「失恋」「失恋した」と英語で表現する言い方

いわゆる「失恋」は英語では基本的に heartbreak と表現できますが、文脈によっては他の表現を使ったり名詞でなく動詞として「失恋した」と述べたりする言い方も使えます。

失恋のような個人の心境に直結する事柄は、言葉のニュアンスによって印象が少なからず違ってきます。多少の表現の幅を知っておくと素直な気持ちを誤解なく表現できるようになります。

「失恋」を名詞的に指し示す英語表現

heartbreak

日本語の「失恋」に対応する最も一般的な英語としては  heartbreak が挙げられます。

heartbreak は文字通りに解釈すれば「傷心」、胸の張り裂けるような悲しみといったところで、必ずしも失恋の悲哀を指す表現というわけではありませんが、もっぱら失恋の心境を指す意味で用いられます。

heartbreak は失恋に至った経緯や感情の機微などを問わず幅広く使える単語です。失恋が原因でない胸の痛むような出来事があった際にもよく用いられます。心痛む状況を述べる語意としては広範に無難に使えます。

lost love 、あるいは、wasted love

lost love は「失われてしまった恋(愛)」という表現、日本語の「失恋」を字面通り再現したような言い方です、意味もニュアンスも日本語の「失恋」に通じる感覚で使えます。

ただ、lost love という言い方はちょっと古臭さを感じさせるきらいがある、という見方もあります。その点やや悩ましいところです。

lost love と同様のニュアンスで wasted love という言い方もあります。「壊れた恋」「無駄になった恋」といった意味合いの表現で、lost love の代替表現として用いられることがあります。

cross in love

cross in love は「恋愛における苦難(cross) 」という風に述べて失恋を指す言い方です。

cross に限らず、絶望・失望・不運といった語に ~ in love(恋愛における)を言い添えれば「失恋」の意味合いを示すことは充分に可能です。

  • cross in love(恋愛における苦しみ → 失恋)
  • unlucky in love(恋の不運 → 失恋)
  • disappointment in love(恋愛における失望 → 失恋)

cross in love、unlucky in love、disappointment in love 辺りの言い回しは「失恋」を指すフレーズとして定着しています。ニュアンスの微妙な差を意識して使い分けてみてもよいでしょう。さらにヒネった言い回しを編み出してみるのもアリでしょう。

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恋人にフラれた!と表現する言い方

前提なく「失恋」というと、片思いが実らなかった状況を念頭に置いてしまいがちです。交際していて(恋人関係だったけど)相手から関係解消されてしまったという場合は、他の表現を選んだ方が伝わりやすいかもしれません。

dump

dump は動詞で、俗に「交際相手を振る」という意味で用いられる語です。受動態で用いれば「フラれた」という意味合いの失恋が表現できます。

I got dumped.
フラれた
He dumped me.
彼は私をフッた

dump は本来は「捨てる」「取り除く」といった意味の語です。「恋人を振る」という意味も、スラングではありますが、かなり浸透しています。

lost one’s love

以前は自分に向けられていた愛を今では失ってしまった、愛情を向けられなくなってしまった、という状況は動詞 lose で表現できます。

I lost his love.
彼は私を愛してくれなくなった

この lost one’s love という言い方は、恋愛関係が完全に破綻してしまったという状況でも使えますし、(まだ相手からは何も言われていないけれど)なんだか関係が冷え込んでいる・もう愛されていないという感じがする・振られそうな予感、といった状況を表現する場合にも使えます。


理由はともかく「別れた」とだけ表現する言い方

どちらがフッたフラれたといった細かい事柄には特に言及せず、ただ「別れた」という事実にのみ言及する場合、適当な言い方があります。

break up

break up は恋人の別れ(関係解消)を指す一般的な表現です。

break up そのものは「粉砕する」「分配する」等々、分脈に応じてさまざまな意味合いで用いられる句動詞です。

We broke up.
僕たち別れました
Are you breaking up with me?
別れようって言いたいの?

not together anymore

第三者に「私たちもう付き合っていないんです」と説明する場合などには、We’re not together anymore. といった言い方も使えます。

be together は単に「一緒にいる」と述べる表現であり、特に恋愛関係を指す表現というわけではありませんが、分脈次第によっては「付き合っている」という意味の(多分に婉曲的な)表現としても用いられます。

It didn’t work out.

どちらが悪いわけでも好きじゃなくなったわけでもなく、ただ歯車がずれていって別れてしまった、というような場合は二人の関係を主語に置き、It didn’t work out. と述べることができます。日本語で言うなら「うまくいかなかった」といったニュアンスでしょう。

She and I tried to stay together, but it didn’t work out.
彼女と僕は一緒にいるために努力したけど、結局は別れてしまった

「片思いが実らなかった」と表現する言い方

付き合う段階に至らず散る恋もあります。

rejected

相手に想いを伝えたけれど、受け入れてはもらえなかった、というような状況は、 rejected のような語がいちばん近いでしょう。つまり告白やアプローチが「拒まれた」と表現して「フラれた」趣旨を表現するわけです。

rejected は動詞の reject の過去分詞であり受動態もしくは形容詞的な用法で使えますが、文によっては動詞 reject をそのまま使ったり名詞  rejection を使ったりもできます。

I told him, but he rejected me.
彼に告白したんだけど、振られちゃった
I’ve been kind of depressed since the rejection.
失恋して以来うつ気味だ

not love me back

not love me back は、片思いのままで相思相愛にはなれなかったことを率直に述べる言い方です。

自分の恋心を相手に伝えたかどうかは問わない表現であり、思いを伝えてゴメンと言われた場合にも、それとなく無理と察したような場合にも使えます。いずれにしても報われなかった恋です ?

I used to have a huge crush on him for years, but he never loved me back.
何年も片思いしてたけど、彼は一度も私のことを好きになってくれなかった

失恋による「傷心」を表現する言い方

「失恋した」という動向よりも「(失恋して)滅入っている」という心理状況に焦点を当てる言い方もついでに把握してしまいましょう。

break one’s heart

heartbreak (失恋・傷心)は《動詞+目的語》と分解すれば失恋して傷心している様子を述べる言い方になります。

His cheating really broke my heart.
彼の浮気にとても傷ついた

break の過去分詞(形容詞用法)で heart を形容する言い方もアリでしょう。

I have a broken heart now.
いま傷心中なんだ

あるいは、heart を主語にして、break を自動詞として用いることもできます。

I don’t want to tell him, because my heart breaks if he rejects me.
振られたら傷つくから告白はしたくない

break one’s heart は失恋に関連して述べられることも多くはありますが、恋愛とは全く関係ない悲しい出来事の際にも頻繁に用いられます。例えば形容詞にして heartbreaking news などと言うと、「胸が張り裂けるようなニュース」という意味になります。

torn または shattered

傷ついた心を表現する言い方として、break よりももっと強烈で無惨な様子を表す torn や shattered といった形容詞が使えます。

torn は「引き裂く」という動詞 tear の過去分詞形で、My heart is torn apart. というと「私の心は引き裂かれた」という意味になり悲痛な胸の内を表現できます。

また shattered は「粉々になった」「打ち砕かれた」という意味の形容詞です。broken heart よりも shattered heart の方がより打ちひしがれて立ち直れない気持ちを表していると言えるでしょう。

「失恋」を乗り越えた場合

over him (her)

I’m over him. または I got over him. で「もう彼のことは忘れた」「失恋を乗り越えた」という意味になります。

get over は失恋に限らず、つらい経験を乗り越えることや困難に打ち勝つことなどを意味してよく用いられます。

友達を励ます際などにも使える表現です。

I don’t think I can ever get over her.
彼女を忘れられるような気がしない
Come on, it’s been a year! You’ve got to get over him!
もう1年よ!彼のことは忘れなきゃ!

move on

前の恋人を忘れて、次に目を向けることを表すには move on というフレーズが使えます。

move on は先へ先へと進んでいくこと、職場や家など居場所を移ることなどを意味します。ある恋人からまたある恋人へと進んでいく様がよく当てはまる表現です。

とはいえ決して遊び人や淡白な人といったニュアンスは込められておらず、失恋から立ち直るポジティブさに焦点を当てた意味合いです。

? I heard he was recently dumped. Is he alright?
 彼こないだフラれたって聞いたけど大丈夫なの?
? Yeah, he’s moving on. I think now he likes you.
 もう次に進んでるよ、今はね君を好きになってるんだと思う

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