「広島風お好み焼」は英語でどう言う?

「広島風お好み焼き」を英語で言うとすれば Hiroshima-style Okonomiyaki という回答がいちばん無難でしょう。

「広島風」も「お好み焼き」も、対応する文化が英語圏にないので、固有名としての扱いが穏当になるというわけです。もちろん最初に色々と補足する必要は出てくるでしょう。

補足説明しない前提で料理の特色を具体的にイメージしてもらいたい場合、Japanese pizza とか Japanese pancake という風に比喩的に表現する言い方もアリでしょう。

食文化は地域性が色濃く反映されるジャンルです。「辞書を引けば訳語が見つかる」という前提は取り払って、相手が知らない未知の概念を教えるようなつもりで、伝え方を工夫しましょう。

大体は固有名+補足か、多少の誤解を恐れずに他の料理で喩えるか、あるいは一から説明するか。文脈に応じて選びましょう。

つまり郷土料理の何たるかが伝達できたらもう怖いものはありません。何でも説明する発想が身についていることでしょう。

広島風お好み焼きを英語で表現する言い方

お好み焼き

広島風お好み焼き = Hiroshima-style Okonomiyaki 、は安直ながら堅実な表現

「広島風お好み焼」を英語で表現する場合に第一の選択肢となる言い方は Hiroshima-style Okonomiyaki でしょう。

「広島風」部分は「(地名)-style」という言い方で(「広島スタイル」と)表現できます。地名-style とハイフンで連結させることで名詞の形容詞的用法として(「広島スタイル」という意味合いで)使えます。

実際的な英文の用例としては、ハイフンが省略されて Hiroshima style Okonomiyaki のような表記になったり、あるいは style を動詞と見なして扱い Hiroshima styled と変化したりする場合も多々あります。いずれも意味は同じです。

結局、広島風お好み焼 という呼び名を単純に英語に訳するだけなら、Hiroshima-style Okonomiyaki で十分というわけです。ただし「広島風」も「お好み焼き」も固有名。それ自体が英語圏で知られている言葉ではないことを念頭に置いておく必要はあります。

(広島風)「お好み焼き」を Japanese pizza や Japanese pancake と形容する言い方もある

広島風お好み焼きがナニモノなのかよく知らない人に、ただ「広島風お好み焼き」とだけ言っても、その何たるかは全く伝わりません。それでも構わない文脈もあるでしょうが、多少は具体的にどういう料理かを伝えたい文脈もあるでしょう。

一般的に、英語圏の人に「お好み焼き」について説明する場合、Japanese pizza もしくは Japanese pancake と表現する場合がままあります。ピザやパンケーキを引き合いに出せば「小麦粉ベースの生地を丸い形に焼いた食べ物」という要素は伝わります。

ただ単に pancake とたとえてしまうと、甘いデザートの類だろうかという誤解も与えかねません。 savory (「塩気のきいた」「香ばしい」)といった表現を添えると、誤解の余地が減らせます。

また、使われている食材などをいくつか述べるだけでも、どんな料理なのか説明することができます。同時に「お好み焼き」という日本語の意味を解説してみてもいいかもしれません。

Okonomiyaki is typically made of cabbage, egg, and flour, but you can also put anything you like, such as pork and seafood. That is why it is called “okonomi,” which means “anything you like.”
お好み焼きはキャベツと卵と小麦粉でできていますが、他にも豚肉や魚介類など好きなものを入れることができます。だから「何でも好きなもの」という意味の「お好み」の名がついています

「広島風お好み焼き」の《広島風》の特徴は ingredients on top と表現できそう

ただのお好み焼きでなく「広島風」とわざわざ強調したいということはつまり、大阪風と比較して一風変わっている点や調理方法が異なるという点を述べたいわけです。

一般的にお好み焼きというと、生地とキャベツとその他の具材をボウルで混ぜてから一緒に焼くという手順で調理されます。対して広島風お好み焼きは、最初に生地を薄く焼き、その上に具材を載せていくという点が特徴的です。

広島風お好み焼きを広島風たらしめるこの「具材を上に」という特徴は英語で、ingredients on top というフレーズを以て表現できます。

Osaka-style okonomiyaki is grilled after mixing all the ingredients, but Hiroshima-style one is cooked differently. You grill the dough first and ingredients come top of it.
大阪お好み焼きは全ての具材を混ぜてから焼きますが、広島風は違います。生地を先に焼き、具材はその上に載せるのです

「載せる」という点は put でも表現できますし、具材を主語にして come などと表現しても同じ意味が表せます。

「積み重ねる」を意味する stack という単語も広島風お好み焼きの特徴を表す際に使えます。生地の上に麺や卵など具材を積み重ねていくイメージを忠実に表す英語表現です。

Hiroshima-style Okonomiyaki, has a style in which it is grilled while the ingredients are stacked, instead of mixed.
広島風お好み焼きは具材を混ぜるのではなく積み重ねながら焼くスタイルです
――Japan Monthly Webmagazine, September 2016.

どんな料理なのかを詳しく話そうとするとどうしても調理法の説明になってしまいがちですが、そこは致し方ない点とも言えます。

ただ単に広島風お好み焼きを説明するだけならそこまで詳しくする必要はないかもしれませんが、大阪風とはどう違うの?といった疑問が投げかけられたときなどに説明できるよう準備しておくと安心です。


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