す英語表現としては glutton という言い方があります。big eater あるいは heavy eater と表現する手もあります。

 

まとめ

この記事では、「グルメ」という日本語を英語でどのように表現するか、その英訳とニュアンスの違いについて解説しました。英語には「gourmet」、「epicure」、「foodie」といった複数の訳語があり、それぞれ微妙な意味の違いがあります。また、「savor the flavor」や「have a taste for」といった表現も、グルメな体験を表す際に役立ちます。美食を愛する皆さんが、これらの表現を使って英語での食の体験を豊かにすることを願っています。

naga
Weblio編集担当者。
高校時代は英語の偏差値が40台だったが、受験勉強と大学時代の半年の留学でTOEIC870点を取得。以降はほぼほぼNetflixで英語を学習。ストレンジャー・シングスをひたすら繰り返し見ているので、日常会話の語彙がセリフに偏ってるが気にしない。でもやっぱりイギリス英語を話せるようになりたい。



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