監督は英語でどう言う?使い方から使い分けまで例文付きで解説

「監督」は英語でどう言う? スポーツの監督、映画監督、監督官庁、意味の違いや使い分け方を解説

監督」を意味する英語表現は多岐にわたります。そして、使用場面によって使い分けられます。

たとえば「映画監督」や「美術監督」は director(ディレクター)といい、野球やサッカー等のスポーツチームの「監督」は coach(コーチ)、「試験監督」は proctor(プロクター)といいます。

「監督」を意味する主な英語表現

日本語の「監督」には、「チームを取りまとめて指揮を取る人」や「組織を見張ったり取り締まったりする人」といった意味があります。

「監督」も文脈に応じて「指導者」や「管理者」と言い換えてみると、適切な英語表現が見つかりやすくなるかもしれません。

たとえば、同じ「監督」でも、チームの陣頭指揮を取る役割なら「director」、組織やプロジェクトを統括して管理する役割なら「manager」、指導が主な役割なら「coach」、一般的な監督職や管理職は「supervisor」、といった具合です。

director(監督、ディレクター)

director は、特に映画や演劇の分野において「監督」もしくは「演出家」を指す表現です。

映画監督は「film director」や「movie director」、美術監督は「art director」ともいいます。文脈が明らかな場合は、単に director といえば通じます。

director は、基本的には「指揮者・指導者」「管理者・取締役」を意味する単語です。クリエイティブなプロジェクトや組織の高位のリーダーを指す表現として最適です。

The director received an award for his latest film.
その監督は最新作で賞を受賞した

She wants to work with famous directors in Hollywood.
彼女はハリウッドの有名な監督たちと仕事をしたいと思っている

A good director can bring out the best in actors.
優れた監督は俳優たちの最高の演技を引き出すことができる

supervisor(監督者、スーパーバイザー)

supervisor は、職場やプロジェクトなどを指揮監督する立場の人を指す単語です。「上司」と訳されることも多い表現です。

supervisor は、作業の進捗を監視したり、作業に従事する者(部下)を指導したりする役割を持ちます。「監督」よりもむしろ「監督」に近い、かもしれません。

My supervisor helped me a lot during my internship.
監督はインターンシップで多大な支援をくれた

She is a strict but fair supervisor.
彼女は厳しいが公正な監督者だ

The supervisor is responsible for the safety of the workers.
監督は労働者の安全を担当している

coach(監督、コーチ、ヘッドコーチ)

球技やチームスポーツを指揮・指導する立場としての「監督」は、coach といいます。coach 自体は「指導者・指導員」という意味の単語です。

指導者が複数いるチームでは「コーチの筆頭者」を head coach(ヘッドコーチ)といいます。日本語では「監督とコーチは別人、それぞれ居る」という文脈があり得ますが、その場合、監督を head coach と呼べばコーチ陣の他の面々と区別できます。

野球・サッカー・バスケ・バレー・卓球・個人競技、ロボコン等々、競技種目にかかわらず「指導者」に位置する役割の監督は coach と表現できます。

ただし、プロのスポーツチームにおける「監督」は coach よりも  と呼ぶ方が一般的です。

He has been a basketball coach for over twenty years.
彼は20年以上バスケットボールの監督をしている

A coach must understand each player’s strengths and weaknesses.
監督は各選手の長所と短所を理解しなければならない

The coach is developing a new strategy for the next game.
カントクは次の試合のために新しい戦略を練っている

manager(運営者、支配人、マネージャー)

manager は、組織やプロジェクト等の管理・運営を担当する立場の人を指す単語です。「業務の監督」や「メンバーの監督」も、役割には含まれます。

日本語でいう「監督」を、英語で manager と訳する場面は、そう多くないかもしれません。

ただ、英語では「プロのスポーツチームの監督」を特に manager と呼ぶことがあります。coarch(指導)よりも manage(指揮・支配・采配・興行)を主に行うという意味合いを含んだ表現といえるでしょう。

proctor(試験監督、プロクター)

proctor は、主に大学や学校などの教育機関における試験やテストの「監督者」を指す表現です。試験中に不正行為が行われないように監視する役割を担います。いわゆる「試験監督」です。

proctor は procurator(プロクラトル)の略語とされ、元々は「古代ローマで皇帝の職務を代執行した者(いわゆるお代官様)」を意味したそうです。

inspector(監督官、インスペクター)

inspector は、教育や学問の分野に限らず幅広い分野で「監督官」あるいは「検査官」や「調査官」に相当する意味で用いられる表現です。

inspector は、「品質検査」や「安全検査」によって「基準や規則が遵守されているか」を調べる立場の監督者です。

overseer(現場監督、オーバーシアー)

overseer は、集団の作業の状況を俯瞰的に捉えて統率を取る、という役割の人物を指す表現です。

建設の分野における「棟梁」や「現場監督」は、現場を見て陣頭指揮を取るという立場上、overseer が最適です。

もっとも、同じ現場監督でも、品質や安全の観点に立脚して監督業務を遂行する立場なら「site inspector」、建物が設計どおり構築されているかどうかを監督する立場なら「construction supervisor」のように表現した方がうまく伝わる場面があるかもしれません。

chairperson(監督委員、チェアパーソン)

議会や委員会の主宰として、会の方向性を管理・監督する、という文脈なら「chairman」および「chairperson」という表現が最適です。

chairman / chairperson はたいていの文脈では「議長」「委員長」「司会者」などと訳される表現です。

もともとは chairman が標準的な表現でしたが、昨今では「性(ジェンダー)に配慮した言い換え表現」が尊ばれ、chairman から chairperson への言い換えが進みつつあります。


日本語から場面別に「監督」を英訳する索引

こんどは日本語表現から「適切な英語表現」を対応付けていきましょう。

「映画監督」の英語訳は director 、または film director

「映画監督」は director といいます。film director ともいいます。映画やテレビの映像・演出を撮影から編集まで統括する役割の人物です。

「舞台監督」の英語訳は director 、または stage director

演劇界では director といえば「舞台監督」のことです。stage director あるいは stage manager ともいいます。

「美術監督」の英語訳は art director

art director は、映画やテレビ、広告、出版などの分野において視覚的な側面(イメージやスタイル等)を統括する役割の人物です。

「試験監督」の英語訳は proctor

学校や試験会場において試験中のルールの遵守を確保し、不正行為を防ぐための監視役を務める役割の人物は proctor といいます。

「現場監督」の英語訳は overseer、supervisor、inspector

建設現場で作業の進行状況を俯瞰的に把握して指揮を取り、安全基準や品質基準の遵守を確認する人物は、overseer、supervisor、または inspector といいます。

場合によっては boss(親方)と表現する手もアリかもしれません。

 野球やサッカーの「監督」の英語訳は coach もしくは manager

野球やサッカーなどのチームを統率し、試合中の戦略や選手の配置などについて指揮をとる役割の人物、coach または manager といいます。

coach はチームのトレーニングを監督するニュアンスが強く、アマチュア競技で多く使われます。

manager は試合運営を監督するニュアンスが強く、プロ競技で多く使われます。

「監督官庁」の英語訳は regulatory agency

特定の産業や分野における規制や監督を行う政府機関は、regulatory agency あるいは supervisory authority といいます。法律や規制の実施を確保し、公共の利益を守る立場です。


「(~を)監督する」と表現する場面で使える言い回し

「監督」は名詞の他に動詞としても使われます。

「監督する」という動詞の用法では、名詞とは違った英語表現が当てはまります。

manage a team(チームを監督する)

manage (a) team は、主に「チームを管理・運営する」という意味に重点を置いた「監督」業務を表現する言い方です。

ビジネス上の組織の管理運営や、スポーツのチームマネジメントなどの文脈に適した表現です。

The director has to manage a team of creative professionals.
監督は創造的な専門家のチームを監督しなければならない

oversee operations(工程を監督する)

oversee operations は、工場や工事現場などで「業務を統括管理する」という意味で使われる表現です。いわゆるスーパーバイザーが担当する監督業務です。

As a supervisor, she has to oversee operations on the shop floor.
監督として、彼女は工場の床での業務を監督しなければならない

guide and mentor(教導する)

guide and mentor は、「指導および育成する」という意味で、指導者としての監督の役割に重点を置いた表現です。教育やコーチングの文脈で特によく使われ、部活動の指導教員を「監督」と呼ぶような場面には最適です。

A good coach doesn’t just instruct; they guide and mentor their athletes.
優れた監督は指示を与えるだけでなく、選手たちを導き育てる

englishcompany



WebRTCで無料英会話