「純国産」を英語で表現する場合、「純粋に国産の」と形容する言い方で表現できます。たとえば purely domestic 。他にもいろいろな言い方が使えます。
文字通り「純・国産」と表現する言い方に縛られる必要はありません。「海外製品を使用していない」「国内産の素材だけ使用している」と述べる言い方でも十分に「純国産である」趣旨が伝わる英語表現です。
「純 – 国産」と分けて考えれば無難な英語表現が見つかる
日本語の「純国産」は、たいてい食べ物、あるいは家電製品について用いられる言葉といえます。純国産(すなわち「純日本産」)には「安全」「高品質」という含意があるといえます。
海外でも「国産か外国産か」に言及する場面はありますが、日本のように「自国産は安心または高品質」というような暗黙の前提は全体的に希薄です。
英語圏というか海外では、国単位でどうこうという考え方は希薄ではありますが、企業ごとブランドごとに「あの会社の製品はどれも高品質」とか「この製品シリーズは信頼できる」といった考え方はあります。
「純」部分に対応する英語表現
純国産の「純」は「純粋に」と表現する言い方を思い浮かべるとよいでしょう。英語では「純粋に国産の」と、形容詞(国産)に係る語として表現するので、副詞を見出す必要があるという点を意識しましょう。
該当する表現としては purely が一番しっくり来ます。 100% と言ってしまう言い方も十分にアリです。
- purely (純粋に)
- entirely (完全に)
- authentically (正真正銘の)
- 100% (100パーセントの)
「国産」に対応する英語表現
「国産」と表現する英語表現としては、made in (+国名) あるいは domestically produced といった言い方が一般的といえます。どちらも受動態で「国内で作られた」と述べる言い方です。
受け身表現が使いにくければ a domestic product と表現する言い方もできます。この言い方なら《形容詞+名詞》の形で「国産品」と表現できます。
- be made in 国名
- be domestically produced
(大量生産品の場合は manufactured も使えます) - be a domestic product
(product はもっと具体的に car 等の語でも代替できます)
「純」が「国産」に係る形の英語表現を探そう
「純国産」は、「国産」を表す (domestically produced のような)英語表現と、「純(純粋に)」を表す( purely のような)英語表現とを組み合わせる形で無難に表現できます。
「純」と「国産」それぞれに対応する英語表現の組み合わせは多岐にわたりますが、意味・ニュアンスはどれも大差なく、どの英語表現を使ってもおおむね同じ「純国産」の意味を伝えます。
実際には、日常的な会話であれば「is 100% made in Japan」などなるべく簡素に表現し、かための文章なら「is purely domestically produced」あたりでかしこまって書くといった使い分けはありそうです。また、「is authentically domestically produced」のように -ly がむやみに連続してしまったり長い単語が並んでしまったりする言い方は、修飾関係が分かりづらく避けられる傾向にあります。
- (X) is 100% made in Japan
- (X) is purely made in Japan
- (X) is authentically made in Japan
- (X) is entirely made in Japan
- (X) is 100% domestically produced
- (X) is purely domestically produced
- (X) is authentically domestically produced
- (X) is entirely domestically produced
- (X) is a 100% domestic product
- (X) is a purely domestic product
- (X) is an authentically domestic product
- (X) is an entirely domestic product
文をまるごと使って説明的に「純国産」の旨を述べる英語表現
「純国産」を英語で表現するというよりも、相手に伝えたい事実そのものを説明してしまう発想でベタに述べ立てる方法も便利です。「純国産」という言葉を直接あれこれ弄ろうとするのではなく、例えば「日本の原材料のみを使ってる」とか「輸入原材料を使っていない」とかいった内容に置き換えて、知っている英単語で言いなおせば意図する内容は正しく伝わるはずです。
「日本の原材料のみを使っている」と述べる方法
「日本の原材料のみを使っている」と述べれば、結局「純国産」の意味合いを伝えていることと同じです。例えば、made from ~ (~から出来ている)や ingredient (原材料)などの表現が使えます。
このピザは日本産の食材だけから作られています
「輸入原材料を使っていない」と述べる方法
「純国産」は裏を返せば「出来上がる工程で輸入した原料を使っていない」と言い換えることができます。「輸入原材料」は imported raw materials と表現できます。
これらの製品を作るのに輸入原材料は使用していません
「日本のものだけで構成されている」と述べる方法
「純国産」という表現は「その国の出身者だけで構成されている」などの意味合いで組織や集団に対しても使う場合があります。英語で逐語的に対応する言い回しはないため、素直に「メンバーに~出身者しかいない」「全員が~人である」のように言い換えて述べるのが最も無難です。be composed of(~で構成されている)などの表現が便利です。
我々のチームはアメリカ人だけで構成されています(我々のチームは「純アメリカ産」です)
我々の会社のメンバーはみな日本人です(我々の会社は「純日本産」です)
ただし、特定の民族だけで構成されていることをプラスに捉える考え方は今どき受容されにくく、ことさらに強調すると「排外的で多様性を好まない」などのマイナスの誤解を与える可能性が大いにあります。