いわゆる「不倫」は英語では affair といいます。have an affair で「不倫に及んだ」というような意味の表現になります。
男女どちらも不倫に及んでいるという意味で「W不倫」(ダブル不倫)のような表現が用いられることもありますが、これは英語では「両名ともに」という意味で both を用いる言い方が妥当です。
「不倫」を英語で表現する言い方
「不倫」は、日本語のもともとの意味は「人の道を外れること」というようなところですが、今日ではもっぱら「既婚者が他の異性とイイ仲になる」というような意味で用いられます。「浮気」とも言い換えられます。
この「不倫」または「浮気」は英語では一般的に affair の語で表現されます。
不倫は英語では affair という
affair の根本的な意味は「仕事」「用事」といったところですが、「事件」という意味、「醜聞」のような意味、さらには「不倫」「浮気」「刹那的な不埒な色恋沙汰」というような意味でも用いられます。
「不倫」に対応し得る訳語としては、他にも adultery(不貞)あるいは illicit relationship(不適切な関係)といった言い方が挙げられます。とはいえ affair ほどよく使われる言い方とはいえません。
不倫を「人の道を外れたような不道徳行為」という意味合いに取る場合、immorality (不道徳)とも訳せます。
行為としての不倫は have an affair と表現できる
affair はもっぱら名詞として用いられる単語です。これを「不倫する」という叙述に用いる場合、have を動詞に用いて have an affair という風に表現します。
have は「関係をもつ」というような抽象的な状態付与のニュアンスで捉えると納得しやすいでしょう。
不倫相手を明示して「誰々と不倫した」という風に述べる場合は前置詞 with を用いて have an affair with ~ と表現できます。
「ダブル不倫」を英語で表現する言い方
日本語では「不倫+不倫 → ダブル不倫」のような意味合いで、「W不倫」という言い方が、スポーツ新聞の見出しなんかで用いられたりしますが、この「W不倫」という言い方は英語学習において厄介きわまりない代物です。
いっそ「W不倫」なんて言葉は日本語の中からも消してしまった方が何かと楽です。
英語では both have affairs のような言い方が穏当
日本語の「W不倫」のように名詞として扱われる端的な表現は、英語の中には特に見当たりません。少なくとも、普通の文脈の中では用いられません。
いわゆる「W不倫」に相当する状況は、副詞 both を使って both have affairs のように表現されます。
主語、動詞 have、および affairs の語は、それぞれ複数扱いになります。
仮にチャールズ皇太子とダイアナ后が共に不倫(浮気)していたんだったら、なぜ破局後は誰もがダイアナ妃の肩を持ったのだろうか
―― Quota
2人とも不倫していた時は
― BeyondAffairs.com
主語2名の構成は文脈次第
「ダブル不倫」という言い方は「夫婦そろって配偶者以外の異性と不倫関係にある」という意味合いの場合と、「不倫関係にある男女が2人とも既婚者」という意味合いの場合と、両方あり得ます。
英語の both have affairs のような表現も、誰と誰のダブル不倫なのかは、主語や文脈によって判断されることになります。
「W=ダブル=double」は危険な認識
「W不倫は英語でどう言う?」という趣旨とは少し逸れますが、むしろここからが本題です。
日本語では「W不倫」「ダブル不倫」のように「W」と「ダブル」が同一の言葉(の異表記)のように扱われますが、これは基本的に英語にはない扱いです。
「W」の字の成り立ちは、字形も、 /ˈdʌbəljuː/ という読み方も、「double U」から来ているとされます。その限りにおいて W の字と double とは密接な関係があるわけですが、double の意味で W と表記するような用法は普通は用いられません。
マクドナルド(McDonald’s)の名物メニュー「ダブルバーガー」は英語では Double hamburger といいます。バーガーキング(BURGER KING)の「ダブルチーズバーガー」は Double Cheeseburger です。hamburger は burger と略されたりもしますが、double と W の表記に換える事例はまず見つかりません。
とはいえ double を W と表記する例が皆無というわけでもありません。しかしながら、その数少ない例も for you を「4u」と表記するような言葉遊びの範囲内と言ってしまえるでしょう。